日本アセアンセンター、ASEAN設立52周年記念シンポジウムを開催~ASEANのアクティブ・エイジングとビジネスチャンス~

ASEAN設立52周年記念シンポジウムASEAN設立52周年記念シンポジウム

 

 

国際機関日本アセアンセンター(所在地:東京都港区、事務総長:藤田正孝)は、2019年8月26日、都内にて「ASEAN設立52周年記念シンポジウム」をASEAN東京委員会(ACT)[1]並びにASEAN事務局と開催しました。本シンポジウムには、日本の民間企業、政府関係者及び学術関係者、陈德海・中国アセアンセンター事務総長並びにイ・ヒョック韓国アセアンセンター事務総長、また共催者であるACTからASEAN[2]加盟全10カ国の駐日大使ら、約180名が参加し、ASEAN諸国における高齢化を取り巻く新たな課題やビジネスチャンスについて議論しました。

ASEAN諸国は現在、急速な人口高齢化に直面しており、今後20年以内に加盟全10カ国が高齢社会(65歳以上の人口が7%以上に達した社会)になることが予想されています。中でもシンガポール及びタイは既に高齢社会に達しており、ベトナムやブルネイも同じ傾向にあります。2030年には、ASEAN地域に暮らす7千万人が65歳以上になると予想されています。人口高齢化は、高齢者の社会的統合や経済的安定の確保、また社会保障制度の整備といった課題をASEAN諸国にもたらしますが、同時に、高齢者のアクティブ・エイジングに寄与する新しいサービスへの需要が伸びることから、ビジネスチャンスも生み出すと考えられています。

日本政府は「日・ASEAN健康イニシアチブ」などを通じ、ASEAN諸国における健康増進、病気の予防、並びに医療水準の向上を目的とした人材育成に協力しています。さらに、人口高齢化に焦点を当てた「日・ASEANユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)イニシアチブ」を採択し、持続可能なUHC[3]及び健康なアクティブ・エイジングに寄与する日ASEAN共同研究や共同フォーラムを開催しています。

このような背景から、本シンポジウムでは、ASEANにおける新たな課題として、高齢化をテーマに取り上げました。シンポジウム冒頭には、ACT委員長アリフィン・タスリフ駐日インドネシア特命全権大使閣下が主催者を代表し、歓迎の挨拶をしました。続いて、アラディン・リロASEAN経済共同体担当事務次長が、ASEAN経済共同体の進捗及び昨今の貿易摩擦や技術革新といったASEANの市場統合に向けた新たな課題について基調講演を行いました。

また、パネルディスカッションも実施し、亜細亜大学・アジア研究所・大泉啓一郎教授並びに日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部アジア大洋州課課長・小島英太郎氏が、ASEANの高齢化の現状や高齢者介護や医療サービス等、関連分野における日本企業のビジネスチャンスについて、意見を交わしました。さらに、リロASEAN事務次長が、高齢者のアクティブ・エイジングと経済力の強化を支援するためには、民間企業を含む、様々なステークホルダーとの協力を通じて、ASEAN諸国における高齢化に対応する包括的なアプローチや施策を考え出すことが重要性であると訴えました。

藤田正孝 日本アセアンセンター事務総長は、「高齢者が、社会や経済と融和することが持続可能な発展の鍵となる。人口高齢化は避けられないが、それに伴う負の影響は避けられる。センターでは引き続き、ASEAN諸国及びASEAN事務局と連携し、日本の投資家との政策対話などを通じて、ASEAN諸国における新たな課題に取り組んでいく」と述べました。

[1] ASEANは対話国に委員会を設置しており、対話国に駐在するASEAN加盟国の外交団により構成される。
[2] ASEAN(東南アジア諸国連合)とは、1967年に結成された地域協力機構。加盟10カ国(ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の総人口は6億5千万人を超える。
[3] 「全ての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」(厚生労働省)を示す。
 

リロASEAN事務次長による基調講演の様子リロASEAN事務次長による基調講演の様子

パネルディスカッションの様子パネルディスカッションの様子


<<国際機関日本アセアンセンター>>
正式名称:東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター
ASEAN10カ国政府と日本政府により1981年に設立。
貿易・投資・観光・人物交流の4分野を中心に、ASEAN商品の輸出促進、日系企業の進出支援、人材育成、日ASEAN間の観光促進等を通して、日本とASEAN諸国との関係促進に貢献する国際機関です。
URL:https://www.asean.or.jp/ja/

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国際機関日本アセアンセンター
調査・政策分析クラスター
東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1F
電話: 03-5402-8004 
Fax: 03-5402-8005
e-mail: info_rpa@asean.or.jp

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会社概要

URL
http://www.asean.or.jp/ja/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1F
電話番号
03-5402-8001
代表者名
藤田正孝
上場
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資本金
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設立
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