ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390X、RFID工具[nepros ID]が2024年度グッドデザイン賞を受賞

ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドルNBR390Xは審査委員が二次審査会時に選ぶ「私の選んだ一品」にも選出されました。

KTC 京都機械工具

ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390X
RFID工具[nepros ID]

総合ハンドツールメーカー京都機械工具株式会社(KTC)(京都府久世郡久御山町/代表取締役社長 田中 滋/証券コード5966)の、ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドルNBR390X、RFID工具[nepros ID]がこの度2024年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。またネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドルNBR390Xは審査委員が二次審査会時に選ぶ「私の選んだ一品」にも選出されました。

グッドデザイン賞とは、1957年に創設された日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨制度です。KTCは1995年に「ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル」(NBR3UN)で初めてグッドデザイン賞を受賞(後にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞)。その後、進化系デジタルトルクツール「デジラチェ」や、ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル「NBR390」等で受賞しています。今回の受賞により、KTCでの受賞は計41件になりました。

ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390X

審査員の評価

本デザインは、ヘッドの小型化や軽量化、観察から得られた「ヘッドや首を持ちボルトを早回し」、「ハンドル部を掴み締結」など使用者の複数の使用姿勢に関する知見をふまえ、数学的、力学的な根拠に基づき、複数の評価指標を総合的に最適にするトポロジー最適化を適用している。その結果として、強度、剛性、軽さ、バランス、手なじみに優れた形状、構造が得られており、人の知と技術の連携により達成された完成度の高いデザインとなっている。

「私の選んだ一品」【選出した審査委員/コメント】

朝倉 重徳/インダストリアルデザイナー

デザイン開発では、計算から導かれた「かたち」が既存概念と異なることがある。初め少し困惑するが、納得すると強い信頼に変わる。軽量化、材料の節約、強度の向上を実現するトポロジー最適化理論で導かれた原型を出発点に、手で使うものとして高品質に仕上げられたレンチは信頼に足る道具として魅力的。

ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390Xについて

デザインが生まれた背景

作業者の高齢化やジェンダーレスなどハンドツールを取り巻く環境が変化している昨今、より軽く作業性が良く、さらには強度効率の良い構造を持つ工具が求められています。そこでKTCではハンドツールを構造物ではなく人の手に直接触れるものとして、強度/剛性/軽さ/バランス/手なじみを突き詰めた「人にやさしい最適化された形状」である必要があると定義し、本製品の開発に至りました。

経緯とその成果

工具にとっての最適な形状を突き詰めるため、京都大学大学院工学研究科の西脇眞二教授との共同研究により、「トポロジー最適化」の基本的な理論と解析方法を習得。トポロジー最適化とは設計者の経験に頼らずに、力学的・数学的根拠に基づいて構造物の最適な形態・形状を自動的に求め、剛性を落とさず軽量化可能な構造最適化手法のひとつです。これまでトポロジー最適化を活用し製品化まで進んだ例はほとんど無く、お客様の声に応えた「最適なツール」や軽量化を求める声に応えるためべく、製造部門を社内に持つ強みを活かし開発に挑戦。解析とデザインを繰り返しながら応力が低い部分を除去。それにより生み出されたグリップ形状は工具に求められる理想の形を実現。極限まで削ぎ落とした形状でありながら全体で負荷を分散することで強さと究極の軽さを両立しました。

ネプロスneXT 9.5sq. ラチェットハンドル【NBR390X】 開発秘話座談会<前編>

工具の軽量化がもたらすメリット

工具を使用するシーンには、上向きの作業、腕を上げた姿勢で行う作業などがあります。また大量の工具を抱えて徒歩で移動しなければならない現場などもあり作業時だけでなく運搬時の負担も多いことが課題でした。
軽い工具は作業者の疲労を軽減することで、生産性を高めるとともに安全性も向上させます。また女性や高齢者にも扱いやすくダイバーシティ&インクルージョンの推進にも貢献。材料の使用量が少なくなることで経済効率・環境面にも貢献しています。

RFID工具[nepros ID]

審査員の評価

工具の紛失防止や作業の管理機能が要求される航空機製造などの現場において、これまで後付けにより、操作性を妨げたり、読み取り精度に問題があったRFID工具を、これからの業界の当たり前として、一体的にデザインし作業精度の向上に取り組んだ。360°のRFID精度による安全性、道具そのものの操作性、ラインナップの豊富さや、パッケージやディテールに宿る美しさまでを実現し、道具としての機能美、信頼感を両立した優れたデザインである。

製品概要航空機製造やMROをはじめ様々な業界での安全に対する社会的要求が高まる中で、工具の紛失防止、FOD防止への有効性を高めた、読み取り精度を飛躍的に向上させ探索や識別可能なRFID工具

RFID工具[nepros ID]について

デザインが生まれた背景

航空機産業を中心としたMROをはじめ様々な業界で安全に対する社会的要求が高まり、保守、修理及び点検等管理体制の強化、作業の効率化が求められる中、当社では工具の製造段階で RFIDタグを搭載し、リーダー及びソフトウェアとの連携により個別情報をデジタル化することで、工具の位置を可視化するだけでなく、作業状況の管理と作業履歴の確認等、作業現場の様々な要望に応じた管理体制の構築を目指して製品開発に努めてきました。しかし現在主流の既存工具への RFIDタグの後付けでは、様々な向きに不規則に置かれた工具や重なりあった工具のタグを読み取る事が困難であり、読み取り精度に問題がありました。これに対し360°読み取り可能な RFIDタグを搭載した工具「nepros ID」を開発。読み取り精度を向上させ、工具の探索や識別の性能、耐久性、読取距離、一括スキャンなどの精度が向上し、工具の紛失を防ぎ、FOD防止への有効性を高めました。

経緯とその成果

工具は用途ごとに形状が異なるため、従来の工具の機能を損なわず高感度に読み取りが実現できるよう、それぞれの工具にあったRFタグの形状や搭載方法、搭載位置を検証。また、コストを抑えるためにRFタグの共通化についても併せて検証し、異なる形状であっても配置や工具側の設計において要求される感度が実現されるよう設計しました。

詳細情報

受賞製品の詳細については下記のWebカタログをご覧ください。

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会社概要

京都機械工具株式会社

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URL
https://ktc.jp/
業種
製造業
本社所在地
京都府久世郡久御山町 佐山新開地128番地
電話番号
0774-46-3700
代表者名
田中滋
上場
東証2部
資本金
10億3208万円
設立
1950年08月