保護者の9割が「学校での性教育は必要」、「妊娠や出産」も含めた包括的な内容を求める声は7割近く(どろんこ会グループ)
どろんこ会グループ性教育意識調査2025
どろんこ会グループ(本社:東京都渋谷区)は、2022年度から「性教育意識調査」を実施しています。2025年度は「学校での性教育に関する意識調査」を実施しました。その結果を公開いたします。
調査サマリー
1.保護者の96.0%が「学校での性教育は必要」と回答
実際の学校生活で起きている問題やみんなで共通の性教育を受けることのメリットに言及する意見も。
2.学校での性教育で「妊娠や出産」「性行為や避妊方法」を教えてほしいと考える保護者は7割近くに
第二次性徴のことやプライベートゾーン・パーツのみならず、幅広く教えてほしいという意向が伺える。
3.保護者自身が学びたい内容の第一位は「いじめやデートDV、性暴力とその予防について」
第二位は「『性』の悩みや性被害に関する相談・支援機関について」。相談・支援機関を知らない保護者も。
4.より早い段階での実施を要望する保護者の声は多い
より早い段階での実施の要望に加え、学校での性教育の内容が不十分なことに対する懸念の声も多い。
調査概要
どろんこ会グループでは2003年から毎年、保育園や児童発達支援事業所など全施設の5歳児を対象に「からだと命の大切さ」を教える性教育を行っています。性教育は幼児期に1回受けて終わりではなく、子どもの年齢と発達に則して継続的に行っていく必要があると考えていますが、小学校以降、学校によっては十分に実施されていない状況が続いています。
「こども性暴力防止法」の施行を2026年12月末に控え、子どものからだと命を守る取り組みへの意識が高まっている今、保育・幼児教育の視点から学校での性教育の必要性を発信していきたいと考えています。その第一歩として、小学生以上の子どもを子育て中の保護者が学校での性教育についてどのような考え、意見を持っているのかを調査しました。
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調査機関:どろんこ会グループ Doronko LABO®(自社調査)
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対 象 者 :小学生以上の子どもを子育て中の保護者
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調査期間:第一回収集 2026年2月6日~2026年2月27日
第二回収集 2026年3月6日~2026年3月20日
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調査方法:どろんこ会グループのSNSフォロワー、卒園家庭、スタッフに対し、SNSや公式LINE、社内報で告知。PCやスマホなどからアクセス可能なアンケートフォーム(Questant)を使用。
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回答者数:126名(母親92.9%、父親7.1%/20代0.8%、30代30.2%、40代61.1%、50代7.9%)
※回答の比率は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。
1.保護者の96%が「学校での性教育は必要」と回答
回答者の「子どもが所属する校種(小学生以上で最年長の子)」については小学校が67.4%となり、そのうち1~3年生が46.8%でした。

「学校での性教育は必要だと思いますか」の質問では、保護者の96.0%が「必要」と回答しました。

「学校での性教育について」の回答理由を自由記述で聞いたところ、
・家庭だけの性教育だけでは不十分だと思う。体育の着替え等、性教育に繋がる場面が多く学校での教育も必要と思うため。
・低学年です。男女、同じ教室で着替えています。クラス内で女の子が男の子のズボンやパンツを脱がす、男の子が女の子のパンツを見たりということがありました。小学生でも早い段階で、性教育の必要性を感じました。
・加害者にも被害者にもならないために、教える必要がある。みんなが共通の性教育を受けるには義務教育中に受ける必要がある。
・正しい知識を身につけることが自分や相手を守ることになるから。また、学校の授業の一環なら、抵抗なく子どもも学べそうだから。
※自由記述から一部抜粋(原文ママ)
といった、実際の学校生活で起きている問題やみんなで共通の性教育を受けることのメリットに言及する意見などがありました。
「学校での性教育について」自由記述分析

