日本の化学企業のハイエンド領域への進出、および一段の提携・統合を支援
中国産品の価格の低さは、全面的な生産コスト効率面での優位性によるのではなく、 低収益性に苦しんでいるのが実態
欧州最大級の経営コンサルティングファームである株式会社ローランド・ベルガー(以下、ローランド・ベルガー)は、設備投資を加速化させる中国化学企業に対して、日本企業への提言を紹介したレポート「中国化学産業の現状と日本企業への示唆」を発表しました。
中国における石油化学産業は成長を続けていますが、企業数や生産設備も同様に増加を続けており、供給過剰が指摘されています。直近においても、固定資産投資額は2020年の2,140億ドルから2023年には3,300億ドルまで増加しています。増え続ける設備に対し稼働率を高めるためには輸出が不可欠ですが、各国のアンチダンピング措置や脱炭素関連政策が課題となっています。特に、対アメリカではトランプ政権の始動により、第1次政権同様に中国の化学品に対する関税引き上げのリスクがあり、更なる苦難も想定されます。
一方で、廉価な中国産品が日本含め世界市場を脅かしているものの、ローランド・ベルガーでは、その価格の低さは必ずしも中国企業の生産コスト効率面での優位性に全て起因しているのではないと考えています。彼らも過当競争の中で利益率を限界まで削り、低収益性に苦しんでいるのが実態です。

ローランド・ベルガーで化学業界をリードするプリンシパルの三輪は、次のように述べています。

「日本の化学企業は、この状況を前提とした、2つのいずれかの事業ポートフォリオを構築するときにきています。1つは、技術の更なる磨き込によるハイエンド領域への染み出しであり、これが基本戦略です。しかしながら、既存事業に中国産品と競合し得るコモディティ品領域が存在する場合には、十分な価格競争力を確保する必要性を直視し、国内同業とのもう一段の提携・統合といった対応策の重要性がますます増しています。」
ローランド・ベルガーの最新のレポート「中国化学産業の現状と日本企業への示唆」はこちらのサイトからご覧いただけます。
ローランド・ベルガーについて
ローランド・ベルガーは、1967 年に設立されたドイツのミュンヘンに本社を置く世界有数の経営戦略コンサルティングファームです。世界50以上の主要都市にてビジネスを展開し、Entrepreneurship(起業家精神)、 Excellence(卓越性)、Empathy(共感)という価値観を原動力とし、現在および未来の重大な課題に対応するための最高水準の知見及びサービスを提供しています。
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