UL、車載機器向け人体ばく露(曝露)試験サービスを開始
近年ハイブリッド自動車や電気自動車が普及し、今後はさらに充電式エネルギー貯蔵システムなどを搭載した自動車の一般化が進むとみられています。このような自動車では、今まで以上に車載機器が発する電磁波が人体に悪影響を及ぼさないことが求めれており、ICNIRPガイドライン*2に適合することが重要になっています。人体ばく露についてはMRIなどの医療機器や、携帯電話などの分野で人体に対する影響が懸念されています。現在では多くの車両メーカーでも車載機器への対応を進めています。今後、より安全で安心な電波利用環境を整備していくためには、人体ばく露試験は避けては通れない試験となります。
ULでは日本における自動車産業の”CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)”対応支援の取り組みの一環として、車載機器のEMC試験に長年取り組んできました。その一環としてこの度、独Narda S.T.S.社製「ELT-400型 磁界曝露レベルテスタ」および「磁界測定システム 7904A-201」(左下写真)を導入しました。このシステムでは時間領域評価を行うと同時に、磁界の時間変化の表示ならびに周波数解析が可能です(右下写真)。「ELT-400型」単独ではICNIRPガイドラインとの相対測定や磁界強度測定だけしか行えませんでしたが、「 7904A-201」の導入により、JASO TP-13002:2013*3で要求される、特定の周波数での占有状況などの分析が可能となりました。コンプレッサー、高圧ヒーター、カーナビなどにとどまらず多くの車載部品が対象となります。
ULでは人体ばく露試験に加え、車載機器のEMC試験、無線試験、信頼性試験など多岐にわたる試験を提供しており、引き続き日本市場への投資を拡大してきます。
*1 無線機器を一定期間使用したときに、電磁エネルギーが生体組織にどの程度吸収されるかを測定する試験
*2 国際非電離放射線防護委員会(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection : ICNIRP)が発行するガイドライン
*3 JASO TP-13002:2013 「自動車の人体ばく露に関わる電磁界測定方法」は2013年3月29日に公益社団法人自動車技術会(JASO)が制定したテクニカルペーパ
【ULの概要】
ULは、科学の活用によって安全、セキュリティ、サステナビリティ(持続可能性)における課題を解決し、よりよい世界の創造に寄与します。そして、先進的製品/技術の安全な導入を実現することで、信頼を高めます。ULのスタッフは世界をより安全な場所にするという情熱を共有しています。第三者調査から規格開発、試験、認証、分析/デジタルソリューションの提供まで、ULは業務を通じて、より健全なグローバル社会の構築を目指します。 ULに対する信頼が、企業、メーカー、政府当局、規制機関、人々のスマートな決断を支えます。詳細はUL.comをご参照ください。
【株式会社UL Japanの概要】
株式会社UL Japan は、 世界的な第三者安全科学機関であるUL の日本法人として、 2003 年に設立されました。 現在、 UL のグローバル・ネットワークを活用し、 北米のUL マークのみならず、 日本の電気用品安全法に基づく安全・EMC 認証のPSE およびS マークをはじめ、 欧州、 中国市場向けの製品に必要とされる認証マークの適合性評価サービスを提供しています。 詳細はウェブサイト(https://japan.ul.com/)をご覧ください。
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