インターブランド「Best Global Brands 2019」レポート
「ブランド価値」によるグローバル・ブランドランキングTOP100を発表
世界最大のブランディング会社インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2019」を発表しました。本ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で20回目となります。
・今年で20回目のBest Global Brandsを発表
・2年連続でAppleが第1位、Googleが第2位、Amazonが第3位
・Uber、LinkedInが初めてBest Global Brands入り
・MasterCardがブランド価値を25%アップさせ、成長率1位
・業種別では、ラグジュアリー部門が昨年に引き続き、最も高い成長率
・Toyotaは昨年に続き第7位、16年連続で自動車ブランドの最高位
世界最大のブランディング会社インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2019」を発表しました。本ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で20回目となります。
ランキングでは、AppleとGoogleが7年連続で第1位、第2位となり、Amazonも2年連続で3位となりました。Appleのブランド価値は前年比+9%の2,342億ドル、Googleは同+8%の1,677億ドル、Amazonは同+24%の1,253億ドルで、3社ともブランド価値を向上させました。また、Disney(10位、444億ドル)が8年ぶりにTop10に返り咲きました。
Uber(87位、57億ドル)とLinkedIn(98位、48億ドル)が初めてBest Global Brandsにランクインし、再上場を果たしたDellが、6年ぶりに63位(90億ドル)に再ランクインしました。
Top5 Growing Brands(最も成長率の高い5ブランド)は、MasterCard(前年比+25%)、Salesforce(+24%)、Amazon(+24%)、Gucci(+23%)、Starbucks(+23%)となりました。
業種でみると、テクノロジー・エレクトロニクス(16ブランド)、自動車関連(15ブランド)、小売・ラグジュアリー(15ブランド)、金融関連(12ブランド)で半数以上を占めています。また、今回ラグジュアリー(+11%)が最も成長率の高い業種となっています。Top100ブランドのうち、28ブランドが2桁成長を遂げ、100ブランドの合計価値は、2兆1309億ドルとなり、2018年に比べ5.7%成長しています。
インターブランド グローバルCEOのチャールズ・トリヴェイルは、「この20年の間に、消費者は劇的に変化した。選択肢が多くなり、以前よりブランドへのロイヤリティが薄くなった消費者は、提供価値の即時性や豊富さ、親密性を求めはじめ、かつてないほどの情報力を擁し、互いに繋がり、その要求はさらに高まっている。かつてブランド構築はそのポジションを定義することであった。しかし今日の加速する市場においては、消費者の期待はブランドの静的なポジショニングでは飽き足らない。ブランドがビジネスそのものとなり、ブランドの発信、行動がビジネスの信頼に繋がる。消費者の期待がビジネスよりも早く変化し続ける世界では、ブランドは、競争環境を変えるくらいの大胆な変革『Iconic Moves』を行わなければならず、それが最終的に並外れたビジネス結果を生み出す」と述べています。
「Best Global Brands 2019」レポート全編は以下をご覧ください:www.bestglobalbrands.com
Interbrand Best Global Brands 2019 (1位〜50位)
Interbrand Best Global Brands 2019 (51位〜100位)
MasterCard:62位、94億ドル(前年比+25%)
MasterCardは、長年にわたって強力にかつ着実に上昇しているブランドです。マルチデバイスのデジタルの世界で認知度を維持できるよう、アイデンティティ(音のアイデンティティを含む)を進化させ、ブランドシンボルを変更しました。また、20年以上に渡り「Priceless」キャンペーンを継続しています。それはブランドを支える顧客のHuman Truth(深層のインサイト)である「物より体験ほど素晴らしいものはない」に基づくものです。雇用主としても多くの賞を受賞。「フォーブス:多様性のためのアメリカの最高の雇用者-2018」など、Glassdoor社調べによると社員の95%がCEO(Ajay Banga)を認め、79%が職場として推奨しています。
Salesforce:70位、80億ドル(+24%)
Salesforceは、世界No.1 CRM(顧客関係管理)で 進化する顧客体験を提供しています。そして、4つの価値(信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、平等)を重視する企業文化を有します。Salesforceは、多くの人々の利益のために世界を変えようとしています。顧客が、すべての活動の中心に位置付けられ、顧客の情報と関係性がSalesforceの強みとなっています。その驚異的な成長は、あらゆる業種・規模の企業のデジタル変革によって支えられており、この変革は顧客と一体となり継続しています。
