TBWA HAKUHODO、落合陽一×日本フィルプロジェクトVOL.6 「遍在する音楽会」に協力
映像も音楽もライブで共演する画期的コンセプトの新作を生み出すー藤倉大(ヴェネツィア・ビエンナーレ銀獅子賞受賞)に委嘱
開催日:2022年8月25日(木)会場:サントリーホール 大ホール
(クラウドファンディング:2022年6月1日(水)開始)
TBWA HAKUHODO(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:今井明彦)は、公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(東京都杉並区、理事長:平井俊邦、以下日本フィル)が2022年8月25日に開催する「落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトVOL.6」となる《遍在する音楽会》に協力します。
(クラウドファンディング:2022年6月1日(水)開始)
TBWA HAKUHODO(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:今井明彦)は、公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(東京都杉並区、理事長:平井俊邦、以下日本フィル)が2022年8月25日に開催する「落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトVOL.6」となる《遍在する音楽会》に協力します。
落合陽一×日本フィルプロジェクトは、テクノロジーによりオーケストラの鑑賞体験をアップデートし、芸術文化により多様性の高い社会の構築と日本文化の発信を目指すプロジェクトです。本プロジェクトは、これまで人間の五感の共感覚性による「身体性」の重要性に注目し、五感の分断(聴覚と触覚や視覚などとの分断)を廃し、共感覚的な「身体性」を演出する数々の取り組みを行っていました。
VOL.6「遍在する音楽会」では、五感の融合を進めた実績を踏まえ、いよいよ新境地に挑みます。「世界は、音楽に満ちている」をキャッチコピーに、拡張された時空間の中、音楽の持つ身体的な祝祭性を問い直します。今回の挑戦の1つは「メディアアートとオーケストラのための作品」を作ること。メディアアーティスト落合陽一と、英国在住の日本を代表する作曲家藤倉大がタッグを組み、双方がコラージュの手法を用いて全く新しい管弦楽作品を生み出します。また、日本人の根源的な美的感覚に通じる東西の作品により、音楽を中心とした芸術体験の場を創造、実演と映像により日本文化体験の発信に迫ります。
プロジェクトの体験を通し、あらゆる意味で音楽と音楽会のダイバーシティを目指す試みです。サントリーホールに充満する音楽というメディアから放つ身体性と祝祭性を、この夏も存分に味わいませんか。
■ VOL.6 「遍在する音楽会」の特徴
①テクノロジーによって舞台芸術表現もアップデート
―プロジェクトから新たな作品を生み出す。ロンドン在住の藤倉大氏に新作委嘱初演
―センシング技術等でアートとテクノロジーのより緊密な融合を目指す
②ミュージサーカス:サントリーホールで五感を研ぎ澄ます
―全国からゲストを迎え、ジョン・ケージ「ミュージサーカス」で「遍在」を楽しむ
―様々時代の音楽と音が併存する場。ひとりひとり違う「聴き方」がある
③身体性、祝祭性を人類の太古の歴史に振り返り、縄文の「焔」をテーマとする
―Covid19によって時間・空間方向に拡張された身体性:「リアルであること」の問い直し
―第2部の選曲と演出で、東西の根源的身体性を表現
―ロゴ、ビジュアルでも古代文字による表現
■落合陽一 × 日本フィルプロジェクトの歩み
・Vol.1《耳で聴かない音楽会》2018年4月22日 https://youtu.be/wJEKht0zix0
・Vol.2《変態する音楽会》2018年8月27日 https://youtu.be/PJ6gJrnMRSs
・Vol.3 Part1《耳で聴かない音楽会2019》2019年8月20日 https://youtu.be/aqDy9_Km5aM
・Vol.3 Part2 《交錯する音楽会》 2019年8月27日 https://youtu.be/jn5cg4YhRtk
・Vol.4《__する音楽会》 2020年10月13日 https://youtu.be/Ww9fLCB6-j0
・Vol.5《醸化する音楽会》 2021年8月11日 https://youtu.be/Ek-M4d_oGU8
■ステートメント(落合陽一)
音と光の共感覚を探ることは時間と空間の中に縁起を探していくことに似ている.日本フィルハーモニー交響楽団との協働を続けて数年.《耳で聴かない音楽会》®を始めとして,耳だけでない音楽を探し続けてきた.マルセルデュシャンが網膜のための絵画を抜け出て,思索探求と哲学の自由を芸術にもたらしたように,我々も耳だけの音楽から離れたとき,オーケストラの構成要素となるものが何かという問いを持ち続ける試みを続けてきた.この古典的とも言える問いをオーケストラと共に実直に探求する活動を続けてきた.当時代性を持ってこの問題にどういう答えを出すことができるのか,時代と社会と共に歩んできた.初回から4分33秒というジョンケージの作品を扱ってきたものの,メインで彼の作品を扱うのは初めての試みとなる.いよいよ時は満ちたというべきか,それとも時間芸術を受容する我々そのものが変容しつつあるというべきだろうか.今回の演出の過程ではいつものような時間と空間ではなく,時間なき音楽と向かい合うことになった.
