〈2025年度第4回 中小企業経営実態調査〉人手不足倒産が過去最多*に。一方で新卒採用は4割超が「採用予定なし」。人手不足の中、即戦力以外の採用に慎重になる企業が多数。
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2025年度第4回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

2025年度の「人手不足倒産」が過去最多の442件*に達するなど、日本の中小企業はかつてない経営危機に直面しています。物価高騰に伴う実質賃金の低下が続く中、従業員からの賃上げ圧力と、大手企業との熾烈な採用競争という「二重苦」が中小企業の存続を脅かしています。今回の調査では、従業員50人以上の企業の8割が人手不足を深刻な経営課題と捉える一方、対策の主流である「採用活動」が、特に小規模企業において極めて厳しい実績に留まっている実態が判明しました。
*東京商工リサーチTSRデータインサイト
URL:https://gdx-research.com/wp-content/uploads/2026/04/bluereport_202605.pdf
【調査結果サマリー】
①従業員規模が大きいほど人手不足が深刻化。経営課題と認識する企業は従業員規模に比例して増加。
②人手不足の課題に対する対策1位は「採用活動を行う」も、中途人材は確保困難。
新卒人材・外国人人材は「採用慎重」の二極化。
③新卒・中途ともに「広告出稿」が最多。一方で、採用成功企業ほど「外部知見」による魅力発信を強化。
【アンケート概要】
・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間 :2026年1月14日~2026年2月13日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :1,647人
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1.人手不足は経営課題であるか(n=1,647)
Q2.人手不足は経営課題であるか(従業員規模別)(n=1,647)
Q3.人手不足が生じている職種(n=727)※複数回答可
2025年度の人手不足倒産が過去最多を記録し、実質賃金低下による賃上げ圧力が強まる中、中小企業の44.1%が人手不足を「経営課題」と認識しています。特に規模が大きくなるほど危機感は強く、従業員数が10〜29人では58.6%、30〜49人では64.8%、50人以上の企業では80.3%が「経営課題である」と回答しています。一方で、0~9人の企業で「はい」と回答した割合は33.5%に留まり、経営者が自ら業務を抱え込むことで、構造的な課題化が遅れるリスクも推察されます。

また、人手不足が生じている職種は「現場作業員(58.5%)」が突出しており、次いで「営業(34.3%)」、「技術職(28.3%)」と続き、現場を支える労働力の確保が急務となっていることがうかがえます。


Q4.課題に対しての対策(n=714) ※複数回答可
Q5.人材の採用状況(新卒人材)(n=415)
Q6.人材の採用状況(中途人材)(n=415)
Q7.人材の採用状況(外国人人材)(n=415)
Q8.人材の採用状況(中途人材)(従業員規模別、n=415)
人手不足の課題に対する対策として、58.1%の企業が「採用活動を行う」を挙げており、主要な解決策となっています。しかし、実際の採用状況を見ると、中途人材は「採用したいができていない」が55.4%と過半数に達し、確保が極めて困難な状況にあります。また、課題への対策として「ロボット、AI等の活用による業務効率化」は11.6%に留まっており 、依然として「人の補充」に依存した労働集約的な構造が、人手不足の影響を強く受ける要因となっています。倒産リスクを回避し持続可能な経営を実現するには、自社の業務特性を活かした差別化や、外部機関の支援を取り入れた多角的な戦略検討が欠かせません。

一方で、新卒人材は43.4%、外国人人材は66.0%が「採用するつもりはない」と回答しており、 深刻な人手不足の中にありながら教育コストや受け入れ体制への懸念から、即戦力以外の採用には慎重な企業が多いのことがうかがえます。

中途人材の採用については、従業員0~9人の小規模企業の67.6%が「採用したいができていない」と回答しており、中小企業では即戦力となる中途人材の確保を重視する傾向が強いものの、採用競争の激化により、思うように人材を確保できていない実態が浮き彫りとなりました。事業を維持・拡大するためには、従来の採用手法を再考し、人材育成の仕組みや職場環境の構築を通じた「選ばれる企業」への取り組みが不可欠です。


Q9.採用のための取り組み(新卒人材)(n=50)※複数回答可
Q10.採用のための取り組み(中途人材)(n=117)※複数回答可
「予定数採用できている」もしくは、「予定数には達していないが採用できている」と回答した企業に採用のための取り組みを聞いたところ、「求人媒体への広告出稿(新卒人材44.0%、中途人材50.3%)」が最多となりました。しかし、知名度やリソースに制約がある中小企業にとって、広告を出すだけの「待ちの採用」は大手企業との激しい競合に晒されやすく、それ単体での安定的な確保には限界があります。課題を打破する一手として、外部の知見を借りて自社の魅力を再定義する「エージェントの活用」などを戦略的に取り入れる動きも見られました。中途採用では33.9%の企業がエージェントを活用しており、ターゲットへ能動的にアプローチすることで、知名度のハンデを補っている実態がうかがえます。これらのデータから、取り組みを前進させている企業ほど、自社完結にこだわらず「エージェントの活用」などを戦略的に取り入れており、外部の知見を借りて自社の魅力を再定義していることが考えられます。


フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、
全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント
本レポートでは、中小企業の人手不足の実態を検証するため、現状の把握や採用活動の取り組みについて調査・分析を行いました。調査の結果、人手不足を経営課題として認識している企業は44.1%に達し、特に従業員規模が大きくなるほどその割合が高まる傾向が明らかになりました。また、中途人材へのニーズが圧倒的に高い一方で、小規模企業ほど「採用したいができていない」という厳しい現実に直面しています。
深刻化する人手不足を解消するためには、従来の求人媒体を中心とした「待ち」の姿勢から、自社の業務特性や魅力を発信して差別化を図る「攻め」の採用への転換が必要です。さらに、経営資源が限られる中小企業においては、単なる人材確保だけでなく、業務委託やアウトソーシングの活用、そして採用に強い外部機関の支援を取り入れるなど、自社の要因に合わせた多角的な戦略検討が求められます。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
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