Amazon:3位、1,253億ドル(+24%)
Amazonの使命は、人々がオンラインで購入したいものを見つけて発見できる、地球で最も顧客中心の企業になることです。Amazonは、オーガニック手法(R&D)と買収を通じて絶え間ない革新を追求し続けています。彼らの考え方は、まず自らが先に革新し、利益は後で追求することです。AmazonのWebサイトからeコマースパートナー、開発プラットフォームへの進化は、会社のDNAの一部である革新の精神によって推進されています。Amazonは、世界中から、優秀なエンジニアを集め、世界中の買い物客、売り手、そして開発者の生活を向上させるテクノロジーの研究開発を続けています。
Gucci:33位、159億ドル(+23%)
Gucciは、伝統的なスタイルとスポーティーなスタイルを融合させ、化粧品や高級ジュエリーなど新しい製品カテゴリーにも拡大し、常に革新を続けています。そして、その価値観である、自由、自己表現、文化、多様性、男女平等、流動性をブランドで体現し、ソーシャルメディアを通じて、ミレニアム世代を魅了しています。また、社内の人種差別、性的差別、障害者差別等の撲滅や社員の価値を高める活動にも積極的に取り組み、仕事への高いモチベーションと価値観が、企業文化と強く結びつくように取り組んでいます。
Starbucks:48位、118億ドル(+23%)
Starbucksのミッションは、「人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」。「The Only One」として愛されるために「Moments of Connection‐つながりの瞬間‐」を大切にしています。Starbucksは、製品品質と文化の両方の側面で、ハイエンドから新しい冒険的なフレーバーまで、基本的に全てがそのブランドミッション、ビジョン、バリューに則った新製品を市場に投入し続けています。世界最大のコーヒーチェーンとして、中国市場で店舗を拡大し、世界の主要な都市で、新しいハイエンドエクスペリエンスの提供も推進しています。
日本ブランドに関する分析
Toyota:7位、562億ドル(前年比+5%)
自動車業界は100年に一度の大変革期を迎え、Toyotaは「自動車メーカー」から、モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する会社「モビリティカンパニー」「モビリティサービス・プラットフォーマー」に変容しようとしています。ソフトバンクと戦略的提携し「MONET Technologies」を設立、愛車サブスクリプション「KINTO」も開始するなど、これまでの発想を転換し、より幅広く、よりオープンに、より良い社会への貢献を追求し、新しいビジネスモデルを構築しています。
Honda:21位、244億ドル(+3%)
Hondaは、2030年ビジョンで「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」と宣言しました。同時に「量」より「質の追求による成長」へ大きく舵を切りました。ビジネス環境の急速な変化により、組織変更を加え、事業構造を強化しました。自動車以外に航空機事業も擁し、競合他社との差別化を図っています。
Nissan:52位、115億ドル(-6%)
Nissanは、「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」の取り組みを通じて、Nissanの最先端技術で、クルマを単なる移動の道具から、顧客をワクワクさせる存在に進化させています。2017年度からの6か年中期経営計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」では、「Mobility」のM、「Operational excellence」のO、「Vaue to customers (お客さまへの価値提供)」のV、「Electrification(電動化)」のEという強みを活かすことを示しています。経営体制の変更や不適切検査によるリコールなどのスキャンダルが、ブランド価値に与えた影響は限定的となっています。
Sony:56位、105億ドル(+13%)
2018年、社長 兼 CEO吉田 憲一郎氏のもと新経営体制が開始し、「Creative Entertainment Company with a Solid Foundation of Technology」とSony を再定義。事業領域は、音響や映像を中心としたエレクトロニクス事業から、音楽や映画、ゲームといったエンターテインメント事業そして金融事業へ、さらには、AI&ロボティクス関連、医療、教育分野へポートフォリオは一層多様性のあるものになっています。テクノロジーとクリエイティビティで世界を感動で満たす企業として世の中に貢献し、継続的な高収益と社会価値を創出するブランドとなる挑戦を続けています。
Canon:61位、95億ドル(-9%)
Canonは、交換レンズカメラのナンバーワンブランドであり、インクジェットプリンター市場でも、2018年も引き続きトップシェアを獲得しています。中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想」のPhase Vとして「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」という基本方針のもと、事業の主体をこれまでのB to CからB to Bへの変換を図っています。企業理念「共生」の具現化に向け、商業印刷、ネットワークカメラ、メディカル、産業機器の4つの新規事業をM&Aなどの手法も用いながら、2018年には事業ポートフォリオの転換を完成させています。
