モンテディオ山形代表・相田氏が語る継続的に勝つチームの作り方【ワクセルトークセッション企画】
株式会社モンテディオ山形の代表取締役社長・相田健太郎(あいたけんたろう)氏、ワクセル総合プロデューサーの住谷とコラボレーターの川口満里奈氏で11月12日(金)にトークセッションを行いました。
Jリーグ所属のサッカークラブ・モンテディオ山形の社長に就任されるまでの経緯や、チームを勝つ組織に変えていくためにしてきたこと、チームを通して地域の活性化をするというビジョンについてお話しいただきました。
Jリーグ所属のサッカークラブ・モンテディオ山形の社長に就任されるまでの経緯や、チームを勝つ組織に変えていくためにしてきたこと、チームを通して地域の活性化をするというビジョンについてお話しいただきました。
ワクセル主催のトークセッションイベントのレポートです。
ワクセル(主催:嶋村吉洋)は、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。
11月12日(金)に、オンライントークセッションイベントを開催しました。ゲストには株式会社モンテディオ山形の代表取締役社長 相田健太郎(あいたけんたろう)氏をお招きしました。
相田氏は山形県南陽市出身。4歳から9歳までをアルゼンチンで過ごし、東洋大学経営学部を卒業後、旅行会社に入社。その後、サッカークラブやプロ野球球団の運営に携わり、株式会社モンテディオ山形の代表取締役社長に就任しました。豊富なマネジメント経験から勝つチームの作り方や、クラブチームを通して地域の発展に貢献するビジョンを中心にお話しいただきました。
動き出したきっかけは人とのご縁
相田氏は東洋大学経営学部を卒業し、旅行会社に就職。学生をターゲットにした部活やサークル合宿の営業を経験した後、サッカー大会の運営部門に異動となります。当時は大会の開催に年間約70回も携わっていました。
当時Jリーグへ営業に行った際に、アルゼンチン時代の恩師と再会。Jリーグで仕事をしないかと誘われたことをきっかけに、水戸ホーリーホックへの入社が決まります。4年間の勤務を経て、サッカー業界よりも収入が良く、よりプロスポーツの運営を学ぶために野球業界へ移りたいと考え、東北楽天ゴールデンイーグルスへ籍を移しました。
約10年半イーグルスで働いていたある日、社長からの「相田、サッカーやっていたよな?神戸にいってみないか」というひと言から、翌日からJリーグのヴィッセル神戸への出向が決まりました。ヴィッセル神戸で1年半活動した後に、イーグルス時代に交流のあったモンテディオ山形のスタッフとの話を通じて声をかけられ、モンテディオ山形の代表取締役へと就任します。
出身地である山形県に貢献したいという想いを持ち、また親戚も多い地域なのでモンテディオ山形の経営に参加することを決意した相田氏。当時少し困ったことは生まれ故郷のファンに出身校を聞かれ、自分自身はアルゼンチンで幼少期、中学時代を過ごしたと言い出すことでした。
このように相田氏は、人とのご縁をきっかけに自身の活躍するステージを変えていきました。
図:相田健太郎氏の経歴
チームが優勝することの価値
モンテディオ山形は、もともとは1984年にNEC山形サッカー同好会として発足したサッカークラブで、1996年にモンテディオ山形に改称。(モンテ=山、ディオ=神の造語)
過去2回、J1への昇格経験がありますが、特に2014年のプレーオフでモンテディオ山形が奇跡的な勝ち上がりを重ねて、J1昇格を飾ったことが記憶に新しいです。
昇格したことによって、地元はモンテディオ一色になり、平均の観客動員数は約1万人を達成。
さらに2014年には天皇杯で準優勝を果たし、山形県の人々はモンテディオの活躍に熱狂したそうです。
このときに相田氏は、「勝つことが地域の発展につながる」と価値を確信しました。
写真:2014年のプレーオフについて熱く語る相田氏
継続して勝ち続けるチームを作るには
2014年シーズンに奇跡的な勝利でJ1昇格への切符を手にしたモンテディオ山形ですが、翌2015年シーズンでは、J2降格が決定。6位から勝ち上がって奇跡的に優勝したものの、要するに実力が伴っていないということ、と相田氏は当時の状況を分析します。J1に昇格することが目標だと、J1へ行っても勝ち上がることはできないし、サポーターの盛り上がりも一瞬で終わってしまうことをチームとして経験しました。
相田氏は東北楽天ゴールデンイーグルスでの経験を活かし、勝ち続けるチームを作るために、フロントサイドの努力で観客動員を増やすことから始めました。まず観客を増やすことで収入を上げ、チームの強化費を生み出し、チームが強くなり勝ち続けることで、また観客が増えるというプラスの循環を生むからです。
2014年に優勝した際には約1万人の観客動員がありましたが、相田氏の就任当時は平均で約6,000人でした。着任した2019年に平均観客動員数を7,500人に増やすという目標を立て、結果として平均約8,300人を達成しました。
観客を増やすためには、観戦を目的としていないお客様にもターゲット層を拡げ、チームの勝敗に関わらずスタジアムに遊びに来たくなるような仕組み作りが大事だと話す相田氏。スタジアムの周りに生えていた木々を切って売店のロケーションを整えたり、山々が見渡せる景観を作り出したり、公園を機能的に活用できるような場所へと変えました。
また、選手がプレーに集中できる場も創出し、チームの強化にもより一層力を入れています。
写真:住谷が山形を訪れた際の話で盛り上がる3名
クラブチームを通して地域貢献
モンテディオ山形の2021年シーズンは、クラブ史上初、シーズン途中に監督を解任するという出来事があり、決してよいことだけのシーズンではなかったと振り返る相田氏。しかし、初の外国人監督となるピーター・クラモフスキー監督がシーズン途中から就任したことで、これからチームが強くなるだろうという希望が持てるシーズンでした。
また、モンテディオ山形は、外国人選手や野心ある若い選手の誘致にも積極的に力を入れています。特に外国人選手は、住居の広さや周りの教育施設、家族が過ごしやすい場所かどうかなどを気にする事も多いので、地域を上げて外国の方が過ごしやすい環境作りにも力を入れています。
相田氏はプロチームの使命として地域活性化を掲げています。チームを強くすることはもちろん、サッカー以外の魅力も増やしていくことで、サッカーを観に来るお客様を楽しませることが大事と語ります。
今後は、ワクセルの映像制作の技術などを活かして、一緒に山形を活性化させたいという相田氏の言葉でトークセッションは締めくくられました。
トークセッションの一部は、ワクセルの公式HPにも掲載していますので、合わせてご覧ください。
https://waccel.com/talksession/aita-kentaro/
■相田健太郎(あいたけんたろう)氏プロフィール
・1974年 山形県南陽市出身
4歳〜9歳までアルゼンチンで過ごす
・1998年 東洋大学経営学部卒業後、
旅行会社(株式会社毎日コムネット)に入社
・2003年 株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホックに入社
・2007年 東北楽天ゴールデンイーグルスの運営会社(楽天野球団)
に移り新規営業を担当
・2017年 楽天ヴィッセル神戸株式会社へ出向
・2019年 株式会社モンテディオ山形 代表取締役社長に就任
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