唇のうるおいに表面のpHが関与していることを発見
日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)はこれまで、魅力的な唇に関連する要素とそれに関わる生体因子の解明に取り組んできました※。今回の研究では、唇の魅力の感じ方に「うるおい」、「色み」、「ボリューム」、「シワ」の4つの要素がどう影響を与えるかを解析し、男女で重視する要素が異なることがわかりました。さらに、「うるおい」に影響を与える生体因子を調べたところ、唇表面のpHが低いほどうるおいが高いことが明らかになりました。唇の魅力を左右する要素やそれに関わる生体因子を把握することで、より適切なリップケアが可能になると考えられます。この研究成果を、魅力度を高める新しいリップケアの提案へと展開していきます。

これまでメナードでは、魅力的に見える唇の要素とそれに関連する生体因子について研究を進めてきました。今回は魅力的に感じる唇の要素として重要な「色み」、「ボリューム」、「シワ」、「うるおい」の4項目に着目し、男女で唇の魅力の感じ方にどのような違いが見られるか解析しました。その結果、男性は「色み」と「うるおい」、女性は「色み」と「うるおい」に加えて「ボリューム」を重視しており、男女差があることがわかりました。
また、これらの要素に影響を及ぼす生体因子について、先行研究では「色み」に血流量と血中酸素飽和度、「ボリューム」に真皮の構造、「シワ」に表面温度が関与することを見出しています※。今回は新たに「うるおい」に関連する生体因子を調査し、表面pHが低いほどうるおった状態であることを明らかにしました。
唇のうるおいは魅力的に見せる要素のひとつですが、唇の乾燥に悩む人は多いため、うるおいを高めるケアは非常に重要です。今回の結果は、魅力的な唇を目指す商品の開発に活用できると考えています。今後、この研究成果をもとに、個人の魅力を引き出す新しいリップケアの提案につなげていきます。
なお、本研究の成果は、日本感性工学会論文誌 第24巻2号(2025)に掲載されました。
※2023年11月16日配信ニュースリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000048666.html
<参考資料>
1.理想の唇の条件
これまでのアンケート調査の結果(図1)から、理想の唇について、「うるおっている」、「色がきれい」、「ふっくらしている」、「シワが目立たない」の4つの要素が特に重要であると考えられました。この結果を参考に、魅力的に感じる唇の外見の要素として「うるおい」、「色み」、「ボリューム」、「シワ」の4つに着目しました。
<調査詳細>
調査期間:2023年9月22日~10月9日 調査機関:自社調査
調査対象:10~80代日本人女性 有効回答数:1463名 調査方法:Webアンケート

2.男性と女性における唇の魅力を感じる要素の違い
「うるおい」、「色み」、「ボリューム」、「シワ」が唇の魅力にどの程度関与しているのかを調べるため、関連解析を実施しました。まず、20~50代の女性(各年代5名ずつ、計20名)の唇画像20枚を用意し、55名の男性および30名の女性評価者により、唇の魅力度を順位付けする評価を行いました。さらに、同じ20枚の唇画像について、5名の皮膚科学研究従事者が「うるおい」の程度、「色み」の美しさ、「ボリューム」の程度、「シワ」の程度を評価しました。これらの評価結果をもとに重回帰分析を行い、「うるおい」、「色み」、「ボリューム」、「シワ」が唇の魅力度に与える影響を検討しました。
その結果、男性評価者では唇の魅力度に対して「色み」の関与が最も大きく、「うるおい」も関与が認められました。一方、女性評価者では、男性と同様に「色み」と「うるおい」が関与しているだけでなく、「ボリューム」も魅力度に影響を与えていることが明らかになりました。つまり、唇の魅力を判断する際、男性は「色み」と「うるおい」を重視し、女性は「色み」、「うるおい」に加えて「ボリューム」も重視していることが示されました(図2)。

3.唇のうるおいには表面のpHが関与する
メナードはこれまでの研究から、唇の「色み」、「ボリューム」、「シワ」に関与する生体因子を解析し、「色み」には血流量や血中酸素飽和度、「ボリューム」には真皮の乳頭構造、「シワ」には表面温度が関与することを明らかにしてきました。今回新たに、「うるおい」に関与する生体因子を調査しました。
唇のうるおいの指標として、うるおいと関連があるとされる角質細胞の重層剥離の状態を評価しました。角質細胞はテープストリップ法により採取し、4名の皮膚科学研究従事者が重層剥離スコアを算出しました(スコアが高いほど重層剥離が少なく、唇の状態が良好)。重層剥離スコアと様々な生体因子との関連を解析した結果、表面pHが低いほど重層剥離スコアが高く、うるおいがあることがわかりました(図3)。このことから、唇の「うるおい」には表面pHが関与していることが明らかになりました。
本研究の成果は、唇のうるおいを高める商品開発や美容提案に応用できると考えられます。今後、これまでの研究結果とあわせ、個人の魅力を引き出す新たなリップケアの提案に活かしていきます。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- スキンケア・化粧品・ヘア用品
- ダウンロード