【2024年下半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】11,957社のクレームを分析、EC・小売や宿泊、通信、美容が上位に

~コロナ禍以前の生活に戻り、対面サービスへの不満が増加傾向~

アラームボックス

AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、11,957社を対象に、2024年下半期にSNS等インターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判の中から悪評・クレームを抽出し「2024年下半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計しましたので発表します。また、業界ごとの悪評・クレームの内容を解析し、頻出単語の集計をしましたので合わせて発表します。

◆悪評・クレームの業種別ランキング

◆調査背景

スマートフォンやSNSの普及に伴い、誰でも手軽に情報の発信や収集が行える時代となりました。消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(※3)」によると、様々な情報収集手段がある中でSNSを情報収集目的で活用している人が84.1%と最も多いことから、多くの人がSNSから情報を得ていることがわかります。このことから、企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切なレピュテーションマネジメントを行い、社会からの評判を維持・向上させる必要があると言えます。

これらを背景として、アラームボックスは、AI与信管理サービス「アラームボックス」の提供を通して得た膨大なネット上の口コミから、インターネット上で悪評・クレームが多い業種やその口コミの傾向を定点調査しています。社会情勢と悪評・クレームの関係性の考察や、クレームに頻出する単語を発表することで、企業がレピュテーションマネジメントに取り組むきっかけとなること、企業活動や与信管理における定性情報の重要性と活用法を啓発していくことを目的として、本調査の実施と発表に至りました。

※3:消費者庁 2022年6月7日「消費者意識基本調査」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/assets/survey_002_220607_0005.pdf

◆主な調査結果(サマリー)

ネット上に存在する口コミ情報などの定性情報を業種別で分析した結果、前回の調査と同様にECを運営する小売業に対して悪評・クレームが多く発生していることがわかりました。また、宿泊業や娯楽業、美容サービスなど、店舗で対面のサービスを提供する業種に対しても悪評・クレームが多く発生していました。悪評・クレームの内容としては、発送の遅さ、接客対応や施設の設備に関するものが多く見られました。

・EC(通販事業)

通販事業を行っている企業へは、発送トラブル、問い合わせ対応の遅さ、購入商品の品質に関するクレームが集中しました。特に、想定した配達日に届かなかったことに対してのクレームが多く見られました。

・小売(店舗販売)

対面・店舗型の小売業では、接客態度や商品知識に関するクレームが多く、購入後のサポートの不備も指摘されていました。特に高価格帯の商品を扱う百貨店や専門店では、接客への期待値が高い来店者からの、スタッフの知識不足や対応の質に対する不満が目立ちました。

・宿泊業 

ホテルや旅館では、部屋の設備の不備や清掃状態に関するクレームが多く発生していました。特に部屋や風呂に対する不満が多く、施設のメンテナンスを求める声が多く発生していました。

・美容サービス

美容クリニックやエステサロンといった美容サービスへのクレームが多い傾向でした。特に、施術の仕上がり、予約の取りづらさ、強引な勧誘に関するクレームが多く発生しています。

・通信

通信業では、回線速度の遅さ、接続の不安定さに対するクレームが多く、加えてオンライン化されたカスタマーサポートの対応に対して、多くの不満が見られました。特に、契約内容の分かりにくさや問い合わせのしづらさに関する指摘が目立ちました。

・娯楽業

パチンコ店、公営ギャンブル、カラオケ、遊園地などの娯楽業では、スタッフの接客態度や説明が足りない点に不満が多く発生していました。また、料金の高さや待ち時間の多さなどコストパフォーマンスに関するクレームも多い傾向がありました。

・鉄道

鉄道業では、頻発する遅延や老朽化した車両・駅設備に対する不満が多く、運行管理やメンテナンスの改善を求める声が目立ちました。また、鉄道業のクレームの特徴として、単なる不満だけでなく、サービス改善を求める声が多くありました。

◆調査結果詳細

1位 無店舗小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:7.71件

主な事業:通販事業

過去の調査に引き続き、通販事業を専門とする無店舗小売業が1位となりました。多くの事業者がネット上で複数のECサイトを運営しており顧客との接点が多いことから、ネット上の悪評・クレームの平均件数が連続して首位となっています。

クレームの内容としては、不良品や配送に関する問い合わせに対して返答が遅いことを不満に思う投稿が多くありました。また、指定日配達に届かないことや、注文後になかなか発送されないことに対してのクレームが多く発生していることから、想定していた日に注文した品が届かないことがクレーム増加の原因となっていることがわかりました。

