生産ライン停止の原因究明を映像で支える PLCプログラム変更不要のAIカメラ連携用アプリケーションを発売

i-PRO株式会社

i-PRO株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:中尾真人、以下i-PRO)は、AIカメラにインストールするだけで、FA(Factory Automation)システムに映像監視機能を追加できるPLC(Programmable Logic Controller)(※1)連携アプリケーション(以下、本商品)を2026年1月から販売します。これにより、工場での頻繁なライン停止など、問題が発生した場合にPLCと連携して遅滞なく状況を撮像・録画することが可能となり、問題の原因解明や、現場職員の負荷の低減・工数の削減にお役立ていただけます。

本商品は、株式会社アイ・エル・シー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:大西英也)が開発した高度協調用組込ソフトウェアプラットフォーム「Connected PLC™」をi-PROのAIカメラ上で動作するようにカスタマイズしたアプリケーションです。

なお、本商品のモニター販売を2025年11月から開始します。モニター販売品には制約事項や条件があります。詳細はi-PROのカスタマーコンタクトまでお問合せください。

  

1.背景

生産設備は、PLCのプログラムミスや設備の設計ミス、老朽化などが原因で、頻繁な停止(チョコ停)が発生することがあり、数分間の停止でも大きなロスにつながります。設備管理者は、生産ライン復旧を優先する一方で、再稼働するとチョコ停の根本原因がわからなくなるといったジレンマを抱えています。

チョコ停発生時の現場の映像があれば、原因究明の役に立ちますが、FAシステムに監視カメラを接続するには、これまではPLCプログラムの変更が必要であり、変更ミスによる生産ライン停止や復旧のロス時間のリスクがあったことが導入のハードルとなっていました。

  

2.本商品の特長

1)FAシステムに映像監視機能の追加を可能に

・AIカメラにインストールされた本商品が、PLC もしくはOPC UAサーバー(※2)が発報するアラーム等を検知し、それをトリガーとしてAIカメラやAIカメラと接続した機器に命令を送信することができます。例えば、アラームの前後の映像の録画保存、AIカメラとつないだ警報装置の発報などが可能となります。

・PLCが検知した異常と連動しているので、異常時の映像をすぐに見つけて再生することができます。それにより、映像を使ったライン停止のスムーズな原因究明、報告書や分析資料作成時間の低減などが図れます。

 2)PLCプログラムの変更不要(※3)。インストールするだけで(※4)簡単に連携を可能に

・本商品は既設のPLCのデータを取得して、そのデータを基に動作させるため、PLC側のプログラム変更は不要になります。そのため、本商品をAIカメラにインストールし、AIカメラを既存システムにEthernet接続し、PLC連携設定を行うだけ(※3、※4)で導入が可能です。PLCのプログラム改変などは不要ですので、簡単に導入が図れます。

・PLCプログラム変更によるバグ発生やライン停止のリスクがなく、スムーズに立ち上げられます。

 3)幅広い設備に適応が可能

・主要なPLCメーカー(三菱電機㈱、オムロン㈱、㈱キーエンス)やOPC UAサーバーとの直接連携が可能ですので、幅広い設備に対応が可能です。

 

4)簡単に制御ロジックの設定が可能

・PLC内のデータ利用をユーザーが直感的に決められるユーザーインターフェースで簡単に制御ロジックの設定が可能です。

  

5)AIカメラとのより有機的な連携も実現(PLCプログラムの変更が必要です(※5))

・PLCへの書き込みも可能になっているため、AIカメラが検出したアラームをPLCの動作トリガーとして、PLCに通知することが出来ます。PLCの使用する制御センサーの一つとして相互の有機的な連携が可能です。

  

3.本商品の運用例

1)異常解析用のデータ記録として

・異常発生時の映像をカメラで自動的に記録することで、ログデータと突き合わせて解析が可能です。

・例えば、部品混入、混在、吸着・把持ミスによる脱落などの想定外のエラーも、映像でその瞬間を可視化することで、再現が難しい不具合原因を明確化できます。

 

