日本選手権4位の京都府亀岡市の公務員スプリンター、挫折を乗り越え、自己ベスト更新へ挑む!

逆境を力に!仕事と両立、日本選手権の決勝へ駆け上がった市職員。日本ランク7位からオリンピックを目指す挑戦を紹介

亀岡市

日本選手権200mの予選で疾走する亀岡市職員の沼田さん(写真提供:ATHLETE News)

京都府亀岡市(市長:桂川孝裕)は、多様な分野で活躍し、まちを彩る人々の物語を通じて、亀岡市の「今」と「未来」をお届けします。今回の記事では、陸上競技選手として活躍する亀岡市職員、沼田充広さんの挑戦を紹介します。沼田さんは、仕事と競技を両立させながら、日本トップレベルの舞台で戦い続け、日本選手権に出場しています。彼のこれまでの道のり、そして未来への熱い想いをご紹介します。

「自分だけの道」を切り拓く

思うような結果が出せず肩を落とす沼田選手(写真提供:ATHLETE News)

思うような結果がでない日々

沼田選手の陸上人生は、順風満帆ではありませんでした。小学校4年生で地元のクラブチームに入り陸上を始めたものの、がむしゃらに練習を続けてもなかなか記録は伸びず、もどかしい日々を過ごしていました。高校や大学でも人一倍練習をし、競技を続けましたが、目立った実績を残せず、実業団から声はかかりませんでした。

歩み始めた「自分だけの道」

大学卒業後、結果を出せなかった選手の多くは競技をやめる選択をする中、「やっぱり結果を残したい。」という強い思いから、仕事をしながら覚悟を持って競技と向き合うことを決断します。高校の同級生と共に「LEGALIS(レガリス)」という独自のチームを結成し、競技を続ける道を選んだのです。実業団のような手厚いサポートがない中で、彼は自らの意志で、仕事と競技の両立という「自分だけの道」を歩み始めました。

練習の取り組み方を見直す

沼田選手に転機が訪れます。それは、2020年2月に経験した練習過多による肉離れです。コロナ禍の練習環境が制限される中、自身の体と向き合い対話し、大学の監督・コーチ、治療院の先生、先輩などさまざまな人に相談し、練習方法、取組み方を見直したことで、それまで伸び悩んでいたタイムが劇的に向上し始めたのです。

仕事と競技を両立させる「沼田流」トレーニング

練習風景

市役所の職員として働く沼田選手にとって、競技や練習に費やせる時間はほんのわずかです。しかし、彼はその制約を言い訳にしませんでした。選手としてのキャリア期間も考慮し、今は仕事と陸上を生活の中心に据えています。

限られた時間で質の高い練習を

平日は、勤務後に限られた時間でトレーニングに取り組みます。市街地のコンクリートの上で基礎的な体づくりや動きづくりを中心に練習を行い、特に、肉離れを経験してからは、自身の体と徹底的に向き合い、日々のコンディションを細かく把握することを習慣にしました。その甲斐あって、ここ数年は体調不良や大きなケガもなく、継続して質の高い練習に取り組めています。

仕事と競技を両立させるための弛まぬ努力

週末には、より実践的な練習ができる環境を求めて京都産業大学のトラックへ足を運びます。学生たちに交じり、スピードや技術を磨き上げる時間は、彼にとって何物にも代えがたいと言います。仕事で疲れた日も、どんなに厳しい練習でも、彼を突き動かすのは「もっと速くなりたい」という純粋な情熱と、「LEGALIS(レガリス)」の仲間たちの存在。日々の弛まぬ努力と工夫が、彼の成長を支えています。

公務員スプリンターとしての挑戦

沼田選手インタビュー風景

気持ちで負けない

実業団選手のように陸上競技だけに専念できる環境ではない中で、時間の差をどう埋めるのか。沼田選手は「正直言うと気持ちの持ちよう」だと断言します。仕事があるから結果が出せない、記録の更新ができないと諦めるのではなく、「どうやったら結果につながるか」を考え、「気持ちで弱い自分に負けない」ことが、仕事と両立しながら結果を出す上で最も重要だと強調しています。

