報道機関向け説明会「支援者・学生団体代表も参加 震災後10年目の東北における若者支援の現状共有および若者による社会課題解決を支援する新プログラムについて 」を実施。
「TOMODACHI ファミリーマート SDGs リーダーシッププログラム in 東北~東北から全国へ、そして世界へ~」
2021年8月3日(火)宮城県庁にて、TOMODACHI ファミリーマート SDGs リーダーシッププログラム in 東北実行委員会は(以降、実委 主催:公益財団法人 米日カウンシルージャパン TOMODACHIイニシアチブ、共催:株式会社ファミリーマート、運営事務局:NPO法人ETIC. / 一般社団法人ワカツク)、「東北における若者支援の現状」と本プログラムの詳細をご紹介する報道機関向け説明会を行いました。
東日本大震災から10年という節目を迎え、復興の新たなステージに入った東北地方ですが、岩手・宮城・福島の被災3県の若い世代の域外流出は大きな課題としてとらえられており、あわせて、若者を対象にした支援も年々減少してきています。
実委は、持続可能な東北であるために、東北の基盤づくりを支え、課題解決に向けた歩みを確かなものにしたい社会起業家を育てるプログラム「TOMODACHI ファミリーマート SDGs リーダーシッププログラム in 東北~東北から全国へ、そして世界へ~」を開催します。東北を基盤として「何かを始めたい」という想いやアイデアを持つ全国の18歳以上30歳未満の100名を対象にイベントを開催し、以降約5ヶ月間に約50名のアクションを支援するプログラムをオンラインで実施します。
当日は、本プログラムの主催団体や事務局のほか、プログラム参加予定で仙台を拠点に活動する学生団体の代表も参加し、東北の若者支援の現状と、プログラムの説明や主催・共催者からのメッセージを伝えました。
●東北における若者支援の現状について
東北の若者支援は減ったが、東北のために何かやりたい若者は変わらずいる。だから活動する若者同士が知り合う機会や、彼らが活動のノウハウを得る機会が減っている
まず初めに、東日本大震災を機に宮城県仙台市で設立し、大学生を中心とする若者の支援を行なってきた一般社団法人ワカツク代表理事の渡辺一馬氏による、東北の若者支援の現状についての説明がありました。
「震災直後から、東北や全国の若者のべ1万人の支援をしてきました。活動開始から10年が経ち、当時支援した若者の中には、東北への移住や、起業など活躍している人も出てきています。
一方で、年々若者への支援は減っています。しかし、東北のために何かしたい若者は変わらずいるので、活動する若者同士が知り合う機会や、彼らが活動のノウハウを得る機会が減っています。私も10年前は30代前半で、周りの大人や同年代の仲間の応援があったから団体を立ち上げ、ここまで続けて来られました。
今は、事業計画書を書くことができれば起業支援というかたちで応援してもらえますが、東北をより良くしたいという思いや、コロナ禍で困っている人のために何かしたいという気持ちだけでは、応援してもらえない。ビジネスにならないならやめておけ、専門家に任せておけ、という雰囲気さえあるように感じます。」
コロナ禍を機に始めた教育大生による子供支援。1年続け、組織運営、資金、広報面の課題が見えてきた
次に、2020年5月、コロナ禍で子供支援の学生ボランティア団体manacoを立ち上げ、オンライン上で400回以上の学習サポートや相談を実施してきた宮城教育大4年の中野柊一郎氏が自身の活動と課題について発表しました。
「震災当時は小学6年で何もできませんでした。生まれ育った大好きな仙台でできることを探していた時、コロナ禍の一斉休校があり、教師をめざす大学の仲間で、ひとりでも多くの子供を支えたいと活動を始めました。すると、不登校、障害、性的マイノリティ、経済面など、課題を抱える子供の多さに気付き、休校解除後も活動を継続しています。活動開始から1年、メンバーも約40名に増えましたが、組織運営、活動資金集め、広報活動など、団体を運営する難しさを感じています。」
●プログラムの趣旨・スケジュールについて
“応援しあう東北”をコンセトに、仲間をつくり、リーダーシップスキルを活動に活かし、SDGsへの貢献を目指すとともに、「世界をリードする東北」の姿を発信する5ヶ月間のプログラム
続いて、再びワカツク代表理事の渡辺一馬氏より、
「このような現状で、中野さんのように東北の社会課題解決のために活動をしている若者が、世代を越えて支えあうコミュニティをつくり、地域に根ざす活動を実践するためのプログラムを、このたび、公益財団法人 米日カウンシルージャパン TOMODACHIイニシアチブと、株式会社ファミリーマートの支援により、実施することとなりました。“応援しあう東北”をコンセプトに、ここで培ったリーダーシップスキルを継続的なものとして活動に活かし、SDGsへの貢献を目指すとともに、「世界をリードする東北」の姿を発信します。」と述べた上で、プログラムの説明を行いました。
