X線回折を用いたグラウンドアンカー緊張力の非破壊調査手法の共同開発について
NEXCO西日本(本社:大阪市北区、代表取締役社長:石塚由成)と国立大学法人大阪大学(吹田市山田丘、学長:西尾 章治郎)と積水化学工業株式会社(本社:東京都港区虎ノ門、代表取締役社長:髙下 貞二)は、グラウンドアンカー緊張力の簡易的な非破壊調査手法として、『X線回折を用いた応力推定手法』の技術開発に着手します。
1. 技術開発の目的
グラウンドアンカー(以下、「アンカー」という。)は、斜面や構造物を安定させる抑止工として施工されています。アンカーの緊張力管理は、建設時に一部のアンカーの頭部に荷重計を設置し定期的に計測する方法により行なっています。しかし、荷重計は正常に機能している期間は、容易に計測できる利点がありますが、荷重計の機能が低下してくると交換などが容易ではないため、アンカーの緊張力はリフトオフ試験を実施し計測しているところです。現在、リフトオフ試験は機器が大がかりであり、多大な時間とコストを要することから、効率的に調査する方法として非破壊調査手法の開発に着手します。2. 開発内容
本調査手法は、アンカー緊張力により「支圧板」や「定着具」に生じる応力分布をX線回折を用いた応力推定手法により非破壊で測定し緊張力を評価するものです。
開発にあたっては、大阪大学大学院工学研究科(鎌田敏郎教授、寺澤広基助教)と大阪大学接合科学研究所(堤成一郎准教授)がアンカーの設置されているのり面でのX線による計測結果等を基に、その有効性も含め解析していきます。図-1 本調査手法のイメージ図(左)とX線応力測定装置イメージ(右)
表-1 従来技術と本開発技術との比較
3.今後について
①現地調査
(箇所)山陽自動車道 切土のり面 約5箇所
(時期)平成29年9月~10月頃
(本数)約30本のアンカー
②適用箇所(候補)
・アンカーの健全性の把握に活用(NEXCO西日本のアンカー設置数:約5万本)
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