【12/2講演会】インド人から見たカースト、「逆差別」にあったから僕は日本へやってきた
途上国を専門と非営利メディア「ganas」が開催
非営利メディア「ganas」を運営するNPO法人開発メディアは12月2日、インドのカースト制度についての講演会をオンラインで開きます。登壇するのは、日本の大学院で学ぶインド人の青年。カースト制度の「裏側」を語ります。
「インドではカーストが高いと損をする。『カーストの逆差別』を受けたから、僕はインドを出た。そして日本にやってきた」
こう語るのは、インド西部の街プネーから日本の埼玉にやってきて6年経つアトレー・シュレヤスさん。26歳。アトレーさんはいま駒沢大学の大学院で法律を勉強しています。将来の夢は日本で弁護士になること(日本語もペラペラです)。
「カーストの逆差別」とは何か。シンプルに説明すると、インド政府は独立当初から、カースト差別を憲法で禁止し、カースト差別を是正する措置をとってきました。この措置を「留保制度」(アファーマティブアクションのひとつ)といいます。具体的には、カーストが低い人たちに「優先枠」を設け、大学に入りやすくしたり、公務員になりやすくしたりしているのです。
社会的に差別されてきた/いる人たちを優遇する――。これ自体は必要なこと。と同時に、忘れてならないのは、こうした是正措置の裏で、逆に差別を受ける人たちもいるということです。言ってみれば、カーストが高く生まれた人たちにとっては、大学に入るのもカーストが低い人に比べて難しくなり、苦しんでいるという事実です。
たまたま高いカーストに生まれてしまったアトレーさんは本音をこう漏らします。
「留保制度(是正措置)をやめるべきだ、とは思わない。ただ、優遇の度合いがやりすぎだと思う。カーストが低く生まれていたら、僕はたぶんインドにずっといた」
タブーであるカーストについて、インド人(若者)から本音を直接聞ける機会はまずありません。インドへ行ったことのある方ならわかるはず。すごく貴重です。しかも日本語で。
アトレーさんのお話を聞いて、皆さまに考えていただきたいのは、インドの「留保制度」がアリかナシかといった単純化した答えではありません。平等とは何か(集団としてとらえるか、一個人としてとらえるかによっても変わります)、民主主義とは何か(数の論理でいえば、カーストが低い人が圧倒的多数。つまりカーストが高い人の声は反映されにくい)といったことです。
この講演会はオンライン(Zoom)で開きます。世界中のどこからでも参加できます。しかもganasサポーターズクラブ(途上国を盛り上げ、途上国から学ぶコミュニティ)に入っておられる方は無料。ganasサポーターズクラブにまだ入っていない方はこの機会にどうぞ。同時入会でも無料となります。
*この講演会は厳密には、途上国を専門とする非営利メディアのganasが現在開講中の「グローバルライター講座」のアクティビティのひとつ「模擬記者会見」です。受講者以外の方にも特別公開します。オブザーバーとしての参加となるため、質問はできません。ご容赦ください。
アトレーさんのお話のポイントを箇条書きで下にまとめてみました(こんなことを知れます!)
・1950年に施行されたインド憲法(インドの独立は1947年)は、カーストによる差別を禁止している(「ダリット」などと言ってはいけない)
・カースト差別を是正する措置(インドでは「留保制度」と呼ぶ)はどんなものなのか
・大学受験で正解率94%をとったのに、志望校に落ちたわけ
・留保制度があるから、優秀なインド人は海外に出る(頭脳流出につながる)?
・インドで留保制度に反対するデモが起きる理由
・インドでは最近「偽造下位カースト」が増えている
・平等とは何か、カーストが低い人のための優先枠の適正ラインはあるのか
・選挙で勝つために「留保制度の拡大」を公約に掲げる政治家たち(民主主義と平等性を考える)
*カーストをテーマにしたディスカッション中心のプログラム「インド人と学ぶ! タブーなしのカースト講座」を12月(16日、23日の2日間)に都内(オフライン)で開催する予定です。11月中旬にはganasのサイトでアナウンスします。今回の講演会でますます興味をもった方はぜひ!
■登壇者
アトレー・シュレヤスさん
インド西部の街プネー出身。埼玉大学教養学部を卒業し、現在は駒沢大学大学院で法律を学ぶ。日本で弁護士になることが目標。「カーストについて日本人の皆さんにもっと知ってほしい」がモットー。
★Instagram https://www.instagram.com/indian_in_japan/
■日時
12月2日(金)20時~22時30分
<タイムライン(予定)>
19:50 開場(Zoomのミーティングルームにお入りいただけます)
20:00 開始
20:10 講演「インド人から見たカースト、『逆差別』にあったから僕は日本へやってきた」(アトレー・シュレヤスさん)
*使用言語は日本語です。
21:00 質疑応答
*申し訳ございませんが、オブザーバー参加の方は質問できません。
22:30 終了
■こんな方におススメ
・インドが好き/に興味がある
・インドで活動している/したいので、知られざるカースト事情を知っておきたい
・カーストについてインド人はどう思っているのか、インド人の若者から生の話を聞きたい(あくまで一人のインド人の意見です)
・カーストが低い人を優遇する「留保制度」(アファーマティブアクションのひとつ)について知りたい
・留保制度の「裏側」を詳しく知りたい
・世界各地に残る差別とその是正措置について学んでいる
・中国を抜き、世界最大の人口をもつ国になるインドについて、普通では学べない知識を入れておきたい
・数の論理がものをいう民主主義について考えたい
・差別を是正する難しさ、平等とは何かを考えたい
・国際協力の仕事に将来就きたいと思っているので、いろんな国のことを知っておきたい
・インド人がなぜ、落ち目の日本にやってくるのかに関心がある
■会場
オンライン(Zoomを使います)
*当日の正午をめどに、ZoomのURLをPeatixのアカウントにお送りします。ご確認ください。
■定員
70人(先着順)
*定員に達した時点で締め切らせていただきます。
■参加費
・一般:1800円
・録画視聴:1800円
・ganasサポーターズクラブのパートナー/サポーター:無料
*オブザーバーとしての参加になりますので、質問はご遠慮ください(グローバルライター講座の受講者は記事を書きますので、そのために必要な「質問をすること」を優先します)。
*録画視聴の方には講演会の翌日に、録画が見られるURLをお送りいたします(ganasサポーターズクラブの方には無料で録画をシェアいたします)。
*キャンセルされても参加費は返金できません。ご了承ください。
*ganasサポーターズクラブにまだ入っていらっしゃらない方はこの機会にどうぞ(同時に入会しても無料となります)。途上国に特化した非営利メディアganasの活動を単にサポートしていただくだけでなく、さまざまな特典(お得に学べたり、途上国に関心がある人同士で交流も)もご用意しております。
■申し込み方法/締め切り
下のPeatixのページからお申し込みください。お申し込みはご入金をもって完了します。締切日は12月1日(木)。定員に達した時点で締め切らせていただきます。
https://20221113india.peatix.com/view
■主催
特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)
・ウェブサイト:https://www.ganas.or.jp
・フェイスブックページ:https://www.facebook.com/ganas.or.jp
・ツイッター:https://twitter.com/devmedia_ganas
・インスタグラム:https://www.instagram.com/devmedia_ganas
・メール:devmedia.ganas@gmail.com
・ライン:https://page.line.me/ganas
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