公務員として働くことで競技力にも好影響

市役所での仕事があるからこそ、今の競技活動に繋がっているとも沼田選手は言います。競技者としての責任だけでなく、市民の暮らしを支える公務員としての責任感もまた、彼を強くする原動力となっています。彼はまさに「公務員スプリンター」として、その生き様を通して、仕事と競技の両立という新たな可能性を切り拓いています。

日本選手権での躍進:セカンドベストが示す可能性

予備予選時のモニター(写真提供:ATHLETE News)

日本の頂点を決める大会

2025年7月4日から6日にかけて東京・国立競技場で開催された第109回日本選手権。ランキングでは下位に位置しながらも、沼田選手は驚くべき集中力とパフォーマンスで、見事決勝への切符を掴みました。決勝では予選で出した自己ベストには及ばなかったものの、セカンドベストとなる20秒80で4位の結果を収めました。この結果は、競技に専念する日本代表経験者や日本一の選手が居並ぶ中で、仕事と競技を両立する沼田選手がいかに努力を重ねてきたかを示すものです。

彼は「メダルを獲得できず悔しいがベストは尽くせた。課題が多く残るレース内容で20秒80は少し自信になる。」と、自身のパフォーマンスに確かな手応えを感じています。この経験は、彼の自信となり、さらなる高みを目指す原動力となりました。

今後の目標はロサンゼルスオリンピック:亀岡から世界へ羽ばたく夢

目標を語る沼田選手

沼田選手の視線は、すでに次の目標に向けられています。それは、世界の大舞台に立つこと。そのためにはまず今年はすべての試合で自分の持つ記録と順位を高いレベルで安定させることを第一の目標に掲げています。

その先に、来年、愛知県で開催されるアジア大会への出場、大きな目標として、3年後のロサンゼルスオリンピック出場を掲げています。世界大会出場には、ポイント制度も重要な要素となります。限られたチャンスの中で結果を出すことの難しさを理解しながらも、彼は日々、自らを追い込んでいます。

子どもたちへ陸上の楽しさを伝えたい

沼田選手インタビュー風景

沼田選手は、競技者としての高みを目指す一方で、もう一つの大切な夢を持っています。それは、将来、陸上競技を通じて子どもたちを指導することです。自身の経験で得た知識や技術、そして何よりも「挑戦することの喜び」を次世代に伝えたいという強い思いがあります。

亀岡市としても全力でバックアップ

亀岡市は、困難を乗り越え、ひたむきに夢を追いかける沼田選手の挑戦を全力で応援しています。彼の挑戦は、私たちに「努力は必ず報われる」という希望を与えてくれるものです。亀岡市から世界へ羽ばたき、未来を担う子どもたちのロールモデルとなる沼田選手の今後の活躍に、どうぞご期待ください。

沼田充広(ぬまた みつひろ)プロフィール

亀岡市職員の沼田選手

亀岡市職員で、環境政策課にて狂犬病予防を担当。

小学4年生から陸上をはじめ、短距離に取り組む。特に、学生時代の恩師に適性を見出され本格的に取り組んだ200mで現在は記録を出し続けている。大学卒業後は、実業団ではなく、高校の同級生と結成したチーム「レガリス」で競技を継続。仕事と競技を両立させながら、数々の大会に出場し活躍中。

※タイトルの日本ランキング7位は、2025.7.16現在のもの。

【自己ベスト(2025.7.15現在】

100m 10秒36

200m 20秒58

【直近の大会成績】

・2025年7月6~8日:第109回日本陸上競技選手権大会(東京・国立競技場)男子200mで第4位。

・2025年7月12日・13日:第80回京都陸上競技選手大会(京都・たけびしスタジアム京都)男子100m・200mで優勝(200mでは大会タイ記録)。

【本件に関するホームページ】https://www.city.kameoka.kyoto.jp/soshiki/4/78165.html

【お問い合わせ先】

亀岡市役所 市長公室 広報プロモーション課

担当:梁川(やながわ)、小寺(こでら)

電話:0771-25-5003

Email:koho@city.kameoka.lg.jp

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会社概要

亀岡市

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府亀岡市安町野々神8番地
電話番号
0771-22-3131
代表者名
桂川孝裕
上場
未上場
資本金
-
設立
1955年01月