【WHI調査レポート】約半数の企業が副業を「認めている・準備中」と回答
~従業員の労務管理や人材の流出等、副業推進における懸念も明らかに~
株式会社Works Human Intelligence(本社:東京都港区、代表取締役最高経営責任者:安斎富太郎、以下 WHI)は、統合人事システム「COMPANY」のユーザーである大手法人を対象に、副業推進の実態について全26問にわたる状況調査を実施し、65法人から回答を得ました(調査期間:2022年5月12日~6月3日)。大手法人における副業推進の目的や課題等、調査結果をお知らせします。
従業員の副業は認めていますか。(n=65,単一選択)
国の施策として副業の推進が掲げられてから4年、大手法人における推進状況や目的・課題等、副業への対応実態を調査しました。
2. 副業を認める・検討することになった目的を問う設問では、「従業員のスキルアップ、知見の拡大、成長促進」・「キャリア自律、キャリアの多様性」が上位回答でした。また、「従業員の要望が強かったから」と回答した企業は全体の24.0%でした。国の推進もあり、従業員の希望というよりは、企業側が本業でさらに従業員が活躍することを期待し、副業を推進している状態が明らかになりました。
3. 副業を認めている対象者の条件に関して、「条件はない」という回答が最も多い結果となりました。また、働き方についての条件に関しては、「所定日数、時間数、時間帯、勤務形態」と回答する企業が71.4%に上る等、過重労働の恐れや本業への支障がないかが判断基準になっていることが伺えます。
4. 副業を「認めない・過去に認めていたが今は認めていない」理由について、回答企業の86.7%が「労務管理の煩雑さ」を挙げる等、従業員の就業管理に課題を抱えている企業が多数。また、「社内の情報」や「副業している人材」等、社内リソースの流出が懸念されています。
調査結果
また、働き方に関する条件を問う設問では「所定日数、時間数、時間帯、勤務形態」や「副業先の業種業態」等が、許可の条件上位に。
設問I-4. 申請を承認(副業を許可)する条件を選択してください。(n=28、複数選択)
新型コロナウイルス感染症拡大により、場所や時間にとらわれない働き方が浸透し、働くことに対する価値観が多様化した一方、各従業員の労働実態の把握が困難になりました。このような状態下での副業制度推進は、副業者の労務管理や就業時間管理等、人事・労務部門の業務増大に繋がる懸念もあるため、副業推進において大きな課題になっているといえるでしょう。勤怠システムを活用した副業時の業務時間を把握できるしくみ作りや、副業時間の申請ルールを整備するといった工夫が必要です。
加えて、働き方の変化やキャリア意識に関する社内理解の醸成と人材流動が許容されるしくみ作りが肝要です。たとえば、経営層は世代的にも、「本業を全うすべし」という考えの方もまだ多く、現場部門長も成長における副業の必要性は理解しつつも業務面への影響から、ネガティブに捉えられる可能性も高いと予想されます。単に従業員の多様性を守るだけでなく、政府からの要請や市場による企業価値判断材料といった外的要因について、経営層、事業部門への説明や協力の依頼が必要となるでしょう。
伊藤 裕之(いとう ひろゆき)
株式会社Works Human Intelligence WHI総研 シニアマネージャー
2002年にワークスアプリケーションズ入社後、九州エリアのコンサルタントとして人事システム導入および保守を担当。その後、関西エリアのユーザー担当責任者として複数の大手企業でBPRを実施。現在は、17年に渡り大手企業の人事業務設計・運用に携わった経験と、約1,200のユーザーから得られた事例・ノウハウを分析し、人事トピックに関する情報を発信している。
※WHI総研:当社製品「COMPANY」の約1,200法人グループの利用実績を通して、大手法人人事部の人事制度設計や業務改善ノウハウの集約・分析・提言を行う組織。
<調査概要>
調査名:副業の実態について
期間:2022年5月12日~6月3日
調査機関:自社調べ
対象:当社製品「COMPANY」ユーザーである国内大手法人65法人
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:65
<引用・転載時のクレジット記載のお願い>
本リリース内容の転載にあたりましては、「Works Human Intelligence調べ」という表記をお使いいただきますようお願い申し上げます。
なお、本調査では他にも「副業制度導入によって得られた効果」「副業者の受け入れ」に対する回答も得ております。
詳細レポートをご要望の方は、当社ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://www.works-hi.co.jp/contact
WHIでは引き続き、大手法人の人事トレンドや業務実態について調査をしてまいります。
(ユーザーコミッティについてはこちら https://www.works-hi.co.jp/service/user-committee )
私たちは、日々複雑化・多様化する社会課題に対してあらゆる「人の知恵」を結集し解決に取り組み、すべてのビジネスパーソンが情熱と貢献意欲を持って「はたらく」を楽しむ社会を実現します。
※2020年度 ERP市場 - 人事・給与業務分野:ベンダー別売上金額シェア
出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2022」
株式会社Works Human Intelligence Webサイト https://www.works-hi.co.jp/
* 会社名、製品名等はそれぞれ各社の商標または登録商標です。
* 本リリースに掲載された内容は発表日現在のものであり、予告なく変更または撤回される場合があります。また、本リリースに掲載された予測や将来の見通し等に関する情報は不確実なものであり、実際に生じる結果と異なる場合がありますので、予めご了承ください。
- 本調査の背景
国の施策として副業の推進が掲げられてから4年、大手法人における推進状況や目的・課題等、副業への対応実態を調査しました。
- 副業実態調査結果の概要
