【産直白書2025 刊行】猛暑・生育不良・価格高騰の中で見えた農業の変化

ー生産者の工夫と適正価格への模索が進んだ一年を振り返るー

農業総研

「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役会長CEO:及川 智正、以下「当社」)は、2025年の農業・青果流通を振り返る「産直白書2025年版」を発行いたしました。

▼産直白書2025年版は、以下リンクからご覧いただけます。

https://nousouken.co.jp/topics/press-release/2025farmfreshーwhitepaper/

「産直白書 2025年版」は、これまで発行してきたプレスリリースをもとに、2025年の季節ごとの野菜や果物のトレンドをアーカイブした読み物として再編集したものになります。

2025年は「命に関わる暑さ」と言われるほどの記録的猛暑により、生産現場では高温障害や乾燥という二重の課題に直面しました。野菜価格は年初から軒並み高止まりし、「令和の米不足」に象徴される需給の難しさが改めて浮き彫りになりました。

品目別トピックス(抜粋)

時期

品目

主なトピック

冬季

じゃがいも(1月)

北海道十勝産、干ばつで小玉傾向。価格は変わらないものの、収穫量が減少、肥料や人件費などの費用の値上がりも続く

冬季

ほうれん草(2月)

価格およそ3割上昇供給量の減少も市場価格は徐々に落ち着いていく見通し

春季

ミニトマト(5月)

「こくつよ みにとまと」が一般品の1.3~1.7倍価格で人気

夏季

なす(6月)

猛暑・コスト高が懸念材料。小清水農園の「とげなし輝楽」「とろ~り旨なす®」が高品質による差別化

夏季

とうもろこし(7月)

朝3時の収穫開始で最高の甘さ。価格は2023年比20%超上昇

夏季

いちじく(8月)

少雨で甘味濃厚、2年で価格2割上昇し過去最高水準

秋季

しいたけ(10月)

価格安定。龍神マッシュの肉厚しいたけが「メインディッシュ」として人気

秋季

りんご(10月)

国産りんご例年並みの作柄。平均単価は2023年比37%上昇

秋季

深谷ねぎ(12月)

猛暑・干ばつ下でも価格は安定。「気象データ購入」で品質維持

番外編

できればシリーズ(8月)

2.3兆円の野菜市場の中で進むブランド化。農業総合研究所がプロデュースするブランディング野菜「できればシリーズ」累計販売額約1億円に

生産者の工夫と挑戦

・猛暑・干ばつへの対応事例

北海道芽室町のじゃがいも生産者は、2025年の干ばつで小玉傾向となる中、「できればシリーズ」のブランディング戦略で天候に左右されない売上を実現。調理法を明示したパッケージでベーシック・プレミアム・熟成の3ラインナップを展開し、直近1年間で累計販売額約1億円に成長しました。

埼玉県深谷市の深谷ねぎ生産者は、記録的猛暑と干ばつの中でも価格を安定維持するため、気象会社から中長期予報を購入する「情報投資」を実施しています。植え付け時期の調整や冠水作業のタイミング、収穫時期の見極めを最適化することで、肥料・資材費が高騰する中でも品質を守り続けています。

・ブランド化による高付加価値戦略

愛知県豊橋市のなす生産者は、黒ナス「とげなし輝楽」と白ナス「とろ〜り旨なす®」の2品種で高品質による差別化を図っています。とげなし輝楽は甘みが強く皮がやわらかいことからプロの料理人に人気で、とろ〜り旨なす®は肉厚でとろりとした食感が特徴です。地元東海地方に加え首都圏の百貨店でも取り扱いが拡大しています。

※「とろ~り旨なす」は、有限会社トキタマネジメントサービスの商標です。

和歌山県のミニトマト生産者は「こくつよ みにとまと」ブランドを展開し、一般的なミニトマトの1.3〜1.7倍の価格で販売しています。ゼリー質が少なく果肉がしっかりしており、噛んだ瞬間に濃厚なうまみが広がることでリピーターが増加し、ブランドへの信頼感が浸透しています。

・地域特性を活かした栽培

福島県会津地方のりんご生産者は、昼夜の寒暖差が大きい会津の特性を活かした栽培を行っています。首都圏のマルシェに年5〜6回出店し消費者に直接語りかけることで、生のりんごを手にした人がファンとなり継続注文につながる関係づくりを実践しています。

埼玉県深谷市のとうもろこし生産者は、品種「ミルフィーユ」を朝3時から収穫開始することで最も甘い状態で出荷しています。とうもろこしは夜間に糖を蓄え日中に消費するため、朝採りが最適です。収穫後の高温による傷みを防ぐため出荷までの時間を極力短縮し、猛暑の中でも品質を守る工夫を継続しています。

▼産直白書2025年版は、以下リンクからご覧いただけます。

https://nousouken.co.jp/topics/press-release/2025farmfreshーwhitepaper/

■ 会社概要

株式会社 農業総合研究所 (JPX 証券コード3541)

〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルⅡ4階

・URL: https://nousouken.co.jp/

・株主通信vol.10:

https://nousouken.co.jp/ir/stock-info/shareholder-newsletter-business-report10/

「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業が無くならない仕組みを構築することを目的とした産直流通のリーディングカンパニーです。全国約10,000名の生産者と都市部を中心とした約2,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、農産物の産地直送販売を都市部のスーパーで実現した「農家の直売所事業」と、農産物をブランディングしてスーパーなどで提供する「産直事業」を展開しています。

■ 本件に関するお問い合わせ

株式会社農業総合研究所 経営企画部 広報課

〒640-8341和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルⅡ4階

TEL :073-497-7077 Mail: pr@nousouken.jp

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会社概要

株式会社農業総合研究所

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URL
https://www.nousouken.co.jp
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
和歌山県和歌山市黒田99-12 寺本ビルII4階
電話番号
073-497-7077
代表者名
堀内 寛
上場
東証グロース
資本金
5億8100万円
設立
2007年10月