Panasonic:81位、62億ドル(-2%)
Panasonicは、ブランドスローガンである「A Better Life, A Better World」を実現するため「くらしアップデート」の取り組みを推進。街全体での新たな価値創出を目指し、Toyotaと共同で街づくり事業を推進する新会社を設立。ハーレーダビッドソンとも協業し電動バイク向けコネクテッドサービスを開発。家電、自動車、住宅、BtoBソリューションなど、パナソニックがもつすべての技術やノウハウを駆使し、社会問題と社会的ニーズに向けた最先端のソリューションを提供。暮らしや社会を変えようとしています。
Nintendo:89位、56億ドル(+18%)
Nintendoは、これまでにないエンターテインメント体験を創造することに挑戦し、「人々を笑顔にする娯楽をつくる会社」を目指しています。スマートデバイス上でのゲームビジネスを展開すると同時に、テーマパークや映像コンテンツなどにも進出し、より多くの方がNintendoのキャラクターやゲームに触れることにより、ブランド価値の向上を図ろうとしています。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神のもと、お客様に驚きを与える商品やサービスを提供しています。
Best Global Brands の20年の比較(BGB2001 vs. BGB2019)
初めてTop100ブランドを評価したBGB2001とBGB2019を比較すると、ランクインブランド全体の金額価値の合計は、988,287$mから2,130,930$mへ、2.1倍に拡大しています。
この間の主なグローバルブランドのブランド価値推移をみると、プラットフォーマーと呼ばれるテクノロジーブランドの伸びが顕著となっており、20年前には存在しなかった多くのブランドが存在感を増しています。時代が変わり、顧客ニーズや環境が変わっても、常に顧客の期待を上回る商品、サービスを提供し続け、ある時は新しいマーケットまでも創出するブランドが、その価値を増大させていることがうかがえます。
評価対象基準
本ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので、その上位100ブランドを公表しています。その評価対象として、以下の基準を満たす企業・商品を抽出し、評価をしました。
· 主要基盤地域 (Home Region) 以外での売上高比率が30%以上であること
· 北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあり、新興国も幅広くカバーしていること
· ブランドの財務的評価を実施するために必要な各種財務情報が公表されていること
· 資本コストを織り込んだ経済的利益 (Economic Profit) が長期的にポジティブであること
· 主要基盤地域のみならず、世界の主要な国々で、一般に広く認知されていること
· ブランドが顧客の購買行動に影響を与えていること
評価手法
インターブランドのブランド価値評価手法は、財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からみたブランド価値の評価です。証券アナリストが事業の価値を分析・評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」という視点に基づいて、ブランドの価値を分析・評価します。この手法は、ブランドの金銭的価値測定のための世界標準として、国際標準化機構(ISO)からISO10668の認定を受けています。評価は、具体的に以下の 3 つの分析によって構成されています。
1. 「財務分析」 - 企業が生み出す利益の将来予測を行う
まず、ブランドを冠する事業を特定し、その事業の現在の売上および将来の売上予測を算出します。そして、その売上から営業費用、税金、そして投下資本に応じた資本コストを差し引き、現在から将来にわたる経済的利益を推計します。本分析は、公開されている企業情報および2019年6月末時点でのアナリストによる将来予測値を基にしています 。
2. 「ブランドの役割分析」 - 利益のうち、ブランドの貢献分を抽出する
財務分析で算出された将来の経済的利益のうち、ブランドによってもたらされた利益を抽出するために、ブランドがどの程度顧客の購買意思決定に影響を与えているかを分析します。 本評価においては、ブランドが消費者の購買動向に果たす役割について、インターブランドが過去20年以上にわたり実施した10,000を超えるブランド価値評価実績のデータベースを活用し、業界別にベンチマーク分析を行います。そして業界ベンチマークを基にして、独自の調査・分析により個別ブランドの“ブランドの貢献分”のスコアを算出します。
3. 「ブランド強度分析」 - ブランドによる利益の将来の確実性を評価する
ブランド強度分析は、市場でのロイヤリティ、消費者の継続購入や囲い込みといったクライアントのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り、ブランドによる利益を割り引いて現在価値に換算するものです。 この評価は、ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり、ブランドの活力を見る10の項目から評価され、100をパーフェクトブランドとする0から100までのスコアで表されます。これらの項目の評価は同業種の他のブランドと比較して行われ、上位ブランドについては他業種の世界レベルのブランドと比較して行われます。