2. 副業を認める・検討することになった目的を問う設問では、「従業員のスキルアップ、知見の拡大、成長促進」・「キャリア自律、キャリアの多様性」が上位回答でした。また、「従業員の要望が強かったから」と回答した企業は全体の24.0%でした。国の推進もあり、従業員の希望というよりは、企業側が本業でさらに従業員が活躍することを期待し、副業を推進している状態が明らかになりました。
3. 副業を認めている対象者の条件に関して、「条件はない」という回答が最も多い結果となりました。また、働き方についての条件に関しては、「所定日数、時間数、時間帯、勤務形態」と回答する企業が71.4%に上る等、過重労働の恐れや本業への支障がないかが判断基準になっていることが伺えます。
4. 副業を「認めない・過去に認めていたが今は認めていない」理由について、回答企業の86.7%が「労務管理の煩雑さ」を挙げる等、従業員の就業管理に課題を抱えている企業が多数。また、「社内の情報」や「副業している人材」等、社内リソースの流出が懸念されています。
調査結果
- 1. 49.0%の企業が副業を「認めている・準備中」と回答。一方、副業を「認めていない(検討の予定なし)・過去に認めていたが今は認めていない」と回答する企業が23.0%という結果に。
- 2. 副業を認める・検討することになった目的は、「従業員のスキルアップ、知見の拡大、成長促進」「キャリア自律、キャリアの多様性」が上位回答。「従業員の要望が強かったから」という項目は全体回答の24.0%という結果に。
従業員の希望という理由よりも、副業を通じた従業員のスキルアップやキャリア自律等、企業側が本業において効果を発揮することを期待して副業を推進していることが伺えます。
- 3. 副業を認めている対象者の条件について、「条件はない」が最も多いものの、「その他」の回答で、「正社員以外を対象」としているという回答や、「本業への支障がないこと」を挙げる回答が多数。
また、働き方に関する条件を問う設問では「所定日数、時間数、時間帯、勤務形態」や「副業先の業種業態」等が、許可の条件上位に。
設問I-4. 申請を承認(副業を許可)する条件を選択してください。(n=28、複数選択)
その他自由回答では、「予定される所定労働時間を勘案し、総務部長が決定する。」といった回答が寄せられました。過重労働の恐れや本業への支障がないかを勘案して判断する企業が多数を占めています。
- 4. 副業を「認めない・過去に認めていたが今は認めていない」理由について、86.7%の企業が「労務管理の煩雑さ」と回答。また、「本業への支障」や「過重労働のリスク」等が懸念に。
その他自由回答では、「他社に雇用される形式の副業を現状認めていないが、今後認めることになると合算の就労管理が一番の課題」「副業先の労働条件の方が当社よりも良い場合の当社での勤務時間減または退職のリスクが不安」といった課題も挙げられました。
- 総括(解説:WHI総研※シニアマネージャー 伊藤 裕之)
新型コロナウイルス感染症拡大により、場所や時間にとらわれない働き方が浸透し、働くことに対する価値観が多様化した一方、各従業員の労働実態の把握が困難になりました。このような状態下での副業制度推進は、副業者の労務管理や就業時間管理等、人事・労務部門の業務増大に繋がる懸念もあるため、副業推進において大きな課題になっているといえるでしょう。勤怠システムを活用した副業時の業務時間を把握できるしくみ作りや、副業時間の申請ルールを整備するといった工夫が必要です。
加えて、働き方の変化やキャリア意識に関する社内理解の醸成と人材流動が許容されるしくみ作りが肝要です。たとえば、経営層は世代的にも、「本業を全うすべし」という考えの方もまだ多く、現場部門長も成長における副業の必要性は理解しつつも業務面への影響から、ネガティブに捉えられる可能性も高いと予想されます。単に従業員の多様性を守るだけでなく、政府からの要請や市場による企業価値判断材料といった外的要因について、経営層、事業部門への説明や協力の依頼が必要となるでしょう。
- 解説者プロフィール
伊藤 裕之(いとう ひろゆき)
株式会社Works Human Intelligence WHI総研 シニアマネージャー
2002年にワークスアプリケーションズ入社後、九州エリアのコンサルタントとして人事システム導入および保守を担当。その後、関西エリアのユーザー担当責任者として複数の大手企業でBPRを実施。現在は、17年に渡り大手企業の人事業務設計・運用に携わった経験と、約1,200のユーザーから得られた事例・ノウハウを分析し、人事トピックに関する情報を発信している。
※WHI総研:当社製品「COMPANY」の約1,200法人グループの利用実績を通して、大手法人人事部の人事制度設計や業務改善ノウハウの集約・分析・提言を行う組織。
<調査概要>
調査名:副業の実態について
期間:2022年5月12日~6月3日
調査機関:自社調べ
対象:当社製品「COMPANY」ユーザーである国内大手法人65法人
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:65
<引用・転載時のクレジット記載のお願い>
本リリース内容の転載にあたりましては、「Works Human Intelligence調べ」という表記をお使いいただきますようお願い申し上げます。
なお、本調査では他にも「副業制度導入によって得られた効果」「副業者の受け入れ」に対する回答も得ております。
詳細レポートをご要望の方は、当社ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
https://www.works-hi.co.jp/contact
WHIでは引き続き、大手法人の人事トレンドや業務実態について調査をしてまいります。
- WHI調査レポートとは ~HR領域における大手法人の実態を調査~
(ユーザーコミッティについてはこちら https://www.works-hi.co.jp/service/user-committee )
- WHIについて
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出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2022」
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