保護者の関与に「やりがい・満足を感じる」はスポーツクラブが最多 ―運動部・文化部・スポーツクラブの比較―
中学生のスポーツ活動と保護者の関与に関する調査(速報値)
「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進する笹川スポーツ財団(東京都港区赤坂 理事長:渡邉 一利 以下、SSF)では、2025年1月に、中学生の子どもをもつ保護者(母親・父親)3,136名を対象とし、「中学生のスポーツ活動と保護者の関与に関する調査」を実施しました。このたび、本リリースにて速報値の結果をお知らせします。
これまで、中学生の保護者向けの調査では、子どもの活動頻度や時間などの実態を問うものが多く、保護者がどのように中学校期の子どものスポーツに関与しているかは明らかにされていませんでした。本調査により、中学生のスポーツ活動に対する保護者の関与の実態や意識、活動への支出状況など、より詳細な実態が明らかになりました。
※本調査では部活動(運動部・文化部)およびスポーツクラブにおける保護者の関与を扱っており、子どもが両方に加入している場合は、双方の分析対象に含めている。
▼公式ウェブサイト
https://www.ssf.or.jp/thinktank/children_youth/jhs_and_parents_2024.html

■調査結果のポイント
1. 運動部・スポーツクラブでは保護者の関与が多い
・保護者の関与は「お子様の送迎をする」が最も多く、「お子様の飲み物や食事を用意する」、「保護者間の
連絡や情報共有を行う」と続く
・スポーツクラブでは運動部や文化部に比べて、送迎や指導者との連絡が多い
2. スポーツクラブでは保護者のやりがい・満足度が高い
・スポーツクラブでは運動部や文化部と比較し、保護者が関わることにやりがいや満足を感じている割
合が高い
3. スポーツクラブでかかる費用は部活動に比べて高い
・1年間で家庭が支払う費用の平均値は、運動部50,857円、スポーツクラブ155,799円
・運動部は10,001~50,000円が46.9%と最も多く、スポーツクラブは支出額の分布にばらつきがあり、50,001円以上の高額負担が多い
■研究担当者コメント
本研究では中学1~3年生の母親・父親計3,136名を対象とした大規模調査を実施し、保護者の目線から中学生のスポーツ活動の実態を把握しました。これまで十分に研究がされてこなかった、中学生の保護者による部活動やクラブチームへの関わりや、具体的な支出を明らかにした点に価値があります。
調査の結果、運動部やスポーツクラブでは、文化部に比べて保護者の関与が多いことが確認されました。また、費用については、運動部活動はスポーツクラブよりも安価であることが示されました。
今後は報告書の発刊に向けて、子どもの属性や地域差、種目による違いなど、詳細な分析を進めてまいります。本研究が、子どもたちのスポーツ環境やそれをささえる家庭の役割についての議論を深める契機となることを願っています。
【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策ディレクター 宮本幸子】
<主な調査結果>
1. 運動部・スポーツクラブでは保護者の関与が多い
子どもが加入する部活動やクラブ、教室における保護者の関与についてたずねた(図表1)。いずれの活動においても「お子様の送迎をする」(運動部63.0%、文化部32.1%、スポーツクラブ78.1%、以下同)が、最も高い。続いて「お子様の飲み物や食事を用意する」(64.3%、22.9%、60.2%)、「保護者間の連絡や情報共有を行う」(32.1%、11.6%、31.9%)という結果であった。特に、スポーツクラブでは送迎や指導者との連絡が多いことがわかる。
図表1. 保護者の関与

2. スポーツクラブでは保護者のやりがい・満足度が高い
子どもが加入する活動(運動部・文化部・スポーツクラブ)ごとに、保護者が自身の関わり方をどのように感じているかを、1=まったくあてはまらない、10=とてもあてはまるまでの10段階でたずねた(図表2)。6点以上と回答した割合をみると、「やりがいを感じている」は、スポーツクラブ57.8%>運動部49.2%>文化部31.0%であった。同様に、「満足している」はスポーツクラブ66.7%>運動部57.8%>文化部50.7%と、スポーツクラブに子どもを通わせている保護者のやりがいや満足度が総じて高い結果となった。
図表2. 部活動・スポーツクラブへの関わりに対する意識


注) 選択した10段階の数値について、1~5は「あてはまらない」、6~10は「あてはまる」と解釈できる。
3. スポーツクラブでかかる費用は部活動に比べて高い
子どもの部活動やスポーツクラブについて、1年間で家庭から支払うおよその費用をたずねた(図表3)。平均値でみるとスポーツクラブ(155,799円)が運動部(50,857円)を大きく上回る結果であった。支払い金額の分布でも、運動部は10,001~50,000円の支払いをしている家庭が46.9%と最も多い。一方、スポーツクラブは支出額の分布にばらつきがあるものの、50,001円以上の支払いをしている家庭が一定数いることがわかる。
図表3. 1年間で家庭から支払う費用総額


注) 費用は「部費/会費・参加費」「保護者会費」「後援会費」「用品費」「交通費」「合宿・遠征費」「飲食費」「大会やコンクール、発表会等への参加費」「その他」の9項目について回答を求め、それらの合計値を「費用総額」として示している。なお、金額は個人差が大きく、一部には高額なケースもみられるため、平均値の解釈には慎重を要する。ただし、外れ値の影響を考慮した処理を施しても、スポーツクラブの費用が運動部の約3倍である傾向に変化はなかった
■調査概要
【調査名】中学生のスポーツ活動と保護者の関与に関する調査
【調査時期】2025年1月
【調査方法】登録モニターを対象としたインターネット調査。
【調査対象】中学1~3年生の第1子をもつ保護者(母親・父親)が対象。
※子どもの属性(性別・学年・地域ブロック)は人口構成比に応じて割り付けた。
【回収状況】3,136(母親1,586、父親1,550)
※データクリーニングの過程で、同一選択肢が連続するなど回答傾向が不自然と判断されるケースを除外した。
【主な調査項目】部活動の種類/スポーツクラブ・教室の種目/活動日数・時間/競技レベル/費用/部活動(クラブ)にある組織/保護者の関与とやりがい・負担感/保護者の関与に対する意識/部活動(クラブ)を通した経験/部活動(クラブ)への期待/子どもの運動・スポーツに対する意識/子どものスポーツに対する一般的な考え方/子どものスポーツ環境/中学入学以前のスポーツ歴/子どもの属性/家庭環境、保護者の属性 など
【研究担当者】公益財団法人笹川スポーツ財団 政策ディレクター 宮本 幸子
【共同研究者】早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授 中澤 篤史
【研究協力者】名古屋芸術大学 芸術学部 講師 加藤 一晃
立教大学 スポーツウエルネス学部 助教 村本 宗太郎
早稲田大学 大学院スポーツ科学研究科 博士課程 須藤 巌彬
〃 船木 豪太
※肩書は2025年3月時点
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