ブランド強度評価モデル10要素
社内要素(Internal Factors)
・概念明瞭度(Clarity)
・関与浸透度(Commitment)
・統治管理度(Governance)
・変化対応度(Responsiveness)
社外要素(External Factors)
・信頼確実度(Authenticity)
・体験一貫度(Consistency)
・要求充足度(Relevance)
・存在影響度(Presence)
・差別特有度(Differentiation)
・共感共創度(Engagement)
インターブランドについて
インターブランドは、1974年にロンドンで設立された、世界最大のブランディング専門会社です。インターブランドは、ブランドをLiving business asset(常に変化する事業資産)と定義し、組織が明確な戦略を持ち、優れた顧客体験を提供する時、成長がもたらされると考えています。世界14カ国、18のオフィスを拠点に、戦略、クリエイティブ、テクノロジーの組み合わせにより、クライアントのブランドとビジネス双方の成長を促進する支援を行っています。
インターブランドの「Brand Valuation(ブランド価値評価)」は、ISOにより世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められました。インターブランドは、グローバルブランドの価値を評価したブランドランキングである Best Global Brandsをはじめとする各種ブランド価値・ブランド強度分析レポートを公表しています。インターブランドでは、先端的な手法を用いる戦略分析チームと高い芸術性を持つクリエイティブチームが一つのチームとなり、プロジェクトを推進します。ブランド価値評価・ブランド戦略構築をリードする戦略コンサルタント、ブランドロゴ・パッケージ・空間・デジタルデザインを開発するデザイナー、ネーミング・スローガン・メッセージを開発するコピーライターなどが在籍し、分析から実行、全ての流れを自社のリソースで完結します。
インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐ、インターブランド第3の拠点として、1983年に東京で設立されました。日系企業、外資系企業、政府・官公庁など様々な組織・団体に対し、トータルなブランディングサービスを提供しています。インターブランドについての詳しい情報はhttp://www.interbrandjapan.comをご覧ください。
・2年連続でAppleが第1位、Googleが第2位、Amazonが第3位
・Uber、LinkedInが初めてBest Global Brands入り
・MasterCardがブランド価値を25%アップさせ、成長率1位
・業種別では、ラグジュアリー部門が昨年に引き続き、最も高い成長率
・Toyotaは昨年に続き第7位、16年連続で自動車ブランドの最高位
世界最大のブランディング会社インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2019」を発表しました。本ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で20回目となります。
ランキングでは、AppleとGoogleが7年連続で第1位、第2位となり、Amazonも2年連続で3位となりました。Appleのブランド価値は前年比+9%の2,342億ドル、Googleは同+8%の1,677億ドル、Amazonは同+24%の1,253億ドルで、3社ともブランド価値を向上させました。また、Disney(10位、444億ドル)が8年ぶりにTop10に返り咲きました。
Uber(87位、57億ドル)とLinkedIn(98位、48億ドル)が初めてBest Global Brandsにランクインし、再上場を果たしたDellが、6年ぶりに63位(90億ドル)に再ランクインしました。
Top5 Growing Brands(最も成長率の高い5ブランド)は、MasterCard(前年比+25%)、Salesforce(+24%)、Amazon(+24%)、Gucci(+23%)、Starbucks(+23%)となりました。
業種でみると、テクノロジー・エレクトロニクス(16ブランド)、自動車関連(15ブランド)、小売・ラグジュアリー(15ブランド)、金融関連(12ブランド)で半数以上を占めています。また、今回ラグジュアリー(+11%)が最も成長率の高い業種となっています。Top100ブランドのうち、28ブランドが2桁成長を遂げ、100ブランドの合計価値は、2兆1309億ドルとなり、2018年に比べ5.7%成長しています。
インターブランド グローバルCEOのチャールズ・トリヴェイルは、「この20年の間に、消費者は劇的に変化した。選択肢が多くなり、以前よりブランドへのロイヤリティが薄くなった消費者は、提供価値の即時性や豊富さ、親密性を求めはじめ、かつてないほどの情報力を擁し、互いに繋がり、その要求はさらに高まっている。かつてブランド構築はそのポジションを定義することであった。しかし今日の加速する市場においては、消費者の期待はブランドの静的なポジショニングでは飽き足らない。ブランドがビジネスそのものとなり、ブランドの発信、行動がビジネスの信頼に繋がる。消費者の期待がビジネスよりも早く変化し続ける世界では、ブランドは、競争環境を変えるくらいの大胆な変革『Iconic Moves』を行わなければならず、それが最終的に並外れたビジネス結果を生み出す」と述べています。
