インドのスマートフォン出荷量、2021年第1四半期に記録的数字を見せるも、今後はCOVID-19流行の新たな波が消費者心理を冷やすことに

インド市場で、Xiaomiは26%の出荷シェアで21年第1四半期市場をリードし、スマートフォントップ10機種のうち5機種を占めた。Samsungは前年同期比52%でトップ5社の中で最も成長した。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドにおけるスマートフォン出荷量は2021年第1四半期に前年同期比23%伸び、3,800万台に達し、第1四半期の出荷台数として過去最高を記録したという調査結果を含むMarket Monitorサービスによる最新調査を発表致しました。
新製品の投入、販売プロモーション、支払いを簡単なものにする各種施策、それに2020年中に積みあがった需要が2021年第1四半期の市場を牽引しました。

市場の動向についてカウンターポイント社シニアリサーチアナリストのPrachir Singh氏は次の通りコメントしています。
「絶好調を維持したまま、インドのスマートフォン市場は三期連続での過去最高出荷を、2021年第1四半期に記録した。積みあがった需要にうまく乗った形である。同国でワクチン接種が始まり、消費者心理が上向いたことも後押しした。とはいえ、この記録的な数字に楽観は許されない。COVID-19の第二波が前回を超える猛威を奮っており、次の四半期以降に影響を及ぼす可能性が高い。現在のCOVID-19の流行と、その影響によって開始したロックダウンが需要に影響を及ぼすだろう。」

市場での競合状況と各社の事業戦略について、カウンターポイント社リサーチアナリストのShilpi Jain氏は次の通りコメントしています。
「3月までの四半期では、中国企業が75%のシェアとなった。Xiaomiが市場の首位で26%のシェアを獲得し、これをSamsung、vivo、realme、OPPOの順で追っている。Xiaomiは、最近新しいEMSパートナーを得て、製造能力を増強させ、これが今四半期の出荷台数に繋がった。主要各社は、需要を喚起すべく、新機種の発売に注力している。Samsungはこの四半期も多数の新機種を出し続けた。Galaxy Mシリーズ、Galaxy Fシリーズ、そしてGalaxy S21シリーズである。他の各社も、realmeは8シリーズを、OnePlusは9シリーズを、またXiaomiは好調な立ち上がりをみせたRedmi Note 10シリーズを、それぞれ発売した。各社は、販売プロモーションや料金支払いプランの充実にも力を入れており、この方面からも需要を増やそうとしている。」

図1: インドのスマートフォン市場シェア 2021年第1四半期


インドの携帯端末全体の市場は、スマートフォンとフィーチャーフォンが両方とも好調で、2021年第1四半期に前年同期比で19%成長しました。フィーチャーフォン市場は、JioPhoneが新機種発売とその後のプロモーションで出荷が伸びたことを受け、前年同期比14%の成長となりましたが、それでも尚、itelがフィーチャーフォン市場の首位を守り、2021年第1四半期は21%のシェアとなりました。

