〈フォーバル GDXリサーチ研究所・タニタヘルスリンク 共同調査〉2028年義務化を前に、中小企業のストレスチェック実施率はわずか11.9%

約8割が経営への影響を認識するも、制度理解と対応に大きなギャップ

フォーバル GDXリサーチ研究所

 Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、株式会社タニタヘルスリンクと共同で、従業員50名未満の中小企業におけるストレスチェック制度の認知・実施状況についての調査を実施し、研究レポートを発刊しました。

2025年の労働安全衛生法改正により、2028年4月から50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化される予定です。人手や時間に余裕のない中小企業にとって、制度理解や運用体制の整備には一定のハードルがあります。

今回のレポートでは、従業員規模1〜49名の中小企業経営者800人を対象に、ストレスチェック制度の認知状況や実施状況、今後必要とされる支援について調査しました。その結果、79.4%の企業が従業員のメンタルヘルスは経営や業務に影響すると認識している一方、2028年4月からの義務化を認知している企業は33.3%、ストレスチェックを実施している企業は11.9%にとどまりました。

URL:http://gdx-research.com/wp-content/uploads/2026/09/researchreport202609.pdf

【調査結果サマリー】

①約8割がメンタルヘルスの経営への影響を認識する一方、制度理解・義務化認知にはギャップが生じている

②2028年ストレスチェック義務化の認知は33.3%、実施率は11.9%にとどまる

③ストレスチェック実施企業でも「手間・工数がかかる」「結果の分析・活用方法」など運用面に課題

④必要な支援は「ストレスチェック結果の分析・可視化、及び活用法の支援」が最多40.0%

【調査概要】

・調査主体   :フォーバル GDXリサーチ研究所、株式会社タニタヘルスリンク

・調査期間   :2026年7月9日〜2026年7月11日

・調査対象者    :従業員規模1名〜49名の中小企業経営者

・調査方法   :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析

・有効回答数    :800人

本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1. 従業員のメンタルヘルスの影響度(n=800)

Q2. ストレスチェックの認知度(n=800)

 従業員のメンタルヘルスが経営や業務に与える影響について、「大いに影響すると思う」が36.0%、「ある程度影響すると思う」が43.4%となり、合計で79.4%の企業が影響すると認識していることがわかりました。

 一方、従業員のメンタルヘルス不調の予防を目的としたストレスチェック制度については、「知っており、他の人に説明できる」が13.4%、「知っているが、説明できるほどではない」が42.0%で、認知している企業は55.4%でした。メンタルヘルス対策の重要性は認識されているものの、具体的な制度や実施方法まで理解が進んでいない企業が多いことがうかがえます。

Q3. ストレスチェック義務化の認知度(n=800)

Q4. ストレスチェックの実施者の選任状況(n=800)

 2028年4月から50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されることの認知状況を調査したところ、「知っている」は33.3%、「知らない」は66.8%となり、法改正を認知している企業は約3割にとどまりました。

 また、実施者の選任状況では「法令上のルールを理解しており、実施者も選任できている」は14.4%で、「法令上のルールがあることを知らなかった」が54.9%と半数以上を占めました。制度改正の周知だけでなく、法令に沿った実施体制や運用方法まで含めた理解促進が重要と考えられます。

Q5. ストレスチェックの実施状況(n=800)

 また、ストレスチェックを実施している企業は11.9%にとどまり、「必要だと思うが実施できていない」は42.0%でした。

一方で「実施しておらず現時点では実施する予定もない」は46.1%となり、2028年4月の義務化を前に、制度理解と実施体制の整備が課題となっています。

Q6. ストレスチェック実施企業が感じる課題(n=95)

 実施企業が感じる課題では「特に課題はない」が32.6%で最多となりました。一方で約7割は何らかの課題を感じており、「実施・運用に手間や工数がかかる」23.2%、「結果の分析・活用方法が分からない」22.1%、「ストレスチェック制度について十分に理解できていない」21.1%が上位に並びました。制度はあるものの、中小企業側の「実施に向けたリソース」と「使いこなす力」が不足している実態がうかがえます。

Q7. 集団分析の実施状況(n=95)

Q8. ストレスチェックと集団分析結果を踏まえた対応(n=95)

 次に、ストレスチェックを実施している企業に対し、集団分析の実施状況ならびに分析結果を踏まえた対応状況について聞いたところ、実施主体に違いはあるものの、「自社で実施している」が最多の49.5%、次いで「ストレスチェック実施機関に依頼して実施している」23.2%、さらに「外部専門家・外部サービスを活用して実施している」19.0%が続いており、回答企業の9割以上が、集団分析を実施していることがわかりました。

 集団分析とは、ストレスチェック結果を部署や職場ごとに、個人を特定できない形で集計・分析し、職場全体のストレス傾向や課題を可視化する手法を指します。実施は努力義務にとどまるものの、具体的な改善策の検討に有効なため、国も実施を推奨しています。

 集団分析結果を踏まえた対応については、「職場環境の改善」57.5%、「相談窓口・面接指導の案内」43.7%が上位となりました。集団分析を行った企業の大半が、何らかの対応を行っていることが明らかとなり、単にストレスチェックを行うだけでなく、集団分析の実施とその結果を踏まえた対応まで、一連の取り組みを実施する企業が多いことがうかがえます。

Q9.ストレスチェックを実施できていない理由(n=336)