「Best Global Brands 2019」レポート全編は以下をご覧ください:www.bestglobalbrands.com
Interbrand Best Global Brands 2019 (1位〜50位)
Interbrand Best Global Brands 2019 (51位〜100位)
成長ブランドに関する分析
MasterCard:62位、94億ドル(前年比+25%)
MasterCardは、長年にわたって強力にかつ着実に上昇しているブランドです。マルチデバイスのデジタルの世界で認知度を維持できるよう、アイデンティティ(音のアイデンティティを含む)を進化させ、ブランドシンボルを変更しました。また、20年以上に渡り「Priceless」キャンペーンを継続しています。それはブランドを支える顧客のHuman Truth(深層のインサイト)である「物より体験ほど素晴らしいものはない」に基づくものです。雇用主としても多くの賞を受賞。「フォーブス:多様性のためのアメリカの最高の雇用者-2018」など、Glassdoor社調べによると社員の95%がCEO(Ajay Banga)を認め、79%が職場として推奨しています。
Salesforce:70位、80億ドル(+24%)
Salesforceは、世界No.1 CRM(顧客関係管理)で 進化する顧客体験を提供しています。そして、4つの価値(信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、平等)を重視する企業文化を有します。Salesforceは、多くの人々の利益のために世界を変えようとしています。顧客が、すべての活動の中心に位置付けられ、顧客の情報と関係性がSalesforceの強みとなっています。その驚異的な成長は、あらゆる業種・規模の企業のデジタル変革によって支えられており、この変革は顧客と一体となり継続しています。
Amazon:3位、1,253億ドル(+24%)
Amazonの使命は、人々がオンラインで購入したいものを見つけて発見できる、地球で最も顧客中心の企業になることです。Amazonは、オーガニック手法(R&D)と買収を通じて絶え間ない革新を追求し続けています。彼らの考え方は、まず自らが先に革新し、利益は後で追求することです。AmazonのWebサイトからeコマースパートナー、開発プラットフォームへの進化は、会社のDNAの一部である革新の精神によって推進されています。Amazonは、世界中から、優秀なエンジニアを集め、世界中の買い物客、売り手、そして開発者の生活を向上させるテクノロジーの研究開発を続けています。
Gucci:33位、159億ドル(+23%)
Gucciは、伝統的なスタイルとスポーティーなスタイルを融合させ、化粧品や高級ジュエリーなど新しい製品カテゴリーにも拡大し、常に革新を続けています。そして、その価値観である、自由、自己表現、文化、多様性、男女平等、流動性をブランドで体現し、ソーシャルメディアを通じて、ミレニアム世代を魅了しています。また、社内の人種差別、性的差別、障害者差別等の撲滅や社員の価値を高める活動にも積極的に取り組み、仕事への高いモチベーションと価値観が、企業文化と強く結びつくように取り組んでいます。
Starbucks:48位、118億ドル(+23%)
Starbucksのミッションは、「人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」。「The Only One」として愛されるために「Moments of Connection‐つながりの瞬間‐」を大切にしています。Starbucksは、製品品質と文化の両方の側面で、ハイエンドから新しい冒険的なフレーバーまで、基本的に全てがそのブランドミッション、ビジョン、バリューに則った新製品を市場に投入し続けています。世界最大のコーヒーチェーンとして、中国市場で店舗を拡大し、世界の主要な都市で、新しいハイエンドエクスペリエンスの提供も推進しています。
日本ブランドに関する分析
Toyota:7位、562億ドル(前年比+5%)
自動車業界は100年に一度の大変革期を迎え、Toyotaは「自動車メーカー」から、モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する会社「モビリティカンパニー」「モビリティサービス・プラットフォーマー」に変容しようとしています。ソフトバンクと戦略的提携し「MONET Technologies」を設立、愛車サブスクリプション「KINTO」も開始するなど、これまでの発想を転換し、より幅広く、よりオープンに、より良い社会への貢献を追求し、新しいビジネスモデルを構築しています。
Honda:21位、244億ドル(+3%)
Hondaは、2030年ビジョンで「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」と宣言しました。同時に「量」より「質の追求による成長」へ大きく舵を切りました。ビジネス環境の急速な変化により、組織変更を加え、事業構造を強化しました。自動車以外に航空機事業も擁し、競合他社との差別化を図っています。
Nissan:52位、115億ドル(-6%)
