RoomClip住文化研究所、調査レポート第3回「テレビ、プロジェクターの価値変化」発表

〜テレビまわりのニューノーマルと、今プロジェクターがちょうどいい理由〜

ルームクリップ株式会社

住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を運営するルームクリップ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 兼 代表執行役員CEO :髙重 正彦、以下 ルームクリップ)は、6月30日(水)、「RoomClip住文化研究所」から調査レポート第3回「テレビ、プロジェクターの価値変化 」を発表いたします。

レポート全文:https://lab.roomclip.jp/contents/tv/


「RoomClip住文化研究所」とは? 

「RoomClip住文化研究所」は、RoomClipに投稿された膨大な写真やコメント・タグなどの実例データと、検索や閲覧などの行動データ、ユーザーアンケート・インタビューなどを基に、住まい・暮らし領域のトレンドや消費性向などについて研究・発表するプロジェクトです。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行から1年以上が経ち、人々の生活・暮らしが大きく変わりつつある今、住まいにも大きな変化が押し寄せています。現在、ワクチンの開発などの対策は進んでいますが、生活様式がコロナ以前に戻ることは想定しづらく、コロナ後のいわゆる「新しい生活様式、ニューノーマル」は今後さらに定着していくことが予想されます。

そのような社会背景の中で、暮らしはどのような変化をしているのか、RoomClipに投稿された写真や行動データをもとに、第3回目のレポートを発表いたします。

※メディアの皆様
レポート内で紹介している各種データや写真のご提供や、代表事例となるユーザーのご紹介なども可能です。ご要望は、レポートの最後に記載しております広報担当までご連絡ください。


テレビ、プロジェクターの価値変化

昭和には「家電の王様」とも呼ばれたテレビ。ブラウン管から液晶などの薄型パネルへ進化し、大型化とともに、インテリアとしても重要な存在へとなっていきました。一般的な日本のLDK間取りにおいて、リビングの必須アイテムとして捉えられてきたテレビですが、最近は変化があるようです。

今回は、コロナ禍を経て浮き彫りになってきたテレビまわりのニューノーマル、そして台頭するプロジェクターについて、ユーザーの行動データや投稿写真とともにレポートします。


<トピックス>
  1. “インテリアアイテム”としての話題は減少した「テレビ」
  2. コロナ前後で起こった、テレビ設置方法の再編成
  3. ステータスから普遍的な価値へ。「プロジェクター」の急増と、テレビの新たなニーズ


1:“インテリアアイテム”としての話題は減少した「テレビ」

この10年のテレビにまつわる大きな変化といえば、2011年の地デジ化。この頃、大画面の薄型テレビを住まいに迎えることは、多くの人にとっての憧れとなり、トレンドでした。2012年からサービスを開始したRoomClipでも、導入したテレビのブランド名やサイズ、また「テレビボード」などを設置した報告は、ポピュラーな話題のタネでした。それに伴って、リビングの写真には意識的に「テレビ」をタグ付けした投稿も目立ちました。

しかし、2018年をピークとして、リビングを写した写真の投稿に占める「テレビ」タグの利用率は連続して減少。2021年6月時点では、2018年に比べて32%減少しています。
 


深層学習の画像認識結果で見えた、「テレビの存在感」に対する意識の変化

投稿写真に「テレビ」タグが付けられることが減ったとはいえ、ここ3年で住まいからテレビを排除した家庭が3割もいるとは考えにくいと思われます。そこで、深層学習を利用した「テレビ」の画像認識結果についても参照しました。

2019年からデータが蓄積されていますが、全写真の中でテレビが含まれる投稿はゆるやかに減少してはいるものの、その減少度合いは2019年通算と2021年の6月までの投稿水準比で10%程度です。つまり「テレビ」タグの利用は減っているものの、実際にテレビが家庭からなくなっているわけではない、という結果です。家の中にテレビはあっても、投稿者がインテリアとして意識的にテレビを話題にするケースが減少した、というわけです。「テレビの存在感」に対する意識の変化が生まれていると言えそうです。
 



2:コロナ前後で起こった、テレビ設置方法の再編成

お部屋における「テレビの存在感」について、さらに別の視点から見てみます。

「テレビ」を含む単語で設置方法に関するタグを調べると、2017〜2021年のTOP3キーワードは「テレビボード」「テレビ台」「壁掛けテレビ」です(「TVボード」、「テレビ壁掛け」などの表記ゆれを含む)。

年間でのTOP3は各年とも変わらないものの、月次での推移を見ると変化が起きています。「壁掛けテレビ」タグの利用率が年を追うごとに増加し、2019年に初めて単月で「テレビ台」を上回り、2020年も上昇トレンドを保ったまま再度逆転や肉薄するケースが増しています。
 


薄型テレビの普及当時から、「壁掛け」は理想的な設置方法として注目されていました。新築やリフォームといった住まい作りの場面でも、モデルルーム等を中心に「壁掛けテレビのあるリビング」は憧れの対象として描かれていました。見た目のスタイリッシュさはさることながら、長年リビングの面積の一部を占めていたテレビボードやテレビ台が不要となり、空間をより有効活用できることも魅力の理由でしょう。しかし、現実は施工難易度が高く、メジャーな設置手法として支持されるには至りませんでした。それが、近年、導入に踏み切るユーザーが増加しているのです。