図2: インドの携帯端末(スマートフォンとフィーチャーフォン)市場シェア2021年第1四半期


市場サマリー:
  • Xiaomiがインドのスマートフォン市場首位の地位を守った。Redmi 9シリーズが好調で、2021年第1四半期は前年同期比4%の成長となった。Redmi 9Aが、この四半期のベストセラー機種であった。同社は中位セグメントの上層(20,000〜30,000インドルピー・日本円換算で約3〜4.5万円)に、ほぼ1.5年ぶりに再参入した。このセグメント向けの最新の5G機種であるMi 10i 5Gが好調だった。また、最近発売されたRedmi Note 10シリーズも消費者の受けが良く、これらの機種は、OLED(有機EL)ディスプレイ、デザイン、カメラ機能(108MPixel)を重視している。強い需要に応えるため、同社はBYD、DBGなどのEMSと提携し製造拠点を拡充した。
  • Samsungはインドのスマートフォン市場で第2位を維持した。新しいM02シリーズや他の機種の投入で低価格帯に集中し、前年同期比52%の成長を遂げた。また、同社はAシリーズにはA32、A52、A72を、MシリーズにはM12を投入し、両シリーズを刷新した。フラグシップ機種であるGalaxy S21も通常の新機種投入サイクルよりも早く発売した。2020年にオンラインチャネルを積極的に開拓した同社であるが、今やオフラインチャネルのシェアも伸ばそうとしており、オンライン販売専用モデルだったFシリーズをオフラインチャネルでも扱い始め、新機種は両方のチャネルで販売されている。Samsung自身のポータルサイトは、Galaxy S21などのフラグシップ機種のおかげで極めて好調で、Samsungの販路の中での貢献度合いが増している。
  • vivoは前年同期比16%の成長で、2021年第1四半期の第3位を確保した。COVID-19の状況が改善するにつれてオフラインチャネルが回復したことに起因する。vivoは、オフラインセグメントでの首位を維持している。同社は、先進のカメラ機能を搭載した最新のフラグシップ機種X60シリーズを発売した。発売当初の消費者の反応は根強い人気を示しており、前身機種X50の勢いを引き継いだ形である。Xシリーズによって高級機セグメントでのvivoのブランドイメージがポジティブとなった。
  • realmeは2020年第1四半期に前年同期比4%減となったものの、市場の第4位を維持することができた。realmeは、新たに投入したNarzoシリーズやrealme Xシリーズにより、5Gスマートフォンの価格帯を下げている。Narzo 30 Pro 5Gはこの四半期にインドで販売された最も安価な5Gスマートフォンである。また、同社はオフラインチャネルにも販路を拡大しつつある。
  • OPPOは前年同期比12%成長し、2021年第1四半期のシェアは11%となった。同社は、初の5G機種となるOPPO Reno 5 Pro 5Gを2021年第1四半期に発売した。この機種は5Gスマートフォンの出荷シェアの3%を獲得した。同社はさらに、Fシリーズを刷新し、F19シリーズとF19 Pro Plusの発売により5Gの中位セグメントの上層価格帯に参入した。F19シリーズに対する消費者の反応は好意的である。
  • POCOは目下最速で成長中であり、低価格機種への強い需要のおかげで前年同期比558%成長した。同社は商品ラインナップを低価格セグメントでM3、そして、中位価格セグメントでX3 Proを刷新した。
  • Transsion グループ(itel、Infinix、TECNO)は前年同期比81%成長し、各社合わせて7%のシェアを確保した結果、インドの携帯端末全体の市場シェアにおいて第2位となった。itelは、A48とA32が好調で、6,000インドルピー(約9,000円)未満のセグメントでは第1位である。TECNOがインド市場に参入以降のスマートフォン累計出荷台数は、1,000万台となった。
  • Appleの勢いは止まらず、2020年第4四半期の勢いのまま、2021年第1四半期は前年同期比207%の成長をみせた。高級機セグメント(30,000インドルピー・日本円換算約4.5万円超)ではほぼ48%のシェアで首位である。iPhone 11の強い需要とiPhone SE 2020の積極的なキャンペーン、それに「Make in India」(企業がインド国内で製造することを奨励し支援する政府の施策)への対応強化が成長の要因となった。同社は、100万台を超える出荷を初めて2四半期連続で達成した。
  • OnePlusは2021年第1四半期に前年同期比300%を超える成長をみせた。OnePlus NordとOnePlus 8Tの出荷が好調で、5Gスマートフォンに関しては、OnePlusが2021年第1四半期のトップとなった。同社は、最近、Hasselbladと共同開発した新しいカメラを搭載したOnePlus 9シリーズを発売した。この四半期を通じてOnePlus Nordは5Gのベストセラー機種となった。

全ての調査結果を含むQ1 2021 Market Monitorは購読者の皆様にご提供中です。最新調査や分析に関するご連絡はpress(at)counterpointresarch.comまでお問い合わせください。

Market Monitor の調査は、各社のIR情報やインタビューに基づく出荷台数の推定、販売チャネル側からの裏付け、流通過程のチェック、その他二次的調査に基づいています。

カウンターポイント社のData Section(四半期ごとに更新)では、スマートフォン市場のシェアを、全世界、米国、中国、インドに関してのおまとめした情報をご覧頂くことが可能です。
・データセクション
https://www.counterpointresearch.com/data/
・スマートフォン市場シェア – 全世界
https://www.counterpointresearch.com/global-smartphone-share/
・スマートフォン市場シェア – 米国
https://www.counterpointresearch.com/us-market-smartphone-share/
・スマートフォン市場シェア – 中国
https://www.counterpointresearch.com/china-smartphone-share/
・スマートフォン市場シェア – インド
https://www.counterpointresearch.com/india-smartphone-share/

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月