Nissanは、「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」の取り組みを通じて、Nissanの最先端技術で、クルマを単なる移動の道具から、顧客をワクワクさせる存在に進化させています。2017年度からの6か年中期経営計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」では、「Mobility」のM、「Operational excellence」のO、「Vaue to customers (お客さまへの価値提供)」のV、「Electrification(電動化)」のEという強みを活かすことを示しています。経営体制の変更や不適切検査によるリコールなどのスキャンダルが、ブランド価値に与えた影響は限定的となっています。
Sony:56位、105億ドル(+13%)
2018年、社長 兼 CEO吉田 憲一郎氏のもと新経営体制が開始し、「Creative Entertainment Company with a Solid Foundation of Technology」とSony を再定義。事業領域は、音響や映像を中心としたエレクトロニクス事業から、音楽や映画、ゲームといったエンターテインメント事業そして金融事業へ、さらには、AI&ロボティクス関連、医療、教育分野へポートフォリオは一層多様性のあるものになっています。テクノロジーとクリエイティビティで世界を感動で満たす企業として世の中に貢献し、継続的な高収益と社会価値を創出するブランドとなる挑戦を続けています。
Canon:61位、95億ドル(-9%)
Canonは、交換レンズカメラのナンバーワンブランドであり、インクジェットプリンター市場でも、2018年も引き続きトップシェアを獲得しています。中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想」のPhase Vとして「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」という基本方針のもと、事業の主体をこれまでのB to CからB to Bへの変換を図っています。企業理念「共生」の具現化に向け、商業印刷、ネットワークカメラ、メディカル、産業機器の4つの新規事業をM&Aなどの手法も用いながら、2018年には事業ポートフォリオの転換を完成させています。
Panasonic:81位、62億ドル(-2%)
Panasonicは、ブランドスローガンである「A Better Life, A Better World」を実現するため「くらしアップデート」の取り組みを推進。街全体での新たな価値創出を目指し、Toyotaと共同で街づくり事業を推進する新会社を設立。ハーレーダビッドソンとも協業し電動バイク向けコネクテッドサービスを開発。家電、自動車、住宅、BtoBソリューションなど、パナソニックがもつすべての技術やノウハウを駆使し、社会問題と社会的ニーズに向けた最先端のソリューションを提供。暮らしや社会を変えようとしています。
Nintendo:89位、56億ドル(+18%)
Nintendoは、これまでにないエンターテインメント体験を創造することに挑戦し、「人々を笑顔にする娯楽をつくる会社」を目指しています。スマートデバイス上でのゲームビジネスを展開すると同時に、テーマパークや映像コンテンツなどにも進出し、より多くの方がNintendoのキャラクターやゲームに触れることにより、ブランド価値の向上を図ろうとしています。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神のもと、お客様に驚きを与える商品やサービスを提供しています。
Best Global Brands の20年の比較(BGB2001 vs. BGB2019)
初めてTop100ブランドを評価したBGB2001とBGB2019を比較すると、ランクインブランド全体の金額価値の合計は、988,287$mから2,130,930$mへ、2.1倍に拡大しています。
この間の主なグローバルブランドのブランド価値推移をみると、プラットフォーマーと呼ばれるテクノロジーブランドの伸びが顕著となっており、20年前には存在しなかった多くのブランドが存在感を増しています。時代が変わり、顧客ニーズや環境が変わっても、常に顧客の期待を上回る商品、サービスを提供し続け、ある時は新しいマーケットまでも創出するブランドが、その価値を増大させていることがうかがえます。
Best Global Brands 2019のブランド価値評価について
評価対象基準
本ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので、その上位100ブランドを公表しています。その評価対象として、以下の基準を満たす企業・商品を抽出し、評価をしました。
· 主要基盤地域 (Home Region) 以外での売上高比率が30%以上であること
· 北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあり、新興国も幅広くカバーしていること
· ブランドの財務的評価を実施するために必要な各種財務情報が公表されていること
· 資本コストを織り込んだ経済的利益 (Economic Profit) が長期的にポジティブであること
· 主要基盤地域のみならず、世界の主要な国々で、一般に広く認知されていること
· ブランドが顧客の購買行動に影響を与えていること
評価手法