また、回答に頻出する言葉を1~11に分類して分析しました。「1 正しい情報」が一番多く、性に関する正しい知識を持ってほしいと望む保護者の声が明らかになりました。ネガティブな言葉9 ~11においては、「学校の先生たちが中途半端な知識で伝えるのであれば、必要ではない」といった条件面での意見がありました。学校での性教育について否定的な意見は一部あるものの、ほとんどの保護者は必要だと考えています。
2.学校での性教育で「妊娠や出産」「性行為や避妊方法」を教えてほしいと考える保護者は7割近くに
学校での性教育を「必要」と回答とした人に、教えてほしい内容について聞きました。「妊娠・出産」は69.0%、「妊娠の経過は扱わないこととする」とした学習指導要領のはどめ規定がある一方で、「性行為や避妊方法」を教えてほしいと考える保護者は68.3%と7割近いことが分かりました。他の内容についても、選択率は50%を超えており、第二次性徴のことやプライベートゾーン・パーツのみならず、幅広く教えてほしいという意向が伺えます。

「学校で教えてほしい内容にについて」の回答理由を自由記述で聞いたところ、
・全て必要な項目だから。子供達が理解出来るような教育内容で、子どもたちに知識を提供することが必要。
・全て必要だと感じた。アダルトコンテンツなど、目にしたくなくても目にしてしまうし、避けて通れないものを隠すことは不可能であり、臭いものに蓋をするのではなく、きちんと大人が正確に教えていかなければならないところにきていると感じる。
・体が成長するにあたって、いろんな事が変化してくる事は当たり前であって、恥ずかしい事や茶化したりする事ではないと学んで欲しい。妊娠、避妊の話ももちろん大切だけどまだ低学年では理解が難しいと思うので、年齢に合わせて段階を踏んで学んで欲しい。
・伝え方によっては面白がってしまう年頃でもあるので伝え方やタイミングは慎重に考えながら伝えてほしい。
※自由記述から一部抜粋(原文ママ)
など、「全て教える必要がある」「教える内容や教え方は年齢に合わせて検討してほしい」といった意見がありました。
「学校で教えてほしい内容」自由記述分析

また、回答に頻出する言葉の分析も行ったところ、「1 正しい情報」に次いで、「5 年齢や変化に応じた知識」「9 包括的に」という言葉が多く出ていました。本質問の回答選択肢は、ユネスコの『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の8つのキーコンセプトを参考に作成しています。ガイダンスでは、これらのことを包括的に、子どもの年齢や成長に即して教えていくことを求めており、保護者の多くはガイダンスに近い考えを持っていることが分かりました。
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』8つのキーコンセプトと本調査の選択肢分類

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キーコンセプト |
意識調査の選択肢 |
|---|---|
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1.人間関係 |
・家族、友人、恋愛関係など様々な人間関係について |
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2.価値観、人権、文化、セクシュアリティ |
・子どもの人権について |
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3.ジェンダーの理解 |
・ジェンダーの理解 ・LGBTQ+や性の多様性 |
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4.暴力と安全確保 |
・プライベートゾーン・パーツのこと ・性的同意について ・いじめやデートDV、性暴力とその予防について ・ポルノなど性的コンテンツが及ぼす影響について |
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5.健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル |
・「性」の悩みや性被害に関する相談・支援機関について |
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6.人間のからだと発達 |
・初経(月経)や精通(射精)、変声、発毛など、思春期のからだの変化 |
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7.セクシュアリティと性的行動 |
・性行為や避妊方法について |
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8.性と生殖に関する健康 |
・性行為や避妊方法について ・妊娠・出産について ・性感染症と予防について |
※『国際セクシュアリティ教育ガイダンス(改訂版)』International Technical Guidance on Sexuality Education: An Evidence-Informed Approach (Revised edition, 2018)(jpn)を参考に、Doronko LABO®にて作成。複数のキーコンセプトに該当する選択肢もあります。 https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000374167
3.保護者が学びたい内容の第一位は「いじめやデートDV、性暴力とその予防について

