ニトロ化を引き起こす有害物質、肌の潤いを奪うことを発見

黄ぐすみは、有害物質のぺルオキシナイトライト除去の残骸である可能性

株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、10月21日から30日の期間に開催されている化粧品の国際学会、IFSCC Congress 2020において、肌の黄ぐすみなどを引き起こすニトロ化は、有害物質であるぺルオキシナイトライト除去の結果であることを発表しました。IFSCC Congressは2年に1度開催される、化粧品技術者が最新研究結果を発表する、最も権威ある国際学会です。例年は世界各国で開催されており、今大会は日本での開催を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響により、初めてとなるオンライン発表となりました。当社は直近4回連続参加をしており、今回の発表は、過去最多の6件です。

2020年10月27日



研究の背景
当社は、総合的な肌のアンチエイジングの研究を行っていますが、肌の表皮細胞で起きている様々なたんぱく質の変化の中で、近年、肌の老化を外観的に印象付けるシミやたるみに加えて、黄ぐすみにも注目しており、その要因であるニトロ化についての研究に注力しています。今回の研究は、肌のニトロ化とニトロ化を引き起こす有害物質のペルオキシナイトライトの関係に焦点を当て、角層の水分維持について調査したものです。

■研究内容
 有害物質のペルオキシナイトライトは、人体のたんぱく質・脂質・糖質・DNAなどさまざまな生体内因子と反応し、酸化やニトロ化といった老化現象を引き起こすことが知られています。この研究では、ペルオキシナイトライトによるニトロ化の肌への影響を探りました。
 まず、pH(ペーハー)を調整することで、ペルオキシナイトライトによるたんぱく質のニトロ化反応をコントロールできることがわかり、ニトロ化たんぱく質量が多い条件と少ない条件を作り出すことができました。そこで、ニトロ化たんぱく質量の多少により、どのような差が生まれるかを検証したところ、ニトロ化たんぱく質量が少ないときには、ペルオキシナイトライトは、細胞増殖・細胞分化・角層バリア形成を阻害する傾向があり、ニトロ化たんぱく質量が少ないほど、ペルオキシナイトライトの悪影響が大きいことが明らかになりました。

角層バリア機能の比較(外来物質の浸透度)角層バリア機能の比較(外来物質の浸透度)


 そこで、肌のニトロ化たんぱく質量と水分量の関係を調べたところ、ニトロ化たんぱく質量が増えるほど、肌が潤うことがわかりました。つまり、ペルオキシナイトライトにより、たんぱく質のニトロ化反応が生じることで、その他の悪影響が緩和できていると言えます。この研究結果から、ペルオキシナイトライトが肌の潤いを奪うこと、たんぱく質のニトロ化によりペルオキシナイトライトが除去できることが明らかとなり、たんぱく質のニトロ化による黄ぐすみは、ペルオキシナイトライトを除去した残骸であることがわかりました。今後、ペルオキシナイトライトを除去することで、ニトロ化を防ぎ、潤いを保持できる化粧品の開発につなげたいと考えています。

ニトロ化たんぱく質と水分量の相関ニトロ化たんぱく質と水分量の相関



■発表タイトル
Nitration of Proteins:ASacrifice for Removing Harmful Peroxyniterite from the Epidermis
和文: タンパク質のニトロ化:表皮にある有害なペルオキシナイトライト除去の犠牲者
発表者
株式会社ナリス化粧品  髙田広之・森田美穂


研究者プロフィール

髙田 広之髙田 広之

髙田 広之(たかだ ひろゆき
株式会社ナリス化粧品 
研究開発部 研究課 基盤技術グループ

― 略歴 ―
名古屋大学大学院理学研究科修了後、2016年4月
株式会社ナリス化粧品に入社。

― 職務経歴 ―
2016年10月 ナリス化粧品 処方応用グループ。
(メーク製品を中心に様々なカテゴリーの化粧品開発に従事)
2017年10月 ナリス化粧品基盤技術グループ。
           (美白や保湿の研究に従事)

過去の研究例
●シミの発生を防ぐ表皮冷受容体の活性化成分を特許出願(2019年2月22日)
 
※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. 株式会社ナリス化粧品 >
  3. ニトロ化を引き起こす有害物質、肌の潤いを奪うことを発見