インターブランドのブランド価値評価手法は、財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からみたブランド価値の評価です。証券アナリストが事業の価値を分析・評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」という視点に基づいて、ブランドの価値を分析・評価します。この手法は、ブランドの金銭的価値測定のための世界標準として、国際標準化機構(ISO)からISO10668の認定を受けています。評価は、具体的に以下の 3 つの分析によって構成されています。
1. 「財務分析」 - 企業が生み出す利益の将来予測を行う
まず、ブランドを冠する事業を特定し、その事業の現在の売上および将来の売上予測を算出します。そして、その売上から営業費用、税金、そして投下資本に応じた資本コストを差し引き、現在から将来にわたる経済的利益を推計します。本分析は、公開されている企業情報および2019年6月末時点でのアナリストによる将来予測値を基にしています 。
2. 「ブランドの役割分析」 - 利益のうち、ブランドの貢献分を抽出する
財務分析で算出された将来の経済的利益のうち、ブランドによってもたらされた利益を抽出するために、ブランドがどの程度顧客の購買意思決定に影響を与えているかを分析します。 本評価においては、ブランドが消費者の購買動向に果たす役割について、インターブランドが過去20年以上にわたり実施した10,000を超えるブランド価値評価実績のデータベースを活用し、業界別にベンチマーク分析を行います。そして業界ベンチマークを基にして、独自の調査・分析により個別ブランドの“ブランドの貢献分”のスコアを算出します。
3. 「ブランド強度分析」 - ブランドによる利益の将来の確実性を評価する
ブランド強度分析は、市場でのロイヤリティ、消費者の継続購入や囲い込みといったクライアントのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り、ブランドによる利益を割り引いて現在価値に換算するものです。 この評価は、ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり、ブランドの活力を見る10の項目から評価され、100をパーフェクトブランドとする0から100までのスコアで表されます。これらの項目の評価は同業種の他のブランドと比較して行われ、上位ブランドについては他業種の世界レベルのブランドと比較して行われます。
ブランド強度評価モデル10要素
社内要素(Internal Factors)
・概念明瞭度(Clarity)
・関与浸透度(Commitment)
・統治管理度(Governance)
・変化対応度(Responsiveness)
社外要素(External Factors)
・信頼確実度(Authenticity)
・体験一貫度(Consistency)
・要求充足度(Relevance)
・存在影響度(Presence)
・差別特有度(Differentiation)
・共感共創度(Engagement)
このブランド強度スコアは、インターブランド独自の計算手法により、割引率に変換され、その「割引率」で 将来のブランド利益を割り引くことで、ブランド価値が算定されます。「ブランドの役割分析」および「ブランド強度分析」は、公表されているさまざまな報告書等を使用し、弊社グローバル各オフィスの専門コンサルタントの多面的な評価を踏まえ算定されます。
インターブランドについて
インターブランドは、1974年にロンドンで設立された、世界最大のブランディング専門会社です。インターブランドは、ブランドをLiving business asset(常に変化する事業資産)と定義し、組織が明確な戦略を持ち、優れた顧客体験を提供する時、成長がもたらされると考えています。世界14カ国、18のオフィスを拠点に、戦略、クリエイティブ、テクノロジーの組み合わせにより、クライアントのブランドとビジネス双方の成長を促進する支援を行っています。
インターブランドの「Brand Valuation(ブランド価値評価)」は、ISOにより世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められました。インターブランドは、グローバルブランドの価値を評価したブランドランキングである Best Global Brandsをはじめとする各種ブランド価値・ブランド強度分析レポートを公表しています。インターブランドでは、先端的な手法を用いる戦略分析チームと高い芸術性を持つクリエイティブチームが一つのチームとなり、プロジェクトを推進します。ブランド価値評価・ブランド戦略構築をリードする戦略コンサルタント、ブランドロゴ・パッケージ・空間・デジタルデザインを開発するデザイナー、ネーミング・スローガン・メッセージを開発するコピーライターなどが在籍し、分析から実行、全ての流れを自社のリソースで完結します。
インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐ、インターブランド第3の拠点として、1983年に東京で設立されました。日系企業、外資系企業、政府・官公庁など様々な組織・団体に対し、トータルなブランディングサービスを提供しています。インターブランドについての詳しい情報はhttp://www.interbrandjapan.comをご覧ください。
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