航空機部品「カスケード」 出荷80万個達成 / 民間航空機シェア9割超、小型機需要の回復で出荷堅調
日機装株式会社(以下、「日機装」)は、航空宇宙事業の主力製品である航空機部品「カスケード」について、1984年の初出荷からの累計出荷数が80万個を突破しました。カスケードは、着陸時のエンジン逆噴射で使用される部品です。エアバスやボーイングの機体からリージョナルジェットまで、ほぼ全ての民間航空機に採用され、世界シェアは90%を超えています。新型コロナウイルス禍による航空需要の停滞から、近・中距離路線を担う小型機が先行して回復し、機体製造数が増加していることから出荷が堅調に進み、出荷70万個を超えた2022年から3年ほどで80万個を達成しました。

カスケードについて
飛行機は滑走路に着陸後、減速するためにエンジンの気流を逆噴射させますが、カスケードはこの気流を制御するための格子状の部品です。気流をきれいにエンジン外へ排出しないと、機体がバランスを崩したり、滑走路上の石などをエンジンに巻き込んだりするおそれがあります。
日機装は1983年、「軽量・高強度」という特長を持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を材料とするカスケードの開発に、世界で初めて成功しました。もともとカスケードは金属で製造されていましたが、CFRPの方が軽いため飛行機の燃料削減、CO2排出削減につながります。
カスケードはジェットエンジン1基あたり十数個装着されますが、機種や取り付ける位置によって形状が異なるため種類が多く、日機装が現在までに製品化したカスケードの形状は200種類を超えます。
カスケードの製造技術
日機装は、炭素繊維といった強化繊維に樹脂が含侵された材料(プリプレグ)を型に積み重ねて形をつくり、オートクレーブ(圧力釜)で加熱・加圧して硬化させてCFRPを成形するオートクレーブ成形という方法を用いて成形加工しています。この方法であれば、複雑な構造のものを複数の部品に分けることなく、一体成形することができます。
しかし、強度の高い部品を作るには、積層するプリプレグの繊維の向きが重要です。複雑な形状の部品においても高強度な配向を実現するには、設計・製造の両面での高い技術力が必要です。この点において日機装は豊富なノウハウの蓄積と実績があり、それゆえ高シェア率の獲得に至っています。

カスケード80万個の道のり
日機装は米ロアー社(現RTX社)から打診を受けて、1983年に世界で初めてCFRP製カスケードの開発に成功。翌年、米国連邦航空局(FAA)の認証を取得し、初出荷しました。軽量・高強度なCFRP製カスケードは、その燃費改善性と壊れにくさから、大型機を中心にアルミ製から徐々に置き換えられ、1998年に出荷10万個を突破しました。
航空機業界では、2000年代に航空需要の多様化から新たに中型機の開発が相次ぎ、また燃費効率向上のため、既存機種においても複合材を大幅に採用した派生型の開発が盛んになりました。ここで日機装のCFRP製カスケードは順調に採用数を増やしていきます。2010年代後半には、航空輸送のトレンドが大型機による大量輸送から中・小型機による効率的な輸送へと移行。輸送需要に対して必要とされる機体数が増えたことで、求められるカスケードの数も増加しました。コロナ禍で一時生産が落ち込んだものの、現在は需要の回復が先行している小型機向けに出荷が進み、出荷80万個を達成しました。
民間航空機の需要は、今後20年間も拡大が続く見通しです。ボーイング社が2024年7月に発表した「2024年民間航空機市場予測」によると、2043年までに航空会社が必要とする新造機の需要はおよそ4万4,000機になると推定されます。新興国での旺盛な航空需要や世界的な小型機への需要は、堅調さが続くとみられるためです。
日機装は、40年以上にわたってカスケードを製造してきた技術力と実績に加え、生産工程の一部自動化による生産効率の向上などにより、需要の拡大に対応してまいります。
<日機装 会社概要>
会社名: 日機装株式会社
本社所在地: 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
創業: 1953年12月26日
代表者: 代表取締役 社長執行役員 加藤 孝一
事業内容: 産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品等の製造・販売
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