FromプラネットVol.149<テレビ視聴に関する意識調査>
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第149号として、テレビ視聴に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- 年代が上がるほど“テレビを複数台保有”
まず基本的なこととして、自宅にテレビがあるかを聞いてみました(図表1)。その結果、「複数台ある」56%、「1台ある」39%と、95%の人がテレビを保有。一方で、「以前はあったが今はない」2.9%、そもそも「持ったことがない」も1.6%と、“テレビを持たない生活”を送っている人も一定数いることがわかりました。
保有状況を年代別にみると、「複数台」は年代が上がるほどに、逆に「1台」は年代が下がるほどに、それぞれ比率が向上しています。これは、若年層にはひとり暮らしが多いなど世代による世帯構成の差が背景にあると考えられます。一方で、「以前はあったが今はない」が50代以下、また「持ったことがない」が40代以下で全体より高くなっていることから、若年層を中心に“テレビを持たない生活”が静かに広がっているようです。
- 視聴はやはり地上波が断トツ、動画配信サービスは“テレビ局以外”が優勢
テレビ局の動画配信サービスは、無料サービスでは「毎日」「時々」計で18%ですが、有料サービスでは5%に。TVerなど無料見逃し配信サービスは利用しても、“お金を払ってまでは…”という人が多いのかもしれません。NHKに続き民放も同時配信を開始する予定であることから、今後テレビ番組のネット視聴が浸透するか、注目されるところです。
テレビ局以外の動画配信サービスでは、無料配信(YouTubeなど)は20%、有料配信(NetflixやHuluなど)は6%の人が「毎日見る」と回答。特に無料配信は「時々見る」と合わせると52%にのぼり、浸透が進んでいることがわかります。
- 動画視聴が習慣化した若年層、テレビ非保有者は無料配信を好む!?
対してテレビ局以外の動画配信サービスでは、無料配信を「毎日見る」人は20代男性の48%を筆頭に40代以下の男性および20代女性で全体値を大きく超過。有料サービスも30代以下男性と20代女性で「毎日見る」人が1割超に。若年層では動画配信視聴が習慣化されている人が多いようです。
テレビを保有していない人の視聴状況をみると、テレビ局の無料動画配信の視聴状況は全体よりも低いことから、そもそもテレビのコンテンツにはあまり関心がない、と言えそうです。一方で、テレビ局以外の無料配信は「毎日見る」とした人は特にスマホ保有者で高い結果に。有料配信サービスの視聴状況は全体と同程度にとどまりました。
- 意外にもテレビの視聴時間は増加、動画視聴も着実に浸透
その結果、テレビ視聴については55%が「変わらない」とした一方で、3割の人が「増えた」と回答。“テレビ離れ”と言われますが、テレビにはニュースの速報性や情報の網羅性といった強みもあります。こうしたことからも、テレビ視聴のニーズは根強いといえそうです。また動画配信は、「大幅に増えた」「1年前は見なかったが見るようになった」がテレビよりそれぞれ1%、0.7%上回り、この1年間で着実に浸透が進んだことがうかがわれます。
対して、視聴時間が「減った」とする人の比率はテレビ、動画配信ともに7%程度で拮抗。また、「1年前から全く見ていない」とした人はテレビ5%、動画配信28%に。年齢別でみると(図表非掲示)、70代以上の約4割が動画配信を「全く見ていない」と回答していることから、同サービスのさらなる普及には高齢者層の取り込みがひとつのカギになりそうです。
- テレビは朝の時計代わり? 日中の空き時間や移動中は動画視聴が優勢
「起床前」から「起床後」、「外出前の身支度時」といった朝の時間帯はいずれも、動画配信よりテレビを視聴する人が多い結果に。「このコーナーが始まったら、そろそろ家を出る時間」というように、時計代わりにテレビをつけている人も少なくないでしょう。
日中は「家事をしながら」のように在宅時はテレビが優勢ですが、「電車・バスでの移動中」といった外出時や「空き時間」の時間つぶしでは、スマホなどで動画配信サービスを見る人が多いようです。やはり機動力の点では、スマホなどで視聴できる動画配信に軍配が上がることに。
帰宅後の夜の時間帯では、「夕食後」まではテレビが優勢ですが、「就寝前」では差が縮まり、「就寝のために布団に入りながら」では動画配信が逆転。年代別では(図表非掲示)、30代以下で4分の1以上の人が「布団に入りながら」動画を楽しんでいました。
意外だったのが「食事中」。テレビが61%に対して動画配信12%と、予想外に大きな差が開きました。
- 若者は「バラエティ」と「アニメ」、中高年は「ドラマ」と「情報番組」を好む!?
「アニメ、特撮」は全体では24%ですが、40代以下では男女とも3割以上と高率に。特に男性では、20代で50%と2位につけているほか、30代でも41%と高くなっています。ひと昔前までは“アニメは子どもが見るもの”という認識が一般的でしたが、いまや大人も好んで視聴するコンテンツになっていることがうかがわれます。
- 選択肢が増えすぎるのも問題…!?
● PCを新調したことを契機に、一気にネット配信動画の視聴が増えて、めったにテレビを見なくなった。テレビはネット配信望み薄なコンテンツがあるときのみ録画して、後で見る程度。(男性・50代) ● スマホで動画配信サービスを利用することが多くなった。だけどテレビがついていないと落ちつかないので、なんとなくつけている。(男性・30代) ● コロナ禍でネット配信を利用する知り合いが増えているので、おすすめなどを共有して楽しい。(女性・30代) ● ネット配信ならではの映画が見られること、コロナ禍で自宅で過ごすことが多く、気分転換のためにネット配信を利用することが増えた。(女性・50代) 【やっぱりテレビ】 ● 政治や経済などに関心があるが、テレビの方が信頼性が高い。夜の報道番組で1日のニュースを確認できることがとてもよい。テレビの方が自分の興味や関心の有無に関わらず、幅広い情報が得られる。(男性・50代) ● 最近、地上波がつまらないとか巷間伝わっていますが、災害や速報的な話題は地上波がいいです。(男性・50代) ● 前まではネットニュースを見ていたが、テレビの方が分かりやすく最新だから、テレビで毎日チェックするようにした。(女性・20代) ● 「何時にどの番組が始まるから、それまでに〇〇を終わらせて席に着く」という感じで行動にメリハリをつけるのにテレビを使うことがある。この使い方はテレビにしかできないなあと思う。(女性・40代) ● テレビは大体1日中つけっぱなし。朝から晩まで何らかの番組を見るとはなしに見ています。(男性・70代以上) 【視聴行動にも変化】 ● テレビはパソコンやタブレットの操作しているときの暇つぶしで見ている。BGMに近い。定期的に見ている好きな番組以外は、テレビはつけっぱなしで適当にチラチラ見ているだけです。(男性・50代) ● テレビのドラマやアニメは、リアルタイムでは見ずに見逃し配信やサブスク配信サービスで見るようになった。ニュースはネットのテキストのみで見ている。(男性・50代) ● HDD録画が出てきた時のように、時間シフトで視聴できることに加えて、場所も自由になった。テレビという概念がなくなってきた。 (男性・50代) ● 多種多様な番組が全て認識できないほど大量に放送されていて、さらに多種多様な視聴方法があるので混乱しています。自分に合った番組や視聴方法をAIにお任せしたい気持ちです。(女性・20代) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「テレビ視聴」に関する意識調査を実施。
期間:2020年12月16日~18日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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