アストロスケール、科学技術振興機構の「STI for SDGs」アワードにて奨励賞を受賞
持続可能な宇宙環境を目指し、軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の日本子会社である株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)はこの度、2025年度「STI for SDGs」アワードにおいて奨励賞を受賞したことをお知らせいたします。
「STI for SDGs」アワードは、文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催し、未来共創推進事業の一環として、科学技術・イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)を用いて社会課題を解決する優れた取り組みを表彰する制度です。国内の団体によって行われている優れた取り組みを見出して表彰し、それらの取り組みのさらなる発展や、同じような課題を抱える国内外の他地域でも広く活用できるよう水平展開を進めることを通じて、SDGsの達成に貢献することを目的としています。
アストロスケールは2024年より、本物の宇宙ごみ(スペースデブリ)への接近・観測を行う「ADRAS-J(Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」のミッションを実施し、遠距離からの接近、デブリ下方15mへの位置付け、周回観測、衝突回避機能の有効性の実証などに成功しました。「宇宙のロードサービス」とも呼べる軌道上サービスのコア技術であるRPO(ランデブ・近傍運用)技術を本物のデブリに対して実施した本取り組みについて、今後の宇宙インフラの安全を担う基礎となる技術を確立した点などが評価され、この度奨励賞の受賞に至りました。


通信、測位、災害監視など、日常生活や経済活動のさまざまな場面で人工衛星に依存しており、私たちの暮らしは宇宙に支えられています。また、SDGsの取り組みのうちおよそ4割は衛星を活用したサービスの利用を前提としているとも言われています。しかし、地球低軌道ではデブリや衛星の増加により混雑化が進行しており、ニアミスの頻度や衝突のリスクが年々高まっています。もし宇宙空間で連鎖的な衝突が発生してしまうと衛星サービスを利用できなくなる可能性もあり、軌道環境の保全、宇宙の持続可能性「スペースサステナビリティ」の実現は、日常生活や経済活動、そしてSDGsの取り組みの前提となる基盤として、喫緊の課題です。そのためのソリューションの一つが、デブリ除去や衛星の寿命延長などの軌道上サービスです。
アストロスケール 代表取締役社長 加藤英毅のコメント
「STI for SDGs」アワードにて奨励賞をいただき、大変嬉しく思います。本物のデブリに対しての安全な接近、精密な制御、観測に成功した本ミッションにより、アストロスケールは軌道上サービス、そしてスペースサステナビリティの実現に向けて大きく前進しました。ADRAS-Jの成功は、宇宙開発を「使い捨て」から「循環型」へとシフトするための第一歩でもあります。今回の受賞を励みに、これからも挑戦を続けていきます。
アストロスケール について
アストロスケールは、軌道上サービスの世界的リーダーとして、安全で持続可能な宇宙開発に取り組んでいます。当社は衛星の寿命延長、故障機や物体の観測・点検、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去など、多様で革新的な軌道上サービスソリューションを提供します。2021年3月以降、アストロスケールはELSA-dやADRAS-Jのミッションにおいて軌道上でRPO技術を実証し、軌道上サービスのリーダーとしての地位を確立してきました。アストロスケールの宇宙機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米国宇宙軍、欧州宇宙機関(ESA)、英国宇宙庁(UKSA)、Eutelsat OneWebとの先駆的なミッションに採用されています。宇宙機の定期的な点検、移動、除去、寿命延長のためにより多くの衛星運用者が軌道上サービスを導入し、循環型宇宙経済の可能性が広がり、より持続可能な宇宙の未来が開かれつつあります。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、フランス、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケールウェブサイト:https://astroscale.com/ja/
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