プログラムは全てオンラインで参加無料。8/12,13(木金)夜に2日間のアカデミー。その後、約4ヶ月間のアクションコースを経て、12月の報告会で幕を閉じます。
アカデミーでは、初日は「先駆者から学び、共感を熱量に変える」をテーマに、栗原エミル氏(学生生活を過ごした秋田で学生起業・株式会社アウトクロップ代表)、眞下美紀子氏(都内企業へ就職後、Uターン就職・北三陸ファクトリー取締役)、早坂正年氏(妻の実家の農業手伝いを経て、2年後に起業・ブルーファーム株式会社代表)の話を聞き、2日目は「発信する、応援しあえる仲間がいることを知る」をテーマに相互交流を行います。
アクションコースでは、4ヶ月間で、コミュニティ、メンター、知識・スキルの3つを柱に、少人数のグループにプロジェクト推進の伴走役(東北の人材育成に取り組むコーディネーター)がつき、東北の先輩起業家(メンター)への相談・アドバイス、行動計画などの学びを通して活動を実践します。
報告会は「応援しあう東北スペシャルライブ」として、参加者全員がプログラムでの学びや、今後のアクションを発表します。
プログラム詳細はウェブサイトをご覧ください。
応援しあう東北公式ウェブサイト
https://www.ouenshiautohoku.com/
その後、主催者、事務局、共催企業からのコメントとメッセージがありました。
●主催者コメント:公益財団法人 米日カウンシルージャパン TOMODACHIイニシアチブ 事務局長 津田順子氏
TOMODACHIイニシアチブは、東日本大震災後の東北と世界を友達として繋ぎ、日米の次世代リーダーを育成する活動を、高校生から若手社会人を対象に行ってきました。プログラム卒業生はのべ1万人ほどで、最近のアンケートでは、彼らの約半数が留学やボランティア活動、新しい学業、起業など何らかのアクションを起こしています。
このプログラムは、震災当時10代で、復興とともに成長した若者たちのソーシャルアクションを応援するものです。志ある若者たちを支援し、彼らが周りを巻き込んで、大きなうねりを生み出し、さらなる次のリーダーが生まれる連鎖をつくっていきたいと思っています。
●事務局コメント:NPO法人ETIC.(エティック)山内幸治氏
昨年頃から東北では若い世代の挑戦が顕著です。宮城県南三陸町では、震災後、北海道に避難したが、農業大学を卒業し南三陸の農業を支えたいとUターンして新規就農した女性がいます。女川町でも、20代の若者3名が、それぞれ東北のために起業しようとしています。復興を担う多様な分野のリーダーの活動により、今の東北は、リーダーシップが集積する稀な地域です。一人勝ちではなく、いかに地域を持続可能にするか、まさにSDGsのパートナーシップで目標を達成しよう、という光景です。10年間活動を続けてきたリーダーたちと、次世代のリーダーたちとが繋がり、チャレンジが育まれるコミュニティづくりを、ぜひ応援いただきたいと思います。
●共催企業メッセージ:株式会社ファミリーマート 管理本部 サステナビリティ推進部 CSR推進グループ マネジャー 大澤寛之氏
ファミリーマートは、これまで、震災遺児への奨学金基金への寄付、被災地の学校への講師派遣、地域拠点づくりのサポートや、2013年からは「ファミリーマート 夢の掛け橋募金」を通じて「TOMODACHIイニシアチブ」への寄付を通じ、女子高生を対象としたキャリアメンタリングプログラムの実施など、様々な東北の支援をしてきました。
震災から10年が経ち、関心の低下、若い世代の域外流出など復興における課題の変化と、コロナウイルス感染拡大という新たな問題により、人と人との繋がりがより一層強く求められるようになっています。本プログラムでは、SDGsをテーマに社会課題解決に意欲を持つ若者を応援し、東北の未来を創り、地域の発展に貢献する人材づくり、人と人のネットワークづくりにつながるプログラムを提供してまいります。
●質疑応答
最後の質疑応答では、以下のような質問と回答がありました。
Q. プログラムを通じて、どういった繋がりをつくりたいのか
A. 若者同士が、応援してほしい、助けてほしい、を積極的に言い合える、気軽に相談できる関係をつくりたいと思っています。若者が地域で活動をしていると、周りの大人に褒められ高く評価されます。そうすると、困った時に助けてほしいとは言いにくい。そういう時に、このプログラムでの繋がりを活かしてほしいと思います。(渡辺)
Q. 人の繋がりは復興や次世代育成の大きなポイントになるのか
A. はい。なると考えています。被災地復興10年を振り返ると、住民同士の繋がりがもともとあった地域は復興も早く進んだと思います。一方で住民同士の繋がりのなかった地域は、繋がりをつくることから始めなければならず、復興は遅れたように思えます。私は人の繋がりで救われたからこそ、繋がりをつくり続けたいと思っています。(渡辺)
