【救急集中治療医と小児科医がマンガで解説】日常に潜む、こどもの誤飲と誤嚥(ごえん)のリスク
千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長/CEO:中田孝明)は、こどもの誤飲についてのイラストレーションを、本日一般公開しました。家庭にはこどもが誤って飲み込んでしまうものが多くあり、誤飲・誤嚥事故により口腔内、気管、食道、胃が傷ついたり、あるいは気道が詰まって窒息したりして救急搬送されるケースが多発しています。救急集中治療医と小児科医の見地から、こどもの誤飲・誤嚥の予防方法などを親しみやすいマンガで解説します。本資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用していただくことが可能です。
誤飲と誤嚥(ごえん)の違いは、誤飲は、飲み込んだものが胃に入って体内を傷付けることで、誤嚥は、飲み込んだものが気道へ流れて呼吸困難などを引き起こすことです。家庭内には、薬、化粧品、電池など、こどもの興味を惹くものが多く、こどもはそれらを手に取っているうちに誤って口へ運んで飲み込んでしまうことがあります。シャンプーや液体石鹸、洗剤なども、飲料水と間違えて飲んでしまうケースが報告されています。また、大人が服用する薬をこどもが誤飲すると、アナフィラキシーショックにより重篤な状態に陥ることがあるため、注意が必要です。
誤飲・誤嚥した場合は、病院で適切な処置を受けなくてはいけません。慌てて吐き出させると、食道などを傷付けたり気道に入ったりして状態を悪化させることがあります。さらに、揮発性の高い灯油や除光液などを誤飲した場合、体内で気体となって気道から誤嚥されやすく、肺炎を引き起こす危険があります。誤飲、誤嚥に気が付いたら、速やかに病院で受診すること。その際には「いつ」、「どんなもの」を「どれくらい」飲み込んだか状況を把握して、飲み込んだもの(考えられるもの)を持参し、医師に伝えてください。
このように、誤飲・誤嚥事故には「重篤化しやすい」「家庭での処置が難しい」という特徴があるため、普段からの予防を心がけることが肝心です。こどもの喉の大きさの目安は口径39mmと言われ、40mm未満のものはすべて飲み込んでしまう可能性があるという前提に立ち、危険なものは、こどもの手が届かない位置に置く、収納場所の扉や容器の蓋が開かないように工夫するなど、保管対策を徹底する必要があります。
誤飲・誤嚥は、こどもの事故原因の上位に位置しています。予防方法、病院受診時の準備、そして救急車を呼ぶべき状態を、救急集中治療医と小児科医が解説します。
◆テーマ
「こどもの誤飲」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
谷口昌志
堺市立総合医療センター集中医療科医長
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000521.html
◆誤飲、誤嚥しやすいもの
タバコ、薬、のり、入浴剤、粘土、ろうそく、化粧品など
◆こどもが飲み込める大きさと目安
こどもの喉の口径は39mmと言われ、トイレットペーパーの芯の口径が目安となる
◆予防方法:家庭で、普段から気を付けること
- 危険なものは、子供の手の届かない高いところ(床から1m以上の高さなど)に置く
- 収納の扉、保管容器の蓋は、こどもが開けられないようにする
◆誤飲した場合、無理に吐かせてはいけないものとその理由
- ガラス、画鋲:喉に引っかかり食堂粘膜を傷つける
- 酸性、アルカリ性と記載があるもの:胃、食道、気管、口腔内を傷つける
- 界面活性剤(洗剤、石鹸、シャンプーなど):胃、食道、気管、口腔内を傷つける
- 灯油、マニキュア、除光液、殺虫剤:吐かせた際に、気道に入って肺炎を起こす恐れがある
- 磁石:磁石同士が引き合うことで、胃や腸などの壁を挟んで消化管内にとどまり、胃などに穴を開けてしまう恐れがある
- 電池:電流の発生で食道粘膜が腐食し、胃や食道に穴が開く恐れがある
◆救急車を呼ぶケース
- 顔面蒼白
- 意識がおかしい
- けいれんを起こしている
- 苦しそうな呼吸をしている
◆病院受診で必要なこと
- 「いつ」「どんなもの」を「どのくらい」飲み込んだか状況を把握する
- 飲み込んだ可能性があるものを持参する
◆参考資料
・日本中毒情報センター
https://www.j-poison-ic.jp/general-public/response-to-a-poisoning-accident/at-home/
・子どもの救急
http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=goin%2Fr3
・岡山県薬剤師会
https://www.opa.or.jp/kusuri/goin/
・徳島県医師会
https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/pc/1109-2084
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。
<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)
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