壁掛けの投稿が増加を始める2018年頃を振り返ってみましょう。この頃、持ち物の見直しや処分、ミニマリストといったライフスタイル分野のトレンドを背景に、巨大な設置面積を必要とするテレビそのものを避けた「テレビのない暮らし」「テレビなし生活」といったタグが初登場しました。結果として、そのようなミニマル嗜好が大きなトレンドとなることはなかったものの、「テレビの存在感をなくしたい・減らしたい」あるいは「無駄を排除したい」という欲求が生活者の中に潜在的にあることの極端に表れた例とも言えるでしょう。


3:ステータスから普遍的な価値へ。「プロジェクター」の急増と、テレビの新たなニーズ

緩やながらも確かな「壁掛けテレビ」のトレンドが見えましたが、ここでテレビそのものから、テレビで得られる「大画面」という価値にも視線をシフトしてみます。すると、目を見張る成長をしているアイテムが1つあります。「プロジェクター」です。数量としては現状テレビに匹敵するボリュームではありませんが、投稿の伸長率は著しく、特に一人暮らし世帯ではタグ利用率で2020年に2016年比で5倍となりました


コロナ禍の2020年に成長スピードが急増。特に、同居者がおらず、コンテンツ視聴体験をスマホで完結させやすいはずの一人暮らし世帯の方が動きが顕著です。ステイホームでおうち時間の充実を求めるニーズは、コンテンツの楽しみ方にもスポットを当てました。ワイヤレスでスマホと接続できる機種がテレビと同じくらいの価格帯で購入できるようになるなど、コストパフォーマンスに優れたアイテムの充実も背景に、常時空間を占拠することなく必要な時だけ大画面ニーズを気軽に満たせるプロジェクターは「今、ちょうどいい存在」として支持されていると言えます。


ユーザー間のコミュニケーションから見えてきた、「大画面」体験装置としてのテレビ再評価

写真に付与される「テレビ」タグが減少、プロジェクターが普及し、このまま「テレビ」の存在は緩やかになくなるのでしょうか?そうとは言えません。最後に紐解くデータは2019年から2020年にRoomClip での「テレビ」に関してやり取りされた全てのコメントから解析した、「テレビ」とともに併用された共起キーワードのランキングです。


併用されるキーワードは、今のテレビの役割を示唆しています。「YouTube」といった「動画」配信サービスを「ネット」につないで楽しむといった用途や「ゲーム機(Switch)」「レコーダー」「パソコン」のような併用される機器の広がりによるコンテンツへの親しみ、それらのコンテンツを「子ども」と楽しむといった家族でのアクティビティ意識を想起させるキーワードがいずれも急増しました。


―まとめ―

ブランドやサイズなどに重きをおくような、ステータス的アイテムとしてのテレビの価値はやや低下しても、テレビ自体の価値が決して失われたわけではありません。大画面でしか得られない体験、時間・空間に与える価値がよりリアルに実感され、活発に話題が交換されています。

このように、コロナ禍を前後としたテレビの壁掛け化の普及加速、プロジェクターの伸長、大画面体験装置としてのテレビ再評価の流れは、テレビ業界の今後に対していくつかの示唆を与えます。

・空間からテレビの存在感をなくしていきたいニーズはありつつも、テレビが持つ「大画面」の体験は普遍的なニーズとして確認できること

・「壁掛け」や「プロジェクター」トレンドから見えるように、テレビはより住まいに溶け込む形で親しまれていくこと

・スマホの普及などライフスタイルの変化に応じてコンテンツは多様化し、使われ方はドラスティックに変化すること

最後に、RoomClipをはじめ生活者の間で、最近シーリングライト型のプロジェクターが注目を集めています。これを利用する住まいの投稿では、従来のテレビにはなかった暮らしで活用される大画面のシーンも生まれています。時計や風景を壁に常時投影する装置として親しまれるなど、必要な時にコンテンツを楽しむためだけでなく、暮らしの些細な場面にまで寄り添う役割を果たしているのです。これが生活者に求められる背景には、在宅ワークの増加など、ライフスタイルの変化も見逃せません。今後も時代や技術がもたらす暮らしのアップデートによって、テレビをはじめとした大画面が新たな価値をもたらすシーンが期待されます。



■調査レポートについて
今回のプレスリリースは、調査レポートの抜粋となっております。
調査結果のすべて、およびユーザーの実例写真は、「RoomClip住文化研究所」公式サイトから見ることができます。

「テレビ、プロジェクターの価値変化」レポート全文
https://lab.roomclip.jp/contents/tv/

 
  • RoomClipについて

家具や家電、雑貨などインテリアの写真を投稿・閲覧できる、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォームです。スマートフォンアプリとインターネットのウェブサイトを展開しています。 現在月間ユーザー数は600万人、写真枚数は500万枚を超えます。RoomClipは日本で最も「実際に人が生活している部屋の写真とデータ」が集まっているサービスです。雑誌やテレビなど年間に100以上の媒体でRoomClipユーザーが紹介されています。

 
  • ルームクリップ株式会社について
代表者 : 髙重 正彦
設立 : 2011年11月24日
所在地 :東京都渋谷区千駄ヶ谷1-28-1
URL : https://corp.roomclip.jp/
事業内容: 「RoomClip」「RoomClip ビジネス」「RoomClip ショッピング」の企画・開発・運営
RoomClip iOSアプリ
https://itunes.apple.com/jp/app/id520802798
RoomClip Androidアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tunnel.roomclip
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業種
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本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-28-1 佳秀ビル2階
電話番号
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代表者名
髙重 正彦
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2011年11月