2)無線モデルにインストールして気になる場所の一時監視に

・無線モデルのカメラを用いることで、アラームが頻発する生産ラインなどの気になる場所にカメラを移動して、センサーでは捉えきれない突発的な現象を、必要な期間・場所だけ映像で補完できます。

・例えば、「夏場の高温時だけ流量が不安定になる」「バルブ開閉信号は正常なのに実際は動いていない」など、PLCでは検知できない現象を映像で確認できます。

 

3)アラーム発生直後の周辺監視に

・普段は循環監視などで使用するPTZカメラにインストールし、問題が発生しそうな複数のポイントをプリセットしておくことで、PLCでアラーム検知した直後に、アラーム発生個所のリアルタイム映像を確認することが出来るようになります。

・停止区間を即座に映像で確認できるため、現場担当者が駆け付ける前に原因の見当を付けられるなど、原因を確認するまでの工数を削減できます。

 

4)安全センサーの補助として(PLCプログラムの変更が必要です(※5))

・AIカメラが、製造中のラインや危険エリアへの作業員の侵入などの異常を検知した際に、PLCへフィードバックし、PLC側で製造ラインを停止させるなど、現場の安全確保や事故の未然防止等にも使用することができます。

  

4.品名・品番など

価格はオープン価格。カメラ1台に1ライセンスが必要です。販売開始時期は2026年1月。

Standard Editionでは、頻繁に使用される基本的な機能(ドライブレコーダーのような機能)を、専門的なエディタ操作なしで設定できます。PLC連携アプリの設定画面から簡単な設定を行うだけで、制御ロジックを直感的に設定できます。

Developer Editionでは、ノーコードの専用エディタ「INTAconnection® Editor」(※6)により、ユーザー独自の制御ロジックを設定することができます。複雑な条件分岐などの実現が可能です。また、クラウドへのPLCデータの転送等も可能になります(ロジック設定にはFA制御に関する知見が必要となります)。

 

※1:PLC(Programmable Logic Controller)は、さまざまな機械の制御に使われている制御装置。

※2:OPC UAは、異なるメーカーや機器と接続の際に、特定のプログラム改変を必要とせず、スムーズなデータアクセスを実現する通信規格です。OPC UAサーバーは、接続された装置からのデータを格納しそのデータを必要とする装置に再送信する役割を担います。

※3:PLCに対して、TCPまたはUDPでのアクセス許可設定が必要になります。

※4:本アプリケーションをPLCへ接続するため、接続ポートのパーミッション設定が必要になるため、PLCの再起動が必要になります。

※5:アプリのインストールだけではPLCプログラムの変更はできません。PLCのプログラム変更は、バグの発生やそれに伴う製造ライン停止のリスクが生じます。AIカメラによる物体の検知には、有償のAI動体検知アプリケーション(WV-XAE200WUX)のインストールが別途必要です。

※6:INTAconnection®は、株式会社アイ・エル・シーの登録商標です。

 

 

i-PRO株式会社について】 

i-PRO株式会社は、パナソニックから独立したセキュリティ、セーフティ、医療用エッジコンピューティングカメラの世界的リーディングカンパニーです。60年超におよび培われた高品質で信頼性の高いハードウェアを用い、画像を意思決定の現場で活用する最先端技術を開発しています。i-PRO製品は、容易にカスタマイズおよび統合ができるよう設計されており、お客様のあらゆる用途に柔軟に対応します。

私たちは、AIを倫理的に責任をもって活用し、堅固なサイバーセキュリティを備え、持続可能なテクノロジーを提供します。i-PROは、2023年より国連グローバル・コンパクトの参加企業です。

※お客様からの商品に関するお問い合わせは、i-PROカスタマーコンタクトまでお願いいたします。https://i-pro.com/products_and_solutions/ja/surveillance/contact-us

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会社概要

i-PRO株式会社

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URL
https://corp.i-pro.com/ja-JP
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟14F
電話番号
-
代表者名
中尾真人
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年10月