中学生151名が挑戦した「介護の未来」づくり ニチイ学館「MY CARE ACTION」教育プロジェクト第1弾 ケアを自分ごと化する”探究型授業”を実施

株式会社ニチイ学館

 医療・介護・保育サービスなどを全国で提供する株式会社ニチイ学館(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:中川創太、以下「当社」)は、探究型学習プログラム「かけテク」と“ケアについて考える”プログラムを融合した新たな授業「かけテク for CARE」を実施しました。本授業は、当社が推進する社会プロジェクト『MY CARE ACTION』の教育支援活動の一環として、東京都中野区の新渡戸文化中学校に通う1〜3年生151名を対象に、2025年10月22日(水)および25日(土)の2日間にわたって行いました。当日の様子を収めた動画を本日公開します。

動画URL:3分フルバージョン[https://youtu.be/1lzyfG06PTA

     1分ダイジェストバージョン[https://youtu.be/2OG_7DXXPEw

■少子高齢化社会における「ケア・介護の理解」の新しいかたち

 日本では少子高齢化の進行により、「介護の担い手不足」は経済・社会の両面で喫緊の課題となっています。こうした中、当社は今年6月より、すべての人がケアに向き合う社会を実現することを目的に、「就労支援」「研修」「教育」の3本柱で展開する社会プロジェクト『MY CARE ACTION』を始動しました。今回は教育分野の第一弾として、探究学習プログラム「かけテク for CARE」を東京都中野区の新渡戸文化中学校にて実施しました。

■子どもたちが自ら社会の「困りごと」を発見し、介護やケアをテーマに豊かな発想力で解決策を考える

 今回の授業では、「社会課題を解決するアイデア発想法」としてTBWA HAKUHODOが開発した教育メソッド「かけテク」をベースに、ニチイ学館と共同で“ケアをテーマにしたオリジナル版”を開発。生徒たちは、「2つの社会課題を掛け合わせて新たな解決策を生み出す」という発想法を学びながら、介護やケアの現実を自らの視点で捉えました。授業の冒頭では、かけテクを開発したTBWA HAKUHODO鈴木氏より、アイデアの作り方について特別講義を実施。その後介護やケアの現場で実際にどのような困りごとが起きているのかを理解した上で、発想ワークに臨みました。各チームは、テクノロジー・地域連携・職場環境・世代間交流などの視点からケアをめぐる課題を考察し、全40案の“ケア・イノベーション”を発表。生徒たちの自由な発想から、介護を特別なものではなく「自分たちが関わる社会のテーマ」として捉える新しい視点が次々と生まれました。

■授業の流れ「介護のリアル」から「自分ごとの発想」へ

 10月22日(水)および25日(土)の2日間、新渡戸文化中学校の学生151名が参加する探究型プログラムを実施しました。生徒たちは、“社会課題をかけ合わせて新しい解決策を生み出す”という発想法を学びながら、介護をテーマに課題の発見からアイデア創出、そして発表までのプロセスを体験しました。

・INTRODUCTION(プログラム紹介)

 授業の冒頭では、ファシリテーターより「アイデアとは何か」をテーマに講義が行われました。生徒たちは、アイデアは「身近な困りごとを観察し、解決策を考え抜くこと」であるという、かけテクの基本を学びました。講師の鈴木氏からは、“忙しくて掃除機をかける時間がない→ロボット掃除機”などの例を通じ、発想が生活課題から生まれることを紹介。 

 さらに、身近なものを掛け合わせて新しい発想を生む「かけテク」を体験し、創造の基本を楽しく学びました。終盤には、ヤングケアラー協会 代表理事・高垣内文也氏が登壇し、「介護は特別な人のものではなく、誰もが関わる身近なテーマ」と語りました。生徒たちは、ケアが社会の中でどれほど身近な存在であるかを実感する時間となりました。

・ISSUE HUNTING(課題発見)

