新型コロナウイルスと野生生物の取引市場に関する意識調査を実施 政府主導で違法・規制が不十分な野生生物市場の閉鎖を
◆ミャンマー、タイ、ベトナム、香港では、90%以上の回答者が政府主導の市場閉鎖を支持
◆ペットとして多くの生きた野生動物を輸入している日本でも72%が、市場閉鎖は有効と回答。
【4月7日、香港発】 WWF(世界自然保護基金)は、「世界保健デー」にあたる4月7日、新型コロナウイルス感染と野生生物取引に関する市民の意識調査の結果を公開しました。
この調査は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大が進む中、ウイルス感染症の温床としてその危険性が指摘されている、違法または規制が不十分な野生生物市場に対し、市民がどのような意識を持ち、政府にどのような行動を求めているかを調査したものです。対象は、香港、日本、ミャンマー、タイ、ベトナムから、約1000人ずつ、性別・年齢人口構成に応じ無作為に抽出。3月3日~11日、WWFと調査を委託したGlobeScanがオンラインで行ないました。
この結果、香港、ミャンマー、タイ、ベトナムでは93%の回答者が、違法または規制が不十分な野生生物の取引市場を閉鎖する各政府の政策を「支持する」と回答。さらに79%が、こうした市場の閉鎖が将来の大規模な感染症発生の予防に有効だと思う、と回答しました。一方、過去12カ月間に、自分または知人が野生生物を購入したと回答した人も9%ありました。
日本でも「市場閉鎖は感染症の発生を防ぐ対策として有効」と回答した人が、他の4地域とほぼ同じ割合(72%)で認められたが、「政策を支持する」人の割合は低く(54%)、日本とは関係の薄い問題との認識があることもわかりました。しかし、日本でも生きた野生動物の取引市場は、「ペット」利用を目的に今も多数存在しており、WWFでは密輸された個体が国内取引市場に紛れ込んでも区別できないなど、多くの問題があることを訴えてきました。
今回の調査結果の発表を機に、WWFは特にリスクの高い東南アジアの規制の不十分な野生生物の取引市場閉鎖に向けた各国政府の取り組みを支持していきます。同時に日本については、海外から生きた野生生物が密輸されるエキゾチックペット市場が存在すること、そこに感染症のリスクが十分に潜んでいる点を改めて指摘し、改善を促してゆきます。
調査報告書要約版(英語)OPINION SURVEY ON COVID-19 AND WILDLIFE TRADE IN 5 ASIAN MARKETS
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20200407wildlife01.pdf
■関連情報
https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4237.html
アジア太平洋地域における野生生物の取引と消費の停止の必要性に関する声明
https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4261.html
『日本に向けたカワウソの違法取引と高まる需要の緊急評価』(PDF形式)
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20181019_wildlife01.pdf
『日本における爬虫類ペット市場の現状』(PDF形式)
https://www.wwf.or.jp/activities/data/20180320_wildlife02.pdf
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