ナムジュンパイクが1980年に述べた「定在する遊牧民」のコンセプトやポストコロナの祝祭・身体性を込めて昨年の醸化する音楽会を開催した.定在する遊牧民とはデジタル技術によって人の知的活動は遍在し,あたかも遊牧民のように世界中に出現しながら,物質的な身体は定在しているという状態を指す.デジタル技術による定在遊牧性と現代社会についての思考を続けているうちにこの変化は,狩猟採集社会・農耕社会・定在遊牧社会と続くような千年レベルの大きな変化なのではないかと考えるようになった.ゆえに,大きなパラダイムの変遷として農耕社会以前について,身体性について,規範や倫理について,そして森林や炭素循環について思考を続けていた.
森林に多く存在するきのこはネットワークを張り巡らせる生き物である.ジョンケージは4分33秒:無音の音楽のことを「きのこの音楽」と呼んだが,耳もなく目もないきのこにとっての音楽とはなんだろうか.その補助線として考えられるのは仏教的世界感覚であると思う.ケージの作風は鈴木大拙の禅の講義を受ける以前と以後で大きく変化したことが知られている.空海風にいえば山も水も木々も空も鳥も我々も全てのものは変化し,そして繋がっている.自分が今の時代に補足をするならばそれは波動も物質もデジタルも計算機も含めた大きな流れを体得することかもしれない.熟考を続けるうちに,それは物質的,触覚的なグルーヴ,そして森林生態系にとっての音楽そのものではないだろうかと考える機会が増えた.この森林生態系としてのグルーヴを人に置き換えてみたらどうなるだろう.社会で生まれるさまざまな音,ネットワーク,社会的生物としてのヒト,そして音でも光でもない味覚や触覚や嗅覚的なグルーヴ.それは奇しくもコロナ禍で失ったコンヴィヴィアルな体験の構成要素そのものではないだろうか.
森と共にコンヴィヴィアルな要素と共に生き,非言語的脱論理的な体感知を希求する上で定在遊牧的な縄文社会のことをリサーチするに至った.縄文人は近年の遺伝学的調査によれば,東アジアの人々から派生し,琉球人・アイヌ人・縄文人と三つに分かれた遺伝的特性を持つ人々であったとされている.サステナブルな社会を思考する上で1万年以上にわたる持続可能社会,そして戦乱なき比較的平和な安寧を営んだ上記の人々の文化や生活を見逃すわけにはいかない.土器や土偶をめぐる調査やアイヌ音楽を伝承する人々との協働など多くの事例を通じて,大いなる自然から何かを紡ぎ,育て,それを還し,また受け継ぐことの重要性を感じている.集団における未来の情報を価値とし,時間や金銭という概念を導入すると失われてしまう持続可能性があるのだろう.例えるなら茶道の茶禅一味・即今のように,過去現在未来という時間の流れの中に身を置くというよりは,今それそのものへ着目し,時間という概念を超えた空間芸術としての音楽への回帰と理解が,現在向かいつつあるポストインターネットの定在遊牧社会と共鳴しうると考えた.
我々は今空間的に遍在し,資本や時の流れとはまた違った価値観を揺籃しつつもあり,物質的身体的なものへの飢えから回復しつつある中で,平和を希求し,分断を乗り越えるための何かを文化や歴史の営みの中から紡ぎだそうとしている.