「学校で教えてほしい内容」「家庭で話している内容」「保護者自身が学びたい内容」を比較したところ、「家庭で話している内容」の選択率が低い項目は、保護者自身が学びたい内容であることが分かります。特に「いじめやデートDV、性暴力とその予防について」と「『性』の悩みや性被害に関する相談・支援機関について」は、保護者の選択率が50%を超えました。
「保護者自身が学びたい内容」について回答理由を自由記述で聞いたところ、
・現代で情報がアップデートされているであろう内容を知っておきたい。
・保護者の方が知らないこと、固定概念や思い込みなどがあるかと思うので、新しく学びたいと思っています。
・実際困った時にどのように対処すればよいのか、私自身伝えられるほどの知識がないと感じているから。
・実際に支援機関の事については、知識がほとんど無いため。
・自分たちが学生の頃は学んで来なかった内容のため子供だけの教育では不充分と感じた為。
・最近聞き慣れた、多様性という言葉がありますが、こどもに説明するとなるとなかなか難しいと思っています。 性被害にあったときの相談窓口などは、親として知っていた方がいいなと思いました。
・しっかりとした知識のもと、子どもに伝えたいと思ったため。また、どういう風に話していけば良いのか知りたいと思う。
※自由記述から一部抜粋(原文ママ)
など、支援機関や相談窓口について知らないという保護者もおり、最新の知識へのアップデートが必要だとする意見がありました。
4.より早い段階での実施を要望する保護者の声は多い
また、学校での「性教育」に関しての考えや意見、悩みなどに関する質問を自由回答で聞いたところ、
・小学校からしっかり教えてほしい。自宅でも話すきっかけにもなると思います 。
・男女分かれて話す場合と男女一緒に話す場合が学校によって違うし、先生達の力の入れ方もその先生によると感じました。学校によって違うことやかける時間が少ないことに疑問を感じます。
・学校でどのような取り組みをしてるかは保護者からは見えないこと。子どもからはそういう話をしないのでもっとオープンに取り組みについて伝えてほしい。
・学校の先生も、性教育の知識がないのに教えていると聞いたのでしっかり知識を持った方に子どもに響くように伝えてくださると良いなと思います。
※自由記述から一部抜粋(原文ママ)
といった意見がありました。
「学校での『性教育』に関しての考えや意見、悩み」の自由記述分析

回答に頻出する言葉の分析では、一番多い「3 内容に対して」では、学校での性教育の内容が不十分なことに対する懸念やより早い段階から行ってほしいという要望がありました。次に多い「4 学校に対して」では、「実施しているなら内容を家庭に通知してほしい」など学校と家庭との連携不足を感じている意見がある一方で、学校の外部講師を招いた性教育に保護者が参加でき、親自身の学びになったという意見もありました。
5.幼保と学校、保護者が共に性教育について考える場を創る
『令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況(警察庁)』(※)の「【児童買春事犯等】検挙件数の推移」では、令和7年度の総数は4,858件となり、3年連続で高水準で推移していることが指摘されています。「SNSに起因する事犯」では、小学生の被害者数が増加していることが明らかになっています。

出典:警察庁「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」(令和7年)をもとに作成
(※)https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/pdf_r7_syonenkohosiryo.pdf
こうした状況からも、どろんこ会グループは、子どもたちが自分のからだと命を守れるよう学校でも年齢や発達に応じて包括的な性教育を行う必要があると考えていました。本調査によって大半の保護者も、学校での年齢や発達に応じた性教育は必要であり、包括的な内容を教えてほしいと考えていることが分かりました。
これまで、どろんこ会グループが開催する保育者や保護者を対象とした性教育講座は、主に乳幼児期に関するものでした。今後は学齢期にも適切な性教育を受けられるよう、幼保と学校、保護者が共に考える場を創り、これまでの取り組みを広げてまいります。

どろんこ会グループ
●理念:「にんげん力。育てます。」
●事業内容:保育事業、児童発達支援事業、 就労支援事業、農業、研修事業、旅行事業 ほか
●グループ内法人:社会福祉法人どろんこ会、株式会社日本福祉総合研究所、社会福祉法人愛育会(理事長 代表取締役 安永愛香)、株式会社ゴーエスト、株式会社南魚沼生産組合、 株式会社Doronko Agri(代表取締役 高堀雄一郎)
●施設数:約200施設 ●職員数:約3,000 人 ●利用者数:約10,900 人(以上2026年5月時点)
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