KINTOテクノロジーズ、クルマのサブスク「KINTO ONE」にNew Relicを導入し、システム全体を横断した包括的なオブザーバビリティ環境を実現
活用の定着化のために、独自のAIエージェントも開発
デジタルビジネスにオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームを提供するNew Relic株式会社(本社:東京都中央区、以下「New Relic」)は、KINTOテクノロジーズ株式会社(本社:東京都中央区、以下「KINTOテクノロジーズ」)が、クルマのサブスク「KINTO ONE」のWebフロント/バックエンドおよび連携システムにオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入し、包括的なオブザーバビリティ環境を実現したことを発表します。
KINTOテクノロジーズは、トヨタグループにおける戦略的な「内製開発会社」として2021年4月に設立されました。以来、クルマのサブスクリプションサービス「KINTO ONE」「KINTO Unlimited」「KINTO ONE中古車」、クルマ購入後のアップグレードサービス「KINTO FACTORY」など、革新的なモビリティサービスを支えるプロダクトを次々と世に送り出しています。会社設立から5年目を迎え、事業領域はKINTO関連サービスにとどまらず、Woven CityやTOYOTA Walletなど、トヨタグループのシステム開発支援へと広がっています。
導入の背景と経緯
従来、KINTOテクノロジーズでは、OSS製品の組み合わせによってオブザーバビリティ環境を実現していましたが、メトリクス、トレース、ログを個別のツールで確認する必要があり、原因の調査と特定に時間を要するなど、アプリケーション開発エンジニアにとって必ずしも使いやすい環境ではありませんでした。KINTOテクノロジーズでは、スピード感のある事業展開を推進するため、内製開発にこだわって、開発アジリティを高める取り組みを継続しています。今回もこの取組みの一環として、プロダクトチームごとにバラバラだった監視や障害対応の手順を標準化して、全社で問題解決をスピード化することを目的に、新たなオブザーバビリティ環境の構築を検討しました。
プロダクト開発のアジリティを高める上では、開発の手戻りを最小化すること、問題発生時の原因特定と解決を迅速化すること、エラーとして検知できない問題を顕在化させず潰すことのすべてが重要です。このような観点で複数のオブザーバビリティ製品を比較検討した結果、必要な機能がシームレスに統合され、アプリケーション開発エンジニアにとって扱いやすく、開発品質とリリース頻度を高められると判断し、New Relicの採用を決定しました。また、観測対象のシステム数に制限のないユーザーライセンス、日本法人による手厚いテクニカルサポートを受けられる点、New Relicコミュニティの成熟度も高く評価されました。
New Relicの導入と効果
KINTO ONEでは、Webサイト/専用アプリや販売店経由での見積・申し込みを起点に、バックエンドの顧客管理、与信・決済、契約管理、車両管理など様々な業務システムが連携してサービスが提供されています。KINTOテクノロジーズは、2023年3月にNew Relicを導入し、現在では、これらのシステム全体を可視化し、プロセス全体を見通した観測データの収集と分析を可能にしています。
いち早くNew Relicを適用した「KINTO ONE中古車」では、フロントエンドでの高度なエラー検知、複数システムのログの統合、ログとメトリクスを突合せた分析が可能になりました。中でも、APM(アプリケーションパフォーマンス監視)とBrowser(ブラウザーモニタリング機能)でユーザー体験を定量的に把握し、スロークエリの発生場所を特定してボトルネックを解消し、最終的にフロントエンドの表示速度を大幅に改善させることができました。また、平均17秒を要していた特定のSQLクエリがミリ秒単位にまで短縮されたという例もあります。
New Relicを導入したことで、KINTO ONEのメインシステムでは、ユーザー体験に悪影響を与える「アプリケーションのエラーログとして検知できない不具合」にも気づけるようになりました。以前は手つかずであった「潜在的な不具合」が、エラーとして顕在化する前に対処可能になったことは大きな進化です。
KINTOテクノロジーズでは、New RelicのSession Replay 機能も活用しています。Session Replayでは、エラーが発生する前後のお客様の画面操作や、API呼び出しなどを詳細に記録・再現できます。エラーが含まれるセッションの録画を確認することで、お客様が操作の目的を達成できたのか、画面を閉じて離脱してしまったのかをリアルに把握できるため、より正確に問題の発生原因を突き止めて改善に結びつけることが可能になりました。