ケージの時代に描けなかったキノコの音楽・そしてキノコの楽器とは何か.そんなことを思いながらこの空間に生きる遍在する身体の共感に想いをはせてほしい.
■キャスト
・落合陽一(演出、監修)
・海老原光(指揮)/日本フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
・WOW(映像の奏者)
ほか
■公演概要
落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL.6 遍在する音楽会
日時:2022年8月25日(木) 18:20開場 / 19:00開演 / 20:45終演(予定)
場所:サントリーホール 大ホール
https://japanphil.or.jp/concert/24672
■公演プログラム
・ジョン・ケージ:ミュージサーカス [コンサートホール版]
・アイヴズ:答えのない質問
・藤倉大:新作(仮題「メディアアートとオーケストラのための協奏曲」)※委嘱世界初演
・ファリャ:《恋は魔術師》より「火祭りの踊り」
・ストラヴィンスキー:バレエ組曲《火の鳥》(1919年版)
※開演前プレイベント「カラヤン広場のミュージサーカス」開催予定
*point 「オンライン同時配信&再放送」: 今回もデジタル収録による同時配信と再放送を展開し、体験の共有と世界発信を目指します。
■主催・企画・制作 公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団
*令和4年度日本博イノベーション型プロジェクト 補助対象事業
(独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)
■協力 株式会社エモハウス、WOW inc.、TBWA HAKUHODO、パイオニア株式会社、立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所、株式会社ハルカインターナショナル ほか
■協賛 株式会社プリズム ほか
■料金・発売日
会場チケット 6月3日(金)11:00販売開始 / オンライン配信チケット 7月販売開始予定
・会場チケット:S席¥8,000 A席¥6,500 YS席(25才以下)・ダイバーシティ席(障害者手帳保持者)¥1,500パイオニア・ボディソニック(体感音響システム)席:お問い合わせ
・オンライン配信チケット(見逃し配信なし、国内):各日¥5,000
販売情報は後日、日本フィルWebサイトほかで発表いたします。
・クラウドファンディングREADYFOR
「遍在する音楽会|8/25 世界は、音楽に満ちている。 」
URL:https://readyfor.jp/projects/vol6 6/1(水)12:00〜8/8(月)23:00
*コンサートの支援はこちらから。チケット付きプラン、海外からの視聴可能な配信チケットプランもございます。
■チケットお申込、お問合せ:
日本フィル・サービスセンター
Tel.03-5378-5911(平日11:00‐17:00)ordter-ticket@japanphil.or.jp[MOU3]
プレイガイド:ぴあ、イープラス
※政府のガイドラインを遵守した感染対策を施し、公演を実施いたします。また、ご来場の際はマスク着用等、感染防止へのご協力をお願い申し上げます。
※未就学児の入場はご遠慮ください。聴覚鑑賞サポート席(ボディソニック)、車いすをお使いの方は、日本フィル・サービスセンターへお問い合わせください。
■プロフィール
落合陽一(おちあい・よういち)※Photo:蜷川実花
メディアアーティスト。1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCREST xDiversityプロジェクト研究代表。2020-2021年度文化庁文化交流使,大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを歴任.