Q. 金銭的な支援よりノウハウ支援が必要なのか?
A. はい。そう思います。さらに言うと、ノウハウよりも、もっと根本的なものとして、「あなたが本当にやりたいことは何ですか?」と問い合える関係性が必要だと思っています。それはインターネットでは探せません。ノウハウはインターネットでも学べます。「どう生きたいの?」と問われて深く考え、「本当にこれがやりたい」と思った時に、挑戦への思いが強くなり、大きな一歩を踏み出せます。そんな体験を、プログラムを通じて一人でも多くの若者にしてほしいと思います。(渡辺)
Q. プログラムでできたコミュニティは、終了後も継続するのか
A. はい。事務局のワカツクとしては、コミュニティを維持し続けたいと思っています。プログラム参加者が次の世代を応援している姿を見届けたいと思っています。(渡辺)
■プログラム詳細
・「応援しあう東北」公式WEBサイト https://www.ouenshiautohoku.com/
・「応援しあう東北アカデミー」 https://ouenshiau-tohoku-academy.peatix.com/
・Facebookページ https://www.facebook.com/ouenshiautohoku/
・Twitter https://twitter.com/ouenshiautohoku
・Instagram https://www.instagram.com/ouenshiautohoku/
TOMODACHI ファミリーマート SDGs リーダーシッププログラム in 東北 実行委員会
主催:公益財団法人 米日カウンシルージャパン TOMODACHIイニシアチブ
共催:株式会社ファミリーマート
運営事務局:NPO法人ETIC. / 一般社団法人ワカツク
※ 「TOMODACHIイニシアチブ」について
東日本大震災の復興支援から生まれ、教育、文化交流、リーダーシップといったプログラムを通して、日米の次世代のリーダー育成を目指す米日カウンシルと在日米国大使館が主導する官民パートナーシップで、日本国政府の支援も受けています。日米関係の強化に深く関わり、互いの文化や国を理解し、より協調的で繁栄した安全な世界への貢献と、そうした世界での成功に必要な、世界中で通用する技能と国際的な視点を備えた日米の若いリーダーである「TOMODACHI世代」の育成を目指しています。
http://usjapantomodachi.org/ja/
※ 「株式会社ファミリーマート」について
ファミリーマートは、今年創立40周年を迎えます。様々なきっかけでお客さまがさらにファミリーマート店舗に足を運んでいただけるようになる(=ファミマる。)ために、本年は40周年に向けたチャレンジ「40のいいこと!?」に取り組んでまいります。これからも「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のもと、地域に寄り添い、お客さま一人ひとりと家族のようにつながりながら、便利の先にある、なくてはならない場所を目指してまいります。 2021年は店頭募金「ファミリーマート夢の掛け橋募金」を通じて、お客様からお預かりした募金の一部とファミリーマートの企業寄付をもとに、東北の未来を創り、地域の発展に貢献する人材づくりのプログラムを提供してまいります。
【ファミリーマート40周年は「40のいいこと!?」】
https://www.family.co.jp/campaign/spot/2021_40th.html
※ 「NPO法人ETIC.(エティック)」について
1993年設立。日本初の長期実践型インターンシップの事業化や若手社会起業家への創業支援を通じ、これまで約9,700名の若者たちが変革・創造の現場に参加、1,600名を超える起業家が輩出。その仕組みを全国70の連携組織へ広げています。東日本大震災後は「震災復興リーダー支援プロジェクト」を実施。東北のリーダーを支える「右腕プログラム」を立ち上げ、154のプロジェクトに、262名の右腕人材を派遣。日米交流プログラムも実施しました。
http://www.etic.or.jp/
※ 「一般社団法人ワカツク」について
東日本大震災を契機として2011年に設立されました。地域を担う人材が挑戦を続けられる生態系の構築を目指して、課題解決型人材の育成や若者が挑戦できる環境づくりに取り組んでいます。
http://www.wakatsuku.jp/
※ 「学生ボランティア団体manaco」について
すべての子どもに寄り添うためのオンライン上の子どもの居場所を提供している宮城教育大学学生によるボランティア団体。2020年春のコロナ禍による一斉休校措置を機に設立。活動を進めるうちに不登校、障害、経済的理由など様々な理由で学校に行けない子どもたちと出会い、彼らを支えるために活動を継続。オンライン上で、無料の学習支援、雑談や悩み相談のできるトークルーム運営、学生や社会人が教育について学ぶイベント開催などの活動を行っています。
http://manaco0501.com/
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