世田谷区医師会・玉川医師会とファストドクター、在宅医療の24時間体制強化に向けて連携開始
ファストドクター株式会社(本社:東京都渋谷区、代表者:菊池亮・水野敬志)と、一般社団法人 世田谷区医師会(会長:窪田 美幸)および一般社団法人 玉川医師会(会長:池上 晴彦)は、2024年3月25日から、在宅医療の24時間体制強化に向けて連携を開始します。
本取り組みは東京都が主導する「在宅医療推進強化事業」の一貫として、2040年に迫る高齢化ピークに備え、地域医師会と事業者が協力して24時間体制の強化を図るものです。ファストドクターは本事業を各地区医師会と推進し、世田谷区・玉川医師会との連携は3例目となります。
東京都 「在宅医療推進強化事業(24 時間診療体制推進)」について
東京都は、住民が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、在宅医療と介護の一体的な提供を推進しています。2023年から開始した「在宅医療推進強化事業」では、特に在宅医の負担が懸念される「24時間体制の構築・強化」に注力し、夜間や休日に往診を行う医療機関との連携や、デジタル技術の利活用が推奨されています。
[支援対象の取り組み例]
・夜間緊急時対応を行う往診対応医療機関の活用
・夜間帯に医師や訪問看護師等との連絡調整を担う窓口の設置・運営
・オンライン診療等デジタル技術を活用した仕組みやルール整備 等
本事業は東京都の主導のもと、各地域の特性や課題に応じた地区医師会の自主的な取り組みが推奨されています。
詳細:https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisaku/suishin-iinkai/04suishin2.files/10-5-1.pdf
世田谷区医師会・玉川医師会とファストドクターの連携について
世田谷区においては「世田谷区医師会」と「玉川医師会」の2医師会が連携し、地域医療の発展を支えています。両医師会は、コロナ禍でファストドクターが医師会と連携して地域医療を強化した実績を高く評価し、本事業においてもパートナーとして各地区医師会が運営する「医師会診療所」の夜間休日の在宅医療運営を委託することといたしました。
医師会診療所では、夜間や休日に緊急往診の必要がある在宅患者や施設担当者・医療機関からの連絡に対応しています。ファストドクターはこれらのファーストコールから緊急往診、看取り、報告までの一連のプロセスを支援します。医師会診療所は、地域住民に24時間体制の医療サービスを提供し、在宅医療においても、会員医療機関が対応できない場合に代診を調整するなど重要な役割を担います。しかし24時間体制の要となる夜間休日の輪番調整は課題であり、そこで両医師会はファストドクターとの協力により、地域医療の負担を軽減し、24時間体制を強化することを採択しました。
[医師会診療所が支援するケース]
・日中の外来診療も含め、医師一人で24時間の往診対応が必要
・在宅支援診療所の要件を満たしていないが、夜間や休日に緊急往診に対応している
・医師が不在、体調不良などの理由で夜間休日に対応できない
ファストドクターは複数の地区医師会から採択され、広範な地域で本事業を推進しています。世田谷区・玉川両医師会との取り組みの特徴としては、医療機関だけではなく患者や施設担当者といった多方面からの往診依頼をファーストコールから一貫して引き受けることで、地域医療の枠組みをより強く支援します。
【各地区医師会との連携概要】
世田谷・玉川医師会 |
医師会診療所を起点として、各医療機関・施設担当者からの往診依頼をファストドクターがファーストコールから引き受け、将来的にオンライン診療の提供支援も視野に入れる |
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江東区医師会 |
地域に既存する主・副主治医連携を強化する立場としてファストドクターが参画ファストドクターが独自開発する「クリニックポータル」を活用 |
今後の展望
将来的には、世田谷区・玉川医師会の医師会診療所の夜間休日運営の一部をファストドクターが担うことが予定されています※。この連携を通じて、地域医師会とともに世田谷区全域で医療連携の取組に積極的に関わることで、より深く地域医療に貢献してまいります。以下に計画例を示します。
・診療時間外の応需状況を可視化し、地域の医療計画へ活用
・両医師会診療所による夜間休日のオンライン診療の提供支援
各者コメント
世田谷区医師会 副会長 太田雅也先生
現在、かかりつけ医機能・制度について議論されており、かかりつけ医には[1]外来医療の提供(幅広いプライマリケア等)、[2]休日夜間の対応、[3]入退院時の支援、[4]在宅医療の提供、[5]介護サービス等との連携が求められるようになってきています。
一方、一般かかりつけ医による夜間休日の対応や在宅医療への対応については、24時間管理の問題もあり大きな課題となっています。これまで個々の医療機関が自主的に連携して対応する取り組みも行われてきましたが、地域包括ケアシステムの観点から考えると地域単位で24時間医療提供体制の構築を考える必要があります。
世田谷区医師会でも24 時間サポート体制のためネットワーク作りについて長年議論がなされてきましたが、[・事務局機能・情報管理体制・24時間医療支援体制(特に夜間・休日)・医師の確保]等の課題があり構築に至っておりませんでした。
今後、増え続けると予想される在宅医療、高齢者医療・救急医療について、地域でどのように支えていくのか考えた場合、コロナ禍で医師会、行政・保健所等が学ぶべきことは大変多かったと思います。世田谷区ではコロナ禍、行政・保健所と地区医師会が密に連携し互いの課題を共有・補完したうえで、在宅医療において課題であった[・事務局機能・情報管理体制・24時間医療支援体制(特に夜間・休日)・医師の確保]等を世田谷区保健所が医師会と連携のもとで統括、機能の一部を世田谷区が外部委託など行うことで、短期間のうちに自宅療養者への支援体制構築が行われました。