クルマのライフサイクルは長く、KINTO ONEでは、契約期間の3年・5年・7年にとどまらず、その後も長期にわたりデータを保持していく必要があります。これらのデータは、New Relicの「ビジネスダッシュボード」を活用することで、可視化して管理しています。例えば、車両管理や契約管理などに関連するシステムログをNew Relicのダッシュボードに集約して、それぞれの業務量を可視化しています。KINTOテクノロジーズでは、契約の開始から終了まで長期にわたり、顧客情報、契約情報、車両情報などの新規立ち上げや変更・更新に伴う膨大な業務が発生します。事業部門は、New Relicのダッシュボードに集約された情報を活用し、中長期での業務計画や人員計画、業務改善などに役立てています。
独自開発のAIエージェントを活用した取組み
New Relicの活用をアプリケーション開発チームに定着化させる取り組みの一環として、SREグループは「New Relic Analyzer」と呼ぶAIエージェントを独自に開発しました。「New Relic Analyzer」では、サービスに何らかの不具合が発生した際、アラート情報に含まれるIDをSlackにポストするだけで、AIエージェントが対象となるトレース情報とログ情報を取得・分析して何が起こったかを要約して教えてくれます。具体的には、Amazon Bedrock上のAIエージェントが、New RelicのAPI「NerdGraph」経由でログ/トレース情報を取得し、サマリーの作成、異常や傾向のレポート、リスクの早期検出や分類などをSlackに返信する仕組みになっています。

KINTOテクノロジーズ Cloud Infrastructure Group インフラストラクチャアーキテクト 島川 寿希也氏 コメント
「KINTO ONEとその関連サービスでは、ほぼ毎日リリースが行われています。開発チームは、リリース前にパフォーマンスボトルネックを把握することで手戻りを削減し、リリース後の不具合は変更箇所を追跡して解決を迅速化するなど、New Relicによって開発アジリティは確実に向上しました。KINTO ONEでは異なる開発チームが担当する複数のバックエンドシステムが連携しますが、New Relicによってシステムとプロセス全体が可視化されたことで、不具合発生時の開発チーム間での情報共有と連携が容易になりました」
■「KINTOテクノロジーズ」New Relicご採用事例の詳細は以下をご参照ください。
https://newrelic.com/jp/customers/kinto-technologies
■本プレスリリースのURLはこちらです。
https://newrelic.com/jp/press-release/20250924
■その他のお客様によるNew Relic採用事例は以下からご覧いただけます。
https://newrelic.com/jp/customers
■New Relicのファクトシートやロゴ等は、以下からご確認いただけます。
https://newrelic.com/jp/about/media-assets
■New Relicについて
2008年に創業したNew Relicは、業界におけるリーダーとして、デジタルビジネスのあらゆる重要指標を観測可能にする「オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム」を提供しています。デジタルビジネスを構成するアプリケーションやインフラストラクチャだけでなく、ユーザー側の顧客体験状況までをも観測可能にするため、企業はデジタルサービスの障害検知、顧客体験の低下検知、潜在的な問題やボトルネックを早期特定し解決するDevOpsチームを生み出します。これにより、企業は取り組むべきデジタル変革を、計測可能な戦略へと変化させることができます。New Relicの全世界顧客数は16,000以上、Fortune 100企業の過半数で採用されており、日本でも数百社を超えるお客様のデジタル変革を支援しています。New Relicが支持されている理由は、newrelic.com/jpをご覧ください。
■オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォーム「New Relic」の特長
New Relicはオブザーバビリティのリーダーとして、優れたソフトウェアの計画、構築、デプロイ、実行に対するデータドリブンなアプローチでエンジニアを支援しています。New Relicは、エンジニアがあらゆるテレメトリー(メトリクス、イベント、ログ、トレース)を取得できる唯一の統合データプラットフォームを提供し、強力なフルスタック分析ツールとの組み合わせにより、エンジニアが意見ではなくデータを用いて最高の仕事をできるよう支援します。New Relicは、シンプルで透明性の高い価格体系を採用しています。開発サイクルタイムの計画、変更失敗率、リリース頻度、平均復旧時間(MTTR)の改善を支援することにより、エンジニアに高い費用対効果をもたらします。
※New Relicは、New Relic, Inc.の登録商標です。
※本文書内の製品名および会社名は全て、それらの登録名義人の商標である場合があります。
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