 この時間では、チームごとに「ケアにまつわる困った」と「地域社会の困った」を整理するワークを実施しました。生徒たちはまず、「高齢者」「障がい者」「ケアラー」「ヤングケアラー」「ケアワーカー」の5つのケア関連カードをもとに、それぞれの立場にある人々の悩みを学びました。「一人暮らしの高齢者が通院に苦労している」「障がいのある人が交通を利用しづらい」「ヤングケアラーが勉強時間を確保できない」など、社会にある“ケアの困りごと”を実感しました。

 続いて、これらの課題と地域社会の課題を掛け合わせるディスカッションを行い、「教育」「環境」「まちづくり」などSDGsの視点から、身近な問題を掘り下げました。「町工場の高齢化による技術継承の難しさ」など、実際の地域課題も共有され、生徒たちは“ケア×地域”の視点で新しいアイデアの種を見つけ出しました。また、自分自身の“日常の困った”も持ち寄り、「自分の困った」と「誰かの困った」を結びつけて考えることで、課題を“自分ごと”として捉える姿勢を養いました。

・IDEATION(アイデアを発想)

 課題発見で整理した「ケア」と「地域課題」を掛け合わせ、新たな解決策=“ケアイノベーション”を創出するディスカッションを行いました。片方は5つのケアテーマや生徒自身が考えたケアに関わる困りごと、もう一方は教育・環境・まちづくり・災害などの社会課題。異なるテーマを組み合わせることで、思いもよらない発想が次々と生まれました。たとえば、

障がいを持つ人の課題:「長時間座っていられず、映画館で映画を楽しみにくい」

空き家オーナーの課題:「住み手がいないため、空き家が劣化してしまう」

この課題を掛け合わせたかいけつアイデア「空き家theater」

空き家をバリアフリー化し、誰もが快適に映画を楽しめる地域型シアターとして活用。

 このように、生徒たちは社会課題を俯瞰し、立場を越えて支え合う社会のあり方を自由な発想で表現しました。

・PRESENTATION(アイデアの磨き上げ)

 最終時間では、発表に向けてアイデアを「つたえるシート」にまとめ、具体的なフロー設計とビジュアル化に取り組みました。生徒たちはチームごとに、「誰の困りごとを」「どんなステップで」「どう解決するのか」を整理し、絵や図を交えて表現。実際の利用シーンや関わる人々の動きを想定しながら、発想を“形”にする作業を進めました。

 教室の壁には各チームのシートが掲示され、互いのアイデアを見比べながら意見を交わす姿が見られました。「アイデアを社会に伝える力」「発想を他者と共有する難しさと楽しさ」を体感する時間となり、プレゼンテーション前の完成度を高める貴重なセッションとなりました。

■保護者の前で発表するプレゼン大会開催

 10月25日(土)には、保護者や受験生を招いた公開授業として、発想したアイデアのプレゼンテーションを実施しました。151名の生徒がチームに分かれ、10月22日(水)の授業で考案したアイデアを発表。「若手社員の悩みを聞く高齢者カウンセラー」や「商店街の空きスペースを活用した高齢者のワークスペース」「若手ケアワーカーによる高齢者向けSNSスクール」など、多彩なアイデアが生まれました。

 今回の取り組みを通じて、介護やケアを「特別なもの」ではなく「自分の身近な課題」として捉えるきっかけを、次世代の子どもたちと共有できたことは大きな成果となりました。生徒たちからは、「身近にあるケアの困りごとを気にするようになった」「考えたアイデアを実際に形にしてみたい」といった声が寄せられ、介護のテーマが次世代の創造力を刺激する分野へと広がりつつあります。これまで教育現場では、ヤングケアラーをはじめとする“ケアと学び・仕事の両立”の課題が十分に議論される機会が限られていましたが、今回の探究型授業を通じて、若年層から課題を発見し、解決策を考える意義を具体的に示すことができました。

 新渡戸文化中学校の酒井先生からは「生徒たちが協力しながら楽しそうに取り組んでいたのが印象的だった」「ケアに関する社会課題を身近に感じてもらう良い機会となった」というコメントがありました。

