インドのスマートフォン市場、2020年に1.5億台を突破
パンデミックが起こった年にも関わらず、インドのスマートフォン市場は4%減で留まり、2020年下半期に1億台を初めて突破。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドにおけるスマートフォン出荷台数は前年比4%と軽微な減少に留まり、台数は1.5億台を突破したという調査結果を含むMarket Monitorサービスによる最新調査を発表致しました。
ロックダウン明けの旺盛な需要に加え、インターネット販売での強力なプロモーションやeラーニングや在宅勤務などによる新しい使い方が普及し、パンデミックの年であってもスマートフォン市場を牽引しました。
インドのスマートフォン市場動向について、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストのPrachir Singh氏は次の通り述べています。
「インドのスマートフォン市場は、記録破りの好調だった2020年第3四半期の勢いを、第4四半期もキープした。ディーワーリー(数日かけて行われるヒンドゥー教のお祝いで、買い物が縁起良いとされる)が11月中旬だったため、10月から出荷が増加した。ロックダウン明けに起こった需要増のおかげで、2020年通年では1.5億台を超える出荷となった。オンライン学習や音楽・映像の視聴といった新しい使い方が広まったことが、需要増の大きな要因となった。さらに多くの人がフィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換えると同時に、多機能な端末が安くなるにつれ、需要はさらに高まると予想される。」
また、競合状況と各社の戦略について、カウンターポイント社リサーチアナリストのShilpi Jain氏は次の通りコメントしています。
「年末には中国に対する感情もだいぶ収まり、2020年の中国メーカーのシェアは75%となった。COVID-19の影響で消費者の行動が変化したことをうけ、チャネル戦略にも工夫がみられた。従来、実店舗での販売が中心だったSamsung、vivo、OPPOなどはインターネット販売のプレゼンスを上げた。SamsungはGalaxy MシリーズをAmazonで売り、Galaxy FシリーズをFlipkartで発売した。Xiaomiは 「Mi on Wheels」 (移動販売車でスマートフォンを売る形態)で実店舗チャネルの売上を強化するとともに、これまでカバーできていなかった遠隔地にも販路を広げた。メーカー各社は、プロモーションやブランドロイヤリティを高めるプログラムにも、工夫を凝らし、既存のユーザーベースを守るとともに上積みすることを狙っている。「Smart Upgrade」がその一例である(Samsungのスマートフォンを定価の7割で1年間使える。ユーザーは、残りの3割を支払って使い続けるか、返却するかを、1年後に選択できるというプログラム)。年末にはインドメーカーが勢いを盛り返し、MicromaxはINシリーズのスマートフォンを発表した。インドメーカーはPLIスキーム(Production-Linked Incentive: 中国依存度を減らすため、インド国内で製造された製品を売る企業にインセンティブを与える制度)をテコにシェアの拡大を狙っている。」
インドの携帯端末市場全体でみると、フィーチャーフォンの出荷が減ったことをうけて、2020年は前年比9%の減少となりました。フィーチャーフォンを使用する消費者のセグメントがロックダウンの影響を最も被り、フィーチャーフォン市場は2020年に前年比20%減となったことが理由であり、その中でも、Itelはフィーチャーフォンで前年比26%成長し、2020年の首位となりました。
図1: インドのスマートフォン市場シェア CY2020
図2: インドのスマートフォン市場シェア 2020年第4四半期
市場サマリー
詳細は、Q4 2020 Market Monitorより購読者の皆様にご提供中です。最新調査や分析に関してのご質問は、お気軽にpress (at) counterpointresearch.com までお問い合わせください。
Market Monitorの内容は、各社のIR情報から推定した出荷量、各社へのインタビュー、販売金額からの裏付け、流通段階の調査、およびその他の二次調査に基づいています。
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
インドのスマートフォン市場動向について、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストのPrachir Singh氏は次の通り述べています。
「インドのスマートフォン市場は、記録破りの好調だった2020年第3四半期の勢いを、第4四半期もキープした。ディーワーリー(数日かけて行われるヒンドゥー教のお祝いで、買い物が縁起良いとされる)が11月中旬だったため、10月から出荷が増加した。ロックダウン明けに起こった需要増のおかげで、2020年通年では1.5億台を超える出荷となった。オンライン学習や音楽・映像の視聴といった新しい使い方が広まったことが、需要増の大きな要因となった。さらに多くの人がフィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換えると同時に、多機能な端末が安くなるにつれ、需要はさらに高まると予想される。」
また、競合状況と各社の戦略について、カウンターポイント社リサーチアナリストのShilpi Jain氏は次の通りコメントしています。
「年末には中国に対する感情もだいぶ収まり、2020年の中国メーカーのシェアは75%となった。COVID-19の影響で消費者の行動が変化したことをうけ、チャネル戦略にも工夫がみられた。従来、実店舗での販売が中心だったSamsung、vivo、OPPOなどはインターネット販売のプレゼンスを上げた。SamsungはGalaxy MシリーズをAmazonで売り、Galaxy FシリーズをFlipkartで発売した。Xiaomiは 「Mi on Wheels」 (移動販売車でスマートフォンを売る形態)で実店舗チャネルの売上を強化するとともに、これまでカバーできていなかった遠隔地にも販路を広げた。メーカー各社は、プロモーションやブランドロイヤリティを高めるプログラムにも、工夫を凝らし、既存のユーザーベースを守るとともに上積みすることを狙っている。「Smart Upgrade」がその一例である(Samsungのスマートフォンを定価の7割で1年間使える。ユーザーは、残りの3割を支払って使い続けるか、返却するかを、1年後に選択できるというプログラム)。年末にはインドメーカーが勢いを盛り返し、MicromaxはINシリーズのスマートフォンを発表した。インドメーカーはPLIスキーム(Production-Linked Incentive: 中国依存度を減らすため、インド国内で製造された製品を売る企業にインセンティブを与える制度)をテコにシェアの拡大を狙っている。」