 ストレスチェックを実施できていない理由では、「対応できる人材がいないから」が38.1%で最多となり、「実施・運用方法が分からないから」36.9%、「時間的な余裕がないから」28.3%と続きました。人材不足に加え、制度をどのように運用すればよいか分からないというノウハウ面の不安が、実施に踏み切れない大きな要因となっていることがうかがえます。2028年4月からの義務化を前に、中小企業が形式的な対応に追われるのではなく、職場環境改善につなげていくためには、実施方法の理解促進や、運用体制づくりを支える支援が重要になると考えられます。

Q10.健康経営施策・ストレスチェック推進に向けて必要な支援(n=95)

 ストレスチェックを実施している企業に対し、今後、健康経営の施策やストレスチェックの推進に向けて、どのような支援が必要かを聞いたところ、「ストレスチェック結果の分析・可視化、及び活用法の支援」40.0%が最多となり、「健康経営の改善施策の提案」29.5%、「専門家への相談機会」「従業員向けの健康教育・研修」「健康管理プログラムの提供」(いずれも25.3%)と続きました。結果の分析に加え、専門的な知見を含めた改善施策の提案や従業員向けの教育や研修機会など、具体的な取り組みへの支援を求める企業が多いことが明らかになりました。

Q11. 今後の健康経営強化の意向(n=800)

Q12. 今後の健康経営強化の意向×ストレスチェックの実施状況(n=95 )

今後の健康経営を強化したい企業は「積極的に強化したい」13.0%、「ある程度強化したい」37.0%を合わせ、今後強化したい意向を持つ企業が半数を占め、従業員の健康管理や健康経営に対して前向きにとらえる企業が多いことがうかがえます。

この結果について、ストレスチェックを実施している企業に限定して集計したところ、今後強化したい意向を持つ企業の合計が46.3%と若干減少し、特に「積極的に強化したい」が全体の13.0%から9.5%に低下しました。また、「どちらともいえない」も33.0%から43.2%へ増加しました。ストレスチェックを実施しても、集団分析の結果を次の施策に活かせていない、あるいは活用の仕方がわからないケースがあることが推察されます。

フォーバル GDXリサーチ研究所所長

平良 学(たいら・まなぶ)

■経歴

 1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、

全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。

 中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント

 本レポートでは、2028年4月からのストレスチェック義務化に向け、中小企業の制度認知や実施状況を調査しました。約8割の企業が従業員のメンタルヘルスは経営や業務に影響すると認識している一方、義務化の認知は33.3%、実施率は11.9%にとどまり、制度理解や実施体制の整備には課題が残っています。

 ストレスチェックは単なる法対応ではなく、職場環境改善や健康経営につなげるための重要な取り組みです。義務化を前向きな投資として捉え、結果の分析・活用まで含めた支援を進めることが重要です。

■フォーバル GDXリサーチ研究所とは

 日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。

 フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。

HP:https://gdx-research.com/

株式会社タニタヘルスリンク 代表取締役社長 

土志田 敬祐(としだ・けいすけ)

■経歴

 2001年に株式会社タニタに入社後、2008年より当社の事業に参画。2012年に当社の取締役に就任し、2020年より現職。

より多くの職場や地域が活力に溢れ、そこで働く人や暮らす人が健康で充実した生活を送れるよう、企業や自治体における「健康経営」や「健康まちづくり」をサポートする事業を展開。そして、スローガンに掲げる「日本をもっと健康に!」の実現に向けて、ヘルスケア分野に新しい価値を創出しながら、「健康経営」や「健康まちづくり」の輪を全国に広げ、子どもや孫の世代が幸せに暮らせる持続可能な社会を目指して取り組みを進めている。

■コメント

 本調査では、約8割の中小企業が従業員のメンタルヘルスの重要性を認識している一方、2028年の義務化への対応や結果の分析・活用に高いハードルを感じている実態が明らかとなった。人材や時間が不足しがちな中小企業ではあるが、義務化を単なる「形式的な対応」で終わらせず、「前向きな投資」として捉えることが重要である。日本経済の屋台骨であり、今後の成長の鍵を握るのは他でもない中小企業である。変化の激しい時代を生き抜くためには、働く一人ひとりが心身ともに健康であることが不可欠であり、それこそが持続可能な経営の土台となる。今回の義務化を前向きな一歩と捉え、共に活力ある日本の未来を創り上げていきたい。

■株式会社タニタヘルスリンクとは

 タニタグループが培ってきた健康づくりの知見をもとに、企業・健康保険組合・自治体などに向けて、健康経営や健康まちづくりを支援するヘルスケアサービスを展開しています。健康管理アプリやIoT対応機器から得られるデータを活用し、一人ひとりの健康状態を「見える化」することで、行動変容と生活習慣の改善・定着をサポートしています。

 「タニタ健康プログラム」を中心に、誰もが楽しく続けられる健康づくりの仕組みを提供し、スローガンに掲げる「日本をもっと健康に!」の実現に向けて、職場や地域における健康づくりの輪を広げています。

HP:https://www.tanita-thl.co.jp/

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会社概要

株式会社フォーバル

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URL
https://www.forval.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 五丁目52番地2号 青山オーバルビル14階
電話番号
03-3498-1541
代表者名
中島 將典
上場
東証スタンダード
資本金
41億円
設立
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