 今後は、ニチイ学館が中心となり、生徒たちが発表したアイデアの一部を実際の施設や地域で検証し、教育・福祉・労働の領域を横断した「社会実装モデルの確立」を目指してまいります。

■『MY CARE ACTION』の目的

 当社が推進する『MY CARE ACTION』は、すべての人がケアに向き合う社会の実現を目指すプロジェクトです。本プロジェクトの全体企画・開発にあたっては、企業のブランド活動などを支援する株式会社パラドックス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:鈴木 猛之)と協働し、就労・研修・教育の三つのアプローチを通じて、社会全体のケアへの理解を育むことを目指します。

 超高齢社会と家族構造の変化により、「ケア」は特定の人だけの課題ではなく、誰もが「ケアする側/ケアされる側」になる可能性があり、全世代が向き合うべきテーマとなっています。社会課題として注目されるヤングケアラー・若者ケアラーといった、ケアと仕事の両立に葛藤している方々への社会参画機会の創出や、職場で働く人々、若年層に対しての「ケア」に対する意識向上の機会をつくっていくことで、社会全体として支える仕組みを整え、誰もが「わたしもできるケアがある」と思える社会を目指してまいります。

【URL】

■『MY CARE ACTION』特設サイト

https://nichii-mycareaction.jp

■『いばしょに就こうPROJECT』特設サイト

https://ibasho.nichii-mycareaction.jp

X公式アカウント

https://x.com/Nichii_MCA

■動画URL:

3分フルバージョン[https://youtu.be/1lzyfG06PTA

1分ダイジェストバージョン[https://youtu.be/2OG_7DXXPEw

【会社概要】

■    株式会社ニチイ学館

設立:1973年8月

所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ

代表者:代表取締役社長 社長執行役員 中川 創太

事業内容:医療関連事業、介護事業、保育事業、ヘルスケア事業

 公式HP:https://www.nichiigakkan.co.jp/

■    株式会社パラドックス

設立:2001年8月

所在地:東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー13F

代表者:代表取締役 鈴木猛之

事業内容:・企業のDNAを踏まえたコーポレートブランディング

              ・理念浸透・周年企画等のインナーブランディング)

・事業ビジョンやコンセプト、戦略の構築等のカスタマーブランディング

・採用コンセプトの構築・戦略構築等の採用ブランディング

・グラフィック、Web、映像領域等の各種制作

公式HP:https://prdx.co.jp/

■    一般社団法人ヤングケアラー協会

設立:2021年11月

所在地:東京都品川区旗の台2丁目9-32 ベルビューヒル101号室

代表者: 宮崎成悟

事業内容:LINE相談窓口、相談事業、ヤングケアラーコーディネーター、イベント、研修・講演会、オンラインコミュニティ運営

公式HP:https://youngcarerjapan.com/

■    株式会社ENCHORD 

設立:2024年10月

所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー

代表者:高垣内 文也

事業内容:介護と仕事の両立支援、ケアラー支援、コンサルティング

公式HP:https://enchord.co.jp/home

■    株式会社 TBWA HAKUHODO

設立:2006年8月

所在地:東京都港区芝浦1-13-10 第3東運ビル

代表者:代表取締役社長兼CEO 内田 渉

事業内容:総合広告事業全般

公式HP:https://www.tbwahakuhodo.co.jp/

■    学校法人新渡戸文化学園(授業企画協力)

創立:1927年10月

所在地:東京都中野区本町6-38-1

代表者:平岩国泰

公式HP:https://nitobebunka.ac.jp/

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福祉・介護・リハビリ
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会社概要

株式会社ニチイ学館

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URL
https://www.nichiigakkan.co.jp
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都千代田区神田駿河台4-6  御茶ノ水ソラシティ
電話番号
03-5834-5421
代表者名
中川 創太
上場
未上場
資本金
-
設立
1973年08月