今回、世田谷区医師会・玉川医師会ではコロナ禍で構築された世田谷区の24時間医療支援体制を終了するのではなく、一般医療へ転用するための取り組みを行うこととなりました。主に訪問・定期往診患者を対象に日中は医師会協力医療機関、夜間休日の診療支援をファーストドクター及びファーストドクター連携医療機関に協力いただきながら両医師会による24時間診療サポート体制を開始いたします。今回の取り組みが、世田谷区の地域包括ケアシステムにおける在宅医療の推進と共にかかりつけ医及び救急医療の負担軽減につながるよう目指していきたいと思います。
玉川医師会 副会長 菅澤 正明 先生
現在世田谷区を取り巻く医療体制は決して盤石とはいえません。東京都の地域医療構想ガイドラインでも入院医療だけではなく在宅医療を更に充実させ、地域で医療を完結するよう謳っています。
このコロナ禍で玉川医師会、世田谷区医師会は日中の緊急往診業務は在宅医療の先生方にご尽力いただき、切れ目のない医療を行ってまいりました。しかしながら夜間はどうしてもマンパワーの不足は否めません。そこで今回両医師会はファストドクターと連携し、夜間の往診診療体制の充実を図るよう協議をしてまいりました。
今後の新興感染症や夜間帯の急な体調不良の際にすぐに診察、治療の行える体制を構築し、区民の方々の安心に寄与できればと考えております。
ファストドクター株式会社 代表取締役・医師 菊池 亮
我が国の高齢化が進む中、在宅医療への需要が急速に拡大しております。これに伴い、全国のかかりつけ医においては、24時間体制の在宅医療がますます求められています。一方で、2017年の日本医師会の調査によれば、73.5%の医師が「24時間の往診体制が負担である」と回答しており、特に一人開業医や高齢化が進む中で、かかりつけ医の負担軽減と同時に、在宅医療の24時間体制の構築が喫緊の課題となっています。
こうした背景から、当社ファストドクターは、在宅医療を担う医療機関が安定的かつ効果的に24時間体制を維持できるよう、夜間や休日といった負担の大きい時間帯において、往診や看取り代行といったサービスを提供いたします。当社は、在宅医療のニーズに応えつつ、かかりつけ医にとっても負担が軽減される新しい医療のスタンダードを確立するべく、積極的にサービスの拡充と提供エリアの拡大に取り組んでまいります。ファストドクターは、医療の発展と患者さんの幸福を共に考え、地域社会と協力し、持続可能な医療提供を目指してまいります。
ファストドクターは医療提供体制の確保が必要とされる「5疾病6事業および在宅医療」に対応するサービスをプラットフォーム内に拡充し、医療アクセスが困難となる夜間・休日対応を基軸として急性期から慢性期まで幅広く支援しています。2021年には「在宅医療支援サービス」を開始し、24時間体制の構築に必要な医療リソースや機能を備え、医療機関と夜間休日と日中平日の分業・連携体制を築くことで、在宅医療体制の強化と持続可能性の実現に貢献できると考えています。ファストドクターは今後もプラットフォームを通じて、ビジョン「1億人のかかりつけ機能を担う」、ミッション「生活者の不安と、医療者の負担をなくす」の実現を目指してまいります。
※医師による医療相談を含む医療行為は、ファストドクターが提携する医療機関所属の医師によって行われ、 ファストドクターが医療行為を行うものではありません
【ファストドクターの在宅医療支援について】
ファストドクターは「生活者の不安と、医療者の負担をなくす」というミッションのもと、在宅医療の24時間体制を支えるパートナーとして医療機関のニーズに合わせた支援を提供しています。在宅医療の24時間体制を構築する上で必要な夜間・休日のオンコール・救急往診・看取り等の「対応」や、医師・ドライバーなどの「リソース」、労務管理や給与計算などの「機能」を医療機関の要望に合わせてカスタマイズし、在宅医療機関の負担軽減と経営支援を行っています。また、在宅医だけではなく、看護師や医療事務スタッフなどの負担も軽減できるよう診療連携やカルテ共有をワンクリックで可能にするシステムを開発し、医療連携をスムーズかつ効率的に運用。現在、高齢化が進む都市部を中心に10都道府県で350の医療機関と連携し、約80,000名の在宅患者への24時間の医療提供体制に貢献しています。参考:https://www.fastdoctor.co.jp/service/oncall
【ファストドクター株式会社について】
日本最大級のプライマリ・ケアプラットフォーム「ファストドクター」を運営するヘルステック企業。豊富な医師リソースを有し、救急往診・オンライン診療、在宅医療支援、自治体支援などのサービスを通じて、患者はもちろん、医療・介護施設、自治体、公的研究機関、製薬や保険業界まで、広範なステークホルダーに価値を提供する。経済産業省による政府公認のスタートアップ企業支援プログラム「J-Startup」の選出企業として、革新的なアプローチで、地域医療の向上と新たな医療インフラの構築を目指す。
所在地:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目20-3
設立:2016年8月
代表者:菊池 亮(医師)・水野 敬志
URL:https://www.fastdoctor.co.jp/
【本件に関するお問合せ】
ファストドクター株式会社 広報 田島めぐみ
E-mail:pr@fastdoctor.jp Tel: 090-7843-9782
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