〈無店舗小売業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみ抽出

2位 各種商品小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.49件

主な事業:百貨店や総合スーパーなど、衣食住にわたる各種商品を一括して販売する小売業など

百貨店や総合スーパーの接客対応に関するクレームが多くなっていました。特に、挨拶が無いことや質問をしても適当に流されたことなど、店員の冷たい対応に不満を持ちクレームを書き込む人が多く見られました。また、昨今はこれらの企業もネットを通じた非対面での販売に力を入れていますが、店舗だけでなく、オンラインや電話での問い合わせ対応に対するクレームも複数ありました。「問い合わせても回答が曖昧」「対応が遅い」「たらい回しにされた」などの指摘が見られました。

〈各種商品小売業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

3位 宿泊業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.35件

主な事業:旅館、ホテル

需要が急速に回復している宿泊業が今回は3位となりました。宿泊業に寄せられたクレームの大半が部屋や設備に関するものであり、部屋の匂いや風呂場の清掃の不十分さにクレームが集中していました。また、壁紙の汚れや空調の不快感など、建物の老朽化が原因と見られる設備不良への指摘も多く、長時間滞在する空間に対して、顧客は定期的なメンテナンスを求めていることがわかりました。

さらに接客に関するクレームも散見され、特にフロント対応への不満が目立ちました。中でも、外国人観光客の対応に時間がかかりすぎているとの指摘があり、コロナ禍明けの急激な訪日観光客の増加に対応が追いついていない状況が、日本人客のクレームに繋がっている状況が見受けられました。

〈宿泊業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

4位 機械器具小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.23件

主な事業: 家電量販店、自動車販売店、PC販売店など

機械器具小売業は、家電量販店や自動車販売店などの接客に関するクレームが多くなっていました。態度の悪さや説明の不十分さなどがクレームに繋がっており、家電量販店や自動車販売店では、顧客とのやり取りが多いため、一部の対応の悪さが全体の評価に影響を与えやすいことが分かりました。

また、PC販売店なども含め、アフターサービスに関する不満が多く見受けられ、修理対応や不良品の交換について誠実な対応をされなかったという口コミが散見されました。本業種では、高額な商品や長期使用する製品を多く扱うため、販売後の対応も顧客満足度に大きく影響していました。

〈機械器具小売業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

5位 通信業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.16件

主な事業: 携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など

主にインターネット回線を提供する企業に、通信速度の遅さや回線の不安定さなどの通信品質に関する不満が多く見受けられました。また、解約手続きの煩雑さが原因で、契約時との差に不満を抱く客も多く、二次クレームに発展するケースも見られました。また、近年は多くの通信事業者がカスタマーサポートをオンライン化していますが、「電話サポートに全く繋がらない」「問い合わせチャットで散々待たされた挙句、問題が解決しなかった」といったオンラインサポートの質に対する不満が多く発生していました。

〈通信業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

6位 医療業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.09件

主な事業:病院、美容クリニック、歯科矯正、医療脱毛など

医療業のクレームは一般病院・診療所と、自由診療である美容系のクリニックでクレームの傾向が異なっていました。特にクレームが多かったのは、美容クリニック・医療脱毛での予約や待ち時間に関するクレームであり、「予約したのに長時間待たされた」「脱毛のコースを契約してお金を払っているのに予約が取れないので通えない」といった口コミが多数発生していました。また、スタッフの強引な勧誘や冷たい態度にも多く不満が集まっており、費用が高額な分、十分な説明や丁寧な接客態度を求める声が多くなっていました。一方、一般病院・診療所に関するクレームは、診療内容や受付に関するクレームが多く「流れ作業のように診療された」「受付が高圧的で、説明も不十分だった」といった口コミが見受けられました。

〈医療業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

7位 娯楽業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.62件

主な事業:パチンコ店、公営ギャンブル、カラオケボックス、興行場、遊園地など

娯楽業は主に、興行や娯楽を提供する施設において、顧客がサービスを受けられる業種ですが、満足できるサービスを受けられなかったことがクレームの原因となっていました。最も多かったクレームはスタッフの対応に関するもので、「態度が横柄」「説明が雑で不親切」といった声が多く見受けられました。さらに、これらの不満を抱えた顧客との間でトラブルが発生し、その際に適切な謝罪や対応が行われなかったため、二次クレームに発展した事例も多く見られました。

また、価格に見合ったサービスが提供されていないといった、コストパフォーマンスに対する不満も多く発生していました。

〈娯楽業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

8位 その他の小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.51件

主な事業: 書店、ホビー販売店、スポーツ用品、化粧品、インテリア用品などの小売店

その他の小売業では、ECと実店舗でクレームの傾向が異なる結果となりました。ECでは「商品・品質」に関するクレームが最多で、不良品や写真と実物の差、返品対応への不満が多く見られました。一方、実店舗ではスタッフの接客態度や商品知識の不足が原因のクレームが多く発生していました。本業種は専門店が多いため、顧客が商品の品質やスタッフの専門知識に高い期待を持っているからか、その期待に応えられないことでクレームに繋がっていました。

