FromプラネットVol.145<マイナポイントに関する意識調査>
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第145号として、マイナポイントに関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- 半数以上が制度を“理解”も、若年層の認知度はいまひとつ
まず、マイナポイントの認知度を調べてみました(図表1)。内容を「理解している」(「よく理解している」+「大体理解している」)と答えた人は56%と半分以上に。「名前を聞いたことがある程度」と合わせると、9割以上の人が制度自体を認知しています。一方で「名前を聞いたことがなく、よくわからない」とした人も6%いました。
性・年齢別では、男女20代と女性30代で「理解している」人は半数以下、男性の20・30代では「よくわからない」とした人が1割超と突出、若年層では制度の認知がいまひとつのようです。また、男性は「よく理解している」とした人が各年代で2割を超えていますが、女性では60代のみに。マイナポイントの説明では「アプリ」「パスワード」などの用語が出てくるうえ、段階を踏んで手続きを進めなければいけないため、「なんとなくは分かるけれど、100%理解は難しい」という人が多いのかもしれません。
- 3分の1がマイナポイントを契機に“マイナンバーカードを取得”
一方、「取得予定はない」と回答した人も38%にのぼり、50代以下で高い傾向がみられます。マイナポイント制度をカード普及の起爆剤にしたい国にとっては、この層への訴求が課題と言えそうです。
- マイナンバーカード取得者の4割が“これから手続き”
男女別では、男性で「手続き済み」が「これから手続き予定」を7%ポイント上回っているのに対し、女性は拮抗しています。図表2でマイナポイント開始前からのカード保有率が男性のほうが高いことも背景にあるのでしょう。性・年代別でみると、図表2でカード保有率が高かった60代で、男女とも「手続き済み」が最多の一方で、70代以上では男性45%、女性26%と男女間で大きな差が。高齢女性では、スマホやパソコンの苦手意識などで手続きを後回しにしている人が多いのでしょうか。30~50代の働き盛り世代では、男女ともおおむね4割の人がすでに手続きを済ませていました。
こうしたなか、カードを持ちながらも「手続きする予定はない」人も16%にのぼり、特に20・60代女性と70代以上の男女では2割超に。マイナンバーの番号やパスワードを忘れると、再発行のために役所に出向かなければならず、こうしたことで手続きを断念した人も一定数いるのかもしれません。
ほかの属性別では、《職業別》で“会社役員・経営者”と“公務員”で半数以上が「手続き済み」と回答。情報に敏感であったり、立場上カード保有の意向が強いことを反映しているのでしょうか。《婚姻別》では、より家計に敏感な人が多いと思われる“配偶者あり”がマイナポイントに対する意欲が高い結果となりました。
- 若者は“QR決済”、中高年は“クレカ”と紐づけ
当該の決済サービスを選んだ理由としては(図表5)、「日常的に使うサービスだから」が8割と断トツに。以下、「使える店舗が多い」27%、「1回のチャージや手続きで上限の還元が受けられる」25%、「簡単に使える」23%と続きました。「キャンペーン内容や特典」を重視した人は19%と意外と少ない印象です。“お得感”よりも、“使い勝手”や“利便性”を重視しつつ、1回で上限まで還元を受け取って“もらい逃がし”がないようにしよう、と考える人が多い、と言えそうです。
- 若者は“面倒”、高齢者は“セキュリティに不安”で申請しない
年代別でみると、「手続きが面倒」とした比率が特に高かったのが20~40代に。仕事や子育てなどに忙しく、申請手順を調べたり手続きをする時間がない、ということなのでしょうか。「セキュリティ面の不安」については、60代・70代以上で最多だった一方で、年代が下になるほど比率が下がっています。この傾向は、日ごろからスマホやパソコンを使う機会が多い・少ないに左右されているのかもしれません。70代以上でほかの世代より「カードを持ちたくない」「キャッシュレス決済を使っていない・使いたくない」の比率が高い背景にも、同様の理由がありそうですね。一方で、「還元が少ない」を理由に挙げた人は8%と少なく、年代間でもそれほど大きな差はみられませんでした。
- 現行の2~3倍の還元なら申請…?
とはいえ、半数は「引き上げられても受けたくない」としており、かたくなにマイナポイントに背を向ける人が少なからずいるようです。
- 申請を“手間”と考えるか否か…
【マイナンバーカードを作る・使う契機に】 ● (マイナンバーカードを)一応持ってはいるが、使う機会がほとんどなかった。やっと使う先があったって感じです。(男性・50代) ● マイナンバーカードを作るきっかけにもなったし、とてもお得なので良かったです。今は旅行などが割引になるものがあるみたいだけど、今のところ旅行などに行けないので、こういうのがあると嬉しいです。(女性・60代) ● マイナンバーカード自体の申請にかなり時間は要したが、スマホからの申請が可能なので、平日に市役所等へ行く必要がなかったのは助かりました。せっかくマイナポイントがきっかけでカードを作ったので、マイナンバーカードで色々できるように便利になってもらいたい。 (男性・20代) 【手続きは簡単? 難しい?】 ● スマホを持っていない人や、高齢者には手続きが複雑なのではないかと思う。もっと公平に申請できるようなシステムにしてほしい。(女性・50代) ● マイナンバーカードを持っていれば手続きは簡単で、利用して良かったので、友人にも勧めた。(女性・60代) ● 簡単に申請できて5000円分の還元はお得。面倒だという理由で申請しない人が多いようだが、損をしていると思う。マイナンバーカード自体も先日コンビニで印鑑証明書を取得でき、便利だと思う。(男性・40代) ● 周りの人たちから勧められてようやく申請することに決めた。テレビや新聞などからのみのお勧めであったならば、手続きが複雑で面倒そうなイメージが強いため、決して申請しなかったと思う。(男性・30代) 【還元は家計に助かる!】 ● 日々やりくりしながら生活しているので、とても家計に助かる。普段のお買い物で利用している店舗だからすぐに無くなってしまうだろうが、臨時収入としてすごく有難い。(女性・40代) ● ポイント還元率が高いので利用しました。1年に1度位の割合で還元制度が有れば良いと思います。(男性・40代) 【迷い・要望も】 ● あらゆるポイントやカードなどが登録でき独自の上乗せポイントがあったりして、とても迷った。一度登録すると変更ができないので、なかなか決められなかった。変更をできるようにしてほしい。(男性・40代) ● 役所が土日祝日のいずれかでもカードの交付窓口を開けてほしい。 そういう対応をしている地域がいくつかあるのを見たことがあるが、残念ながら自分の住む市では対応していない。(男性・20代) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「マイナポイント」に関する意識調査を実施。
期間:2020年10月16日~20日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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