インドの携帯端末市場全体でみると、フィーチャーフォンの出荷が減ったことをうけて、2020年は前年比9%の減少となりました。フィーチャーフォンを使用する消費者のセグメントがロックダウンの影響を最も被り、フィーチャーフォン市場は2020年に前年比20%減となったことが理由であり、その中でも、Itelはフィーチャーフォンで前年比26%成長し、2020年の首位となりました。
図1: インドのスマートフォン市場シェア CY2020
※XiaomiのシェアにはPocoブランドを含む
図2: インドのスマートフォン市場シェア 2020年第4四半期
※XiaomiのシェアにはPocoブランドを含む
市場サマリー
- インドのスマートフォン市場は、2020年第4四半期に、前年同期比19%の成長を達成した。2019年の第4四半期と比べ、ディーワーリーの終わりが11月14日となったことで、お祝いシーズンが長くなったことも幸いした。
- Xiaomiは、2020年第4四半期に前年同期比13%の成長を見せて、首位を奪還した。パートナーのEMS(電子機器受託生産)を増やして生産能力を増強したことに加え、高級機種で重点的に新機種を投入したこと、Redmi 9とRedmi Note 9シリーズの根強い人気に、お祝いシーズンにキャンペーン攻勢をかけたことで、この四半期業績を生み出した。2021年は、実店舗拡充のペースを上げることに加えて、中位~高級機を重視することでブランドイメージ作りをするとみられる。
- Samsungは2020年第4四半期の2位で、前年同期比30%の素晴らしい伸びを示した。通年でも2020年はSamsungにとって2位に返り咲いた素晴らしい年であった。オンライン(インターネット通販)チャネルを積極的に使ったこと、商品ラインナップを広い価格帯で揃えたこと、それら2つとも同社としては初めてのことである。オンラインチャネルでの出荷は2020年に1.5倍に増えた。Samsungは中位機種のGalaxy MやAシリーズに関して、チャネル政策でも市場参入戦略でも、極めて積極的であった。
- realmeは2020年に22%成長し、初めて2,000万台を突破した。オンラインチャネルでの需要が強いことと、CシリーズやNarzoシリーズの出荷が好調だったことが、第4四半期の成長につながった。同社は値ごろ機種に重点を置き、積極的なマーケティングを行うことにより、コロナで積みあがった需要を取り込もうとしている。2021年には実店舗を拡充し、Tier 3やTier 4の都市(インドの都市のランク付けのひとつで、人口によるランキングを指す。Tier 3や4は1〜5万人に相当)にリーチするとともに、CIoT(コンシューマー向けIoT)セグメントへも参入するだろうとみられる。
- OPPOの出荷は2020年通年では前年比11%成長となったが、第4四半期は伸び悩んだ。最近発売されたA12とA53が成長への鍵となった。同社はインドでの製造能力を増強しつつ、R&Dプロセスを改良して、5G技術を中心とした製品のイノベーションに注力している。
- Pocoは2020年第4四半期に初めてスマートフォン出荷500万台を突破した。機種としては、M2、M2 Pro、C3が成長に貢献した。
- Transsionグループの各社(Itel、Infinix、Tecno)は2020年第4四半期も勢いを維持し、四半期単独では最高となる900万台を出荷した。TranssionはTier 3や4の都市や郊外で強く、携帯端末全体のシェアでは3位である。機種としては、Tecno Spark 6 Air、Itel Vision 1、Infinix Smart 4 Plusが成長に貢献した。Itelは第4四半期のフィーチャーフォン市場首位で、2020年通年でも初めて首位を獲得した。
- Appleは2020年第4四半期に6位となったが、前年同期比で第4四半期は171%の伸び、2020年通年でも前年比93%の伸びを示した。iPhone 12の発売に加えて、iPhone SE 2020やiPhone 11の積極的なプロモーションやオンラインチャネルの拡充が、この成長につながった。四半期単独で初めて150万台を出荷した。
- OnePlusは、2020年第4四半期に前年同期比200%成長した。中位機種のNordシリーズと、新発売の8Tシリーズが貢献した。Nordシリーズで中位機種セグメントの再参入したことで、初めて年間300万台出荷を達成した。
- 2020年のインドスマートフォン市場は予期せぬ出来事に見舞われた。COVID-19に加え、反中国感情の勃発、国内製造のエコシステム整備問題が起こった。さらには、Micromaxなどのインドメーカーの再参入もあった。新たに発売したINシリーズによってMicromaxは過去6四半期で最高のシェアを獲得した。インドメーカーが商品ラインナップを整備し、大手キャリアのJioがエントリーレベルの4Gスマートフォンを投入することで、2021年はインド国内企業にとって躍進の年となりシェアが増加するだろうとみられる。
- 2020年にインドの5Gスマホの出荷は400万台を超えた。5Gを牽引しているのは2社である。ただ一社、完全な5Gラインナップを持っているOnePlusと、5G対応のiPhone 12を発売したAppleである。5Gスマートフォンの出荷は、約9倍に伸び、2021年には3,800万台になると予想される。
詳細は、Q4 2020 Market Monitorより購読者の皆様にご提供中です。最新調査や分析に関してのご質問は、お気軽にpress (at) counterpointresearch.com までお問い合わせください。
Market Monitorの内容は、各社のIR情報から推定した出荷量、各社へのインタビュー、販売金額からの裏付け、流通段階の調査、およびその他の二次調査に基づいています。
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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