〈その他の小売業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

9位:鉄道業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.32件

主な事業:鉄道会社

通勤・通学等で毎日継続して利用している顧客から、電車やバスの頻繁な遅延に対する不満が特に多く寄せられていました。遅延が続くことに対しては、車両メンテナンスや運行管理の改善等、目先の批判ではなく本質的な改善を求める声も目立ちました。また、老朽化した車両や駅設備の更新が進まないことに対する指摘も多く、利便性の向上を求める声が挙がっていました。その他、駅員や乗務員の対応の悪さ、オンラインサービスの利便性の低さに関するクレームも多く発生していました。

〈鉄道業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

10位 洗濯・理容・美容・浴場業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.21件

主な事業:エステ、美容院、クリーニング店など

主にエステや脱毛サロン、美容院に対して、スタッフの対応、施術、予約・スケジュールに関するクレームが多く見られました。スタッフ対応では、接客態度が冷たく説明が十分でない、問い合わせへの対応が適切でないといったクレームが多くなっていました。施術に関しては、脱毛や美容施術の効果を実感できない、痛みや肌トラブルが生じる、ヘアカットの仕上がりが希望と異なるといった不満が見受けられました。予約・スケジュールでは、予約の取りづらさや来店後長時間待たされたことなどがクレームに繋がっていました。特に脱毛サロンでは、突然の廃業により費用を支払ったのに施術を受けられなかったトラブルが発生しており、きちんと施術が受けられるのか不安視する声も見受けられました。

〈洗濯・理容・美容・浴場業の悪評・クレーム頻出単語〉

※名詞のみを抽出

◆考察

今回の調査では、全体的なクレーム数の平均値が上昇しており、ネット上で口コミを投稿することがさらに一般化してきていると考えられます。最もクレームが発生していた無店舗小売業はECサイトを運営していますが、多くのECサイトにはレビュー投稿欄があるため、悪評・クレームが顕在化しやすい傾向があります。

無店舗小売業にとって、問い合わせに対しての迅速な返答や配送日の明確な表記等の対応は、悪評・クレームを減らし自社ECショップの評判を高める上でとても重要です。通信業も同様に、オンラインサポートの対応に多くのクレームが発生していましたが、自社の評判を高めるためには、通信品質の向上だけでなく、解約手続きの透明化やオンラインサポートの質向上といったアフターフォローがとても重要であると言えます。

また、対面型のサービス業におけるクレームの増加も顕著でした。コロナ禍を経て社会が以前の生活様式に戻りつつある一方、失われた雇用や急増するインバウンドへの対応が追いつかず、接客やサービスの品質低下がクレームに繋がるケースが増えています。特に宿泊業や娯楽業では、施設の混雑やスタッフ対応に関する不満が多く見られましたが、現在対面型のサービス業の多くが人手不足の影響を強く受けていると考えられます。今後、悪評・クレームを減らし自社の評判を高めるためには、限られた人手でサービス品質を維持し顧客の期待に応えるための、仕組みづくりやマネジメントの工夫が求められる、難しい時代になることが予想されます。

こういった悪評・クレームは、現状の企業の様子をリアルタイムで把握できるため、自社の改善に活用できます。また、自社のレピュテーションマネジメントの為だけでなく、取引先の経営状況をタイムリーに把握することにも活用できるため、取引先が絡んだ自社への損失リスクを未然に防ぐことが可能となります。今後企業は、これまで以上にインターネット上の悪評・クレームを活用した経営の舵取りが必要になると考えます。

◆調査概要

調査期間:2024年7月1日〜2024年12月31日

対象企業:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、11,957社

対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの

◆アラームボックス株式会社

AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」( https://alarmbox.jp )は、企業や自治体のHPに掲載された情報や、SNSや口コミなどインターネット上で投稿された情報をAI技術で収集・解析し、提供するクラウドサービスです。新規取引時の与信判断、既存取引先の継続的な与信管理、さらに売掛保証までを一括して行うことができます。収集・判断の難しいネット上の情報を、与信への影響度を診断したうえで提供するため、インターネット上の情報を活用した高精度な与信管理を、簡単に、低価格で導入できます。それにより、取引先の情報収集に関わる業務負荷を大幅に削減し、スマートフォンやPCから取引先を登録しておくだけで、迅速にリスクに対応できます。

◆会社概要

代表者:代表取締役社長 武田 浩和          

所在地:東京都新宿区市谷本村町3-22          

設立 :2016年6月                        

資本金:3.36億円

企業サイト: https://alarmbox.co.jp

サービスサイト: https://alarmbox.jp

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区市谷本村町3-22 ナカバビル8F
電話番号
03-6261-0351
代表者名
武田 浩和
上場
未上場
資本金
3億3600万円
設立
2016年06月