QRコード、特許出願から30年
QRコード、特許出願から30年
~産業の効率化にとどまらず、広く社会の利便性向上に貢献~
株式会社デンソーウェーブ(本社:愛知県知多郡阿久比町、取締役社長:相良隆義)は、1994年3月14日にQRコードが特許出願されてから30年を迎えることをお知らせします。
1990年代初頭においては、輸送機器製造業を含め、さまざまな用途でデータを格納・利用する手段として主にバーコードの利用が進んでいました。しかし、格納できる情報量や必要となるスペースに制約があり、パソコンやネットワーク技術の向上による情報化社会進展とも相まって、より多くの情報格納・より小さなスペースでの表示などのニーズが顕在化しつつあり、そうした期待に応える、多様な環境で使用しやすい新たなコードの開発が求められていました。
1992年に、株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市昭和町、取締役社長:林新之助、当時は日本電装株式会社)は当時すでに海外で開発されていた他の二次元コードの特徴も踏まえ、「大容量データ・省スペース・高速読み取り・誤り訂正(一部汚れや欠けがあっても読み取り可能)」を網羅する新たな二次元コード開発の方針を決定し、開発を開始しました。そして、さまざまな試行錯誤や、株式会社豊田中央研究所への誤り訂正機能に関する開発委託などを経て1994年にQRコードを開発、同年3月14日に特許を出願し、1999年6月11日に登録されました。QRコードという名称は、特徴のひとつであるクイック・レスポンスに由来します。
特許出願と並行し、国内外の幅広い活用を意図してさまざまな規格・認証を取得、用途開発にも努めてきました。また、コードに関する基本特許の無償化により、多様な企業・団体等による用途開発も模索されました。その一つが2002年に具体化された、携帯電話のカメラによるQRコード読み取りであり、前後して広まったQRコード生成アプリケーションと相まって、産業界だけでなく、一般の方々が利用できる用途への普及が進みました。
QRコードを含む自動認識事業は、デンソーから、2001年10月に設立されたデンソーウェーブに移管され、以降、新たなコードの開発を含むさまざまな事業展開を担い今日に至っています。直近では、東京都交通局と共同でホームの安全性向上に資するtQRを用いたホームドア開閉システムを開発、都営地下鉄全線でのホームドア設置完了、他公共交通機関でのホームドア導入にも貢献するなど、社会課題解決の一翼を担っています。また、長方形型のコードであるrMQRコードも開発、これまで活用が難しかった用途での活用も進めています。
デンソーウェーブは、30年前にQRコードが特許出願されて以来、一貫して大切にされてきた、社会・産業課題の解決への想いを次世代に引き継ぐべく、これからもさまざまな方々と協業し、QRコードをはじめとする自動認識事業で、産業の効率化、社会の利便性向上に努めていきます。
*QRコード、tQR、rMQRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
<参考資料>
特許証
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