「校閲ガール・河野悦子」のリアルな実態とは!?
「“白い犬のお父さんシリーズ”のはずが、“白いお父さんシリーズ”に」「作家さんから届いた小説原稿に目を通していると、序盤で殺されていたおばあさんが、また殺されていた」などの間違いも!
10月31日に発売した『編集会議』(www.amazon.co.jp/dp/B01M1XPDJ3)では、メディア業界の現場の本音や数字を可視化すべく、編集者・ライター100人にアンケートを実施。いま話題のテレビドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の実態についても調査した。
メディアが書籍をはじめとするコンテンツを世の中に出す際、「校閲」を専門とする担当者が誤字や矛盾、事実誤認を正すプロセスを経るのは、これまで当たり前とされていた。それは雑誌などに掲載される記事も同様で、現在放映中のテレビドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」のように自社内の校閲部、あるいは校閲を専門とする会社が校閲した上で、メディアに掲載されることが多かった。
しかし、昨今はWebメディアを中心に、校閲者による校閲がなされないまま、記事が公開されるケースが増えている。では実際にどのくらいのメディアが、いわゆる“校閲ガール”(あるいは“校閲ボーイ”など)を活用しているのか。
編集者・ライター100人を対象とする本誌のアンケートで「記事をメディアに掲載するにあたり、どのくらい“校正・校閲”をしますか?最も多いパターンを一つ選んでください」という質問をしたところ、以下のような結果に。
上の結果の通り、校閲を専門とする担当者による校閲を経ず、記事が公開されるケースが6割を超えることがわかった。これはすなわち、編集者・ライター自身が校閲をしているということを示し、自身の校閲スキルの認識に関する結果としては「(校閲に対する自信が)ある」「どちらかといえばある」が合わせて約54%にのぼった。
“桃太郎と犬猿雉の写真を入れるために正式な写真を手配していたのだが、アタリで入れていた渋谷のハチ公(犬)と、上野にある西郷隆盛の銅像(桃太郎)のまま印刷されてしまった。”
“ライバルメーカーにあたるA社とB社の会社名を入れ違えて掲載してしまった。両社から「よりによって」と怒られ、顛末書を求められて、平身低頭して謝罪文を書いたが、編集長には「ここまで謝る必要はない」と半分ぐらい削られた。”
“作家さんから届いた小説原稿に目を通していると、序盤で殺されていたおばあさんが、また殺されていた。きちんと校正していてよかった。”
“ある企業の広告キャンペーンについて掲載する際、「白い犬のお父さんシリーズ」のはずが、「白いお父さんシリーズ」となっていた。入稿前に気づいたため大事には至らず。”
“奥付の版元(自社)の電話番号に誤植があり、他社の電話番号だった。訂正シールをつくって社員総出で都内書店で貼って回った。”
校閲者でさえ「校閲者の目を通したどんな書籍や雑誌にも、必ず何かしらの誤植がある。完璧にミスのない書籍・雑誌は存在しないのではないか」(某校閲者)というのだから、校閲そのものが、記事そしてメディアの品質管理という点において、欠かせない機能だということがわかる。
『編集会議』本誌では、「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の特別企画として、原作『校閲ガール』の著者・宮木あや子さんへのインタビュー記事、また『校閲ガール』シリーズの編集担当者とテレビドラマ「校閲ガール」の校閲監修を担当する校閲者による対談も収録。さらにメディアの実情を掘り下げるべく、以下についての回答を掲載している。
※本記事におけるアンケート回答者は以下のような方々です。
しかし、昨今はWebメディアを中心に、校閲者による校閲がなされないまま、記事が公開されるケースが増えている。では実際にどのくらいのメディアが、いわゆる“校閲ガール”(あるいは“校閲ボーイ”など)を活用しているのか。
編集者・ライター100人を対象とする本誌のアンケートで「記事をメディアに掲載するにあたり、どのくらい“校正・校閲”をしますか?最も多いパターンを一つ選んでください」という質問をしたところ、以下のような結果に。
上の結果の通り、校閲を専門とする担当者による校閲を経ず、記事が公開されるケースが6割を超えることがわかった。これはすなわち、編集者・ライター自身が校閲をしているということを示し、自身の校閲スキルの認識に関する結果としては「(校閲に対する自信が)ある」「どちらかといえばある」が合わせて約54%にのぼった。
その自信を裏付けるかのように、校閲の甘さから危機的な状況に陥った経験のある編集者やライターは30%弱と、意外にも少ない結果に。
しかし、『編集会議』2016年春号(前号)で同様のアンケートをとった際には、失敗事例について聞いたところ、以下のような意見が多数寄せられた。
“桃太郎と犬猿雉の写真を入れるために正式な写真を手配していたのだが、アタリで入れていた渋谷のハチ公(犬)と、上野にある西郷隆盛の銅像(桃太郎)のまま印刷されてしまった。”
“ライバルメーカーにあたるA社とB社の会社名を入れ違えて掲載してしまった。両社から「よりによって」と怒られ、顛末書を求められて、平身低頭して謝罪文を書いたが、編集長には「ここまで謝る必要はない」と半分ぐらい削られた。”
“作家さんから届いた小説原稿に目を通していると、序盤で殺されていたおばあさんが、また殺されていた。きちんと校正していてよかった。”
“ある企業の広告キャンペーンについて掲載する際、「白い犬のお父さんシリーズ」のはずが、「白いお父さんシリーズ」となっていた。入稿前に気づいたため大事には至らず。”
“奥付の版元(自社)の電話番号に誤植があり、他社の電話番号だった。訂正シールをつくって社員総出で都内書店で貼って回った。”
校閲者でさえ「校閲者の目を通したどんな書籍や雑誌にも、必ず何かしらの誤植がある。完璧にミスのない書籍・雑誌は存在しないのではないか」(某校閲者)というのだから、校閲そのものが、記事そしてメディアの品質管理という点において、欠かせない機能だということがわかる。
『編集会議』本誌では、「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の特別企画として、原作『校閲ガール』の著者・宮木あや子さんへのインタビュー記事、また『校閲ガール』シリーズの編集担当者とテレビドラマ「校閲ガール」の校閲監修を担当する校閲者による対談も収録。さらにメディアの実情を掘り下げるべく、以下についての回答を掲載している。
【捏造記事やエア取材記事の実態/睡眠時間や休日の有無などの生活面/編集者・ライターとの人脈接点/編集者とライター双方から見た実態/紙・Webでの平均的な原稿料】
※本記事におけるアンケート回答者は以下のような方々です。
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『編集会議』は、メディア関係者必読の記事が詰まった渾身の一冊です!
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