SantenとSERI、主要な眼疾患に対する疾患修飾療法の開発で提携
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)はこのほど、シンガポール眼科研究所(SERI)と、視力を脅かす眼疾患におけるファースト・イン・クラスの疾患修飾療法のトランスレーショナル開発を加速させることを目的とした次世代の共同研究であるSanten–SERI Open Innovation Center(SONIC)2.0を開始しました。
SONIC 2.0は、2014年から続くSERIとSantenの長期的な戦略的パートナーシップの下、2017年から2023年にかけて実施された総額3,700万シンガポールドルの共同研究『SONIC 1.0』の成果の上に構築するものです。今回の新たな共同研究は総額2,100万シンガポールドル規模で、Santenの医薬品の専門知識とSERIの臨床およびトランスレーショナル研究能力を組み合わせ、緑内障に加え、眼表面疾患、老視、近視に対する新しい治療法の開発を目指します。
SONIC 2.0について
SONIC 1.0がより探索的で幅広い範囲を対象としていたのに対し、SONIC 2.0はより焦点を絞ったターゲット型のアプローチをとり、疾患修飾療法のメカニズムに関するより深い研究を可能にします。
SONIC 2.0における主な研究プログラムには、以下のものを予定しています。
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緑内障治療の新規化合物の探索と最適化
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複数疾患への応用を目的とした抗瘢痕化剤の研究
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近視進行抑制を含む、より良い近視治療薬の開発
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老視に関する新規の非臨床モデルの確立と、その治療候補評価への応用
本イニシアチブは2025年12月から2028年11月までの3年間にわたり実施され、2つの新たな臨床段階候補の創出と、アジアだけにとどまらない眼科薬パイプラインの拡充を目指します。SONIC 2.0は、トランスレーショナル研究における具体的な成果をもたらし、人材育成、事業化、そして2035年までに見込まれる将来の製品上市を通じて、シンガポールの生物医学イノベーションの発展に貢献することが期待されています。
2014年以降の初期協業における成果(SONIC 1.0を含む)
初期の協業では、複数の眼科領域で13件の研究プロジェクトが達成されました。これらのプロジェクトには、糖尿病網膜症、近視、ドライアイ、緑内障における研究活動が含まれます。さらに、近視、抗瘢痕化剤、網膜に関する研究から、2件のライセンス技術と6件の共同特許が出願されました。
シンガポール国立眼科センターの最高経営責任者であり、SONIC 2.0プログラムの研究責任者を務めるアウン・ティン教授は、次のように述べています。「SERIとSantenのパートナーシップは、眼科用医薬品の共同開発を開始した2014年から長きにわたって続いています。Santenとの協業を継続するにあたり、私たちのトランスレーショナル研究の専門知識とSantenの革新的な製品開発力および業界での強みが融合するこの協業を継続できることを誇りに思います。世界中の患者さんに恩恵をもたらす新たな治療のブレークスルーに期待を寄せています」。
Santenの取締役でチーフ オペレーティング オフィサーの中島理恵は、次のようにコメントしています。「Santenは、革新的な研究と意義あるパートナーシップを通じて人々の目の健康の向上に取り組んでいます。SERIとのSONIC 2.0の開始は、眼科領域におけるアンメットニーズに応えるという当社の使命において重要な節目となります。本イニシアチブを通じて、患者さんに新たな可能性と希望を届けるという我々のグローバルなコミットメントをさらに強化し、未来の世代にわたって眼科医療の進歩を牽引してまいります」。
Santenについて
Santenは、眼科領域に特化したグローバル製薬企業として、世界中の人々が「見る」ことを通じて、より豊かで幸せな人生を送れるよう、目の健康の維持・向上に取り組んでいます。1890年に日本・大阪で創業して以来、135年以上にわたり、眼科領域における医薬品および医療機器の研究開発・製造、および販売を通じて、世界中の人々の目の健康をサポートしてきました。Santenは眼科領域を専門とし、緑内障、ドライアイ、感染症、アレルギー、加齢黄斑変性、近視など、幅広い疾患領域に対応する製品ポートフォリオを有しています。現在、Santenの製品とサービスは世界60以上の国・地域で提供されています。「天機に参与する」という基本理念のもと、Santenは、眼科の専門性と患者さん中心の姿勢を大切に、「Happiness with Vision」の実現に向けて取り組んでいます。
詳しくは、https://www.santen.com/jaをご覧ください。
シンガポールアイリサーチインスティテュートについて
1997年に設立されたシンガポールアイリサーチインスティテュート(SERI)は、眼科および視覚研究を目的としたシンガポールの国立研究所です。SERIのミッションは、失明や弱視、シンガポール人とアジア人に共通する主な眼病を予防する影響力の大きい眼科研究を実施することです。この10年にわたり、SERIは画期的な研究プロジェクトを実施し、具体的な成果と患者さんへのベネフィット、成功例を生み出し、シンガポール人やアジア人のみならず、世界規模で眼疾患の治療と予防の方法を大幅に改善する道を切り開いてきました。
SERIは1997年に設立された5名からなる創立チームから、臨床医科学者、基礎研究者、リサーチフェロー、博士課程の学生、サポートスタッフを含む250人以上の大きな組織に成長しました。SERIはシンガポールで最大の研究機関の一つであり、アジア太平洋地域で最大の眼科研究機関です。また、SERIは、シンガポールの様々な眼科研究所、生物医学研究所、および関連医療センターにおいて250人以上の非常勤教員を有しています。
SERIはこれまでに印象的な5,942本の科学論文を発表し、外部からの査読による助成金を獲得しています。2024年12月現在、SERIの教員は1,425以上の国内外の賞を受賞しており、188の特許を出願しています。シンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究機関として、またシンガポール国立大学Yong Loo Lin医学部およびデューク-NUS医科大学院の直属機関として、SERIはローカルの臨床眼科センターや生物医学研究機関、ならびに世界中の主要な眼科センターおよび研究機関と協力して視覚研究に取り組んでいます。SERIは、国民一人当たりの眼科論文発表数において、米国、英国、日本を大きく引き離し、世界第1位にランクされており、それらの実績により、SERIは地域的にも国際的にも著名な眼科研究機関と肩を並べる存在となっています。
本プレスリリースは、日本語および英語で発行されています。矛盾が生じた場合は、英語版が優先します。
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