2015年World Technology Award、2016年PrixArs Electronica、EUよりSTARTS Prizeを受賞。Laval Virtual Award を2017年まで4年連続5回受賞、2017年スイス・ザンガレンシンポジウムよりLeaders of Tomorrow選出、2019年SXSW Creative Experience ARROW Awards受賞、2021年MIT Technology Review Innovators Under35 Japan ,2021 PMI Future 50、Apollo Magazine 40 UNDER 40 ART and TECHなどをはじめアート分野・テクノロジー分野で受賞多数。
個展として「Imageand Matter(マレーシア・2016)」、「質量への憧憬(東京・2019)」、「情念との反芻(ライカ銀座・2019)」など。その他の展示として、「AI展(バービカンセンター、イギリス・2019)」、「計算機自然(未来館・2020)」など多数出展。著作として「魔法の世紀(2015)」、「デジタルネイチャー(2018)」など。写真集「質量への憧憬(amana・2019)」など。メディアアートを計算機自然のヴァナキュラー的民藝と捉え、「物化する計算機自然と対峙し、質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。
海老原光 (えびはら・ひかる、指揮)
鹿児島生まれ。鹿児島ラ・サール中学校・高等学校、東京芸術大学を卒業、同大学院修了。その後、ハンガリー国立歌劇場にて研鑽を積む。2007 年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで第 3 位を受賞。指揮を小林研一郎、高階正光、コヴァーチ・ヤーノシュの各氏に師事。2019年、九州シティフィルハーモニー室内合奏団首席指揮者に就任。これまでに、国内主要オーケストラを指揮し、好評を得ている。また、2012 年、2015 年にクロアチア放送交響楽団の定期公演(ザグレブ)に、2019 年にはゲデレー交響楽団(ハンガリー)に客演し、現地で好評を博した。
オフィシャル・ホームページ http://www.hikaru-ebihara.jp/
WOW
東京、仙台、ロンドン、サンフランシスコに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ。CMやコンセプト映像など、広告における多様な映像表現から、さまざまな空間におけるインスタレーション映像演出、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスのデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークをおこなっている。コーポレートサイトhttps://www.w0w.co.jp/
藤倉大
大阪生まれ。15歳で単身渡英しベンジャミンらに師事。数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。15年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱によるオペラ《ソラリス》を世界初演。19年に尾高賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。20年にオペラ《アルマゲドンの夢》を新国立劇場で世界初演。数々の音楽誌において、その年のオペラ上演におけるベストに選出された。近年の活動は多岐に渡り、リモート演奏のための作品の発表や、テレビ番組の作曲依頼も多数。録音はソニー・
ミュージックジャパンインターナショナルや自身が主宰するMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版されている。https://www.daifujikura.com/
日本フィルハーモニー交響楽団
1956年6月に故渡邉曉雄を中心に創立。「オーケストラ・コンサート」「リージョナル・アクティビティ」「エデュケーション・プログラム」という三つの柱で活動を行っている。首席指揮者ピエタリ・インキネン、首席客演指揮者カーチュン・ウォン(2023年9月から首席指揮者)、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、桂冠名誉指揮者小林研一郎、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)広上淳一、正指揮者山田和樹という充実した指揮者陣を中心に演奏会を行い、“音楽を通して文化を発信”している。
2011年4月「被災地に音楽を」を開始、2022年5月までに307回を数え現在も継続中、その活動が高い評価を受け、2022年後藤新平賞受賞。「人に寄り添う」「温かさ」の土壌を大切にしながら、あらゆる人々へ、世代へ、地域へ、音楽の持つ様々な力を社会に活かしていくことを目指している。
落合陽一×日本フィルプロジェクトにより、カンヌライオンズ2019ミュージック部門(「エンターテイメントライオンズ・フォー・ミュージック」)ブロンズ賞受賞・SDG部門(「サスティナブル・デベロップメント・ゴール」)ショートリスト入選、第72回広告電通賞イノベーティブ・アプローチ部門最高賞・特別賞、日本マーケティング大賞 奨励賞、第5回JACEイベントアワード優秀賞を受賞。毎週水曜日22時54分~23時、BS朝日『Welcomeクラシック』出演中。
オフィシャル・ウェブサイト https://www.japanphil.or.jp 公式Twitter @Japanphil プロジェクトTwitter @ochyaijapanphil
2006年に博報堂、TBWAワールドワイドのジョイントベンチャーとして設立された総合広告会社。博報堂のフィロソフィーである「生活者発想」「パートナー主義」とTBWAがグローバル市場で駆使してきた「DISRUPTION®︎」メソッドを中心とした独自のノウハウを融合。質の高いソリューションを創造し、クライアントのビジネスの成長に貢献する。「DISRUPTION®︎」は既成概念に縛られず、常識を壊し、新しいヴィジョンを見いだすTBWA HAKUHODOの哲学。マーケティングに限らず、ビジネスにおけるすべての局面でディスラプションという新しい視点を武器に事業やブランドを進化させるアイデアを生み出す。
TBWA HAKUHODOは、2018年のVOL.1より、広報デザインやPR映像作成などを通じて当音楽会をサポートし、オーケストラのアップデートに協力を続けている。当プロジェクトにおいて、カンヌライオンズ2019の銅賞、電通広告賞の最高賞などをはじめ、国内外の権威ある広告賞を多数受賞している。
https://www.tbwahakuhodo.co.jp
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