〈2026年度第1回 中小企業経営実態調査〉政府が「日本AX」を掲げるなか、中小企業のAI活用に「理解から実践」への壁 AI活用への理解は66.5%、業務活用は36.9%にとどまる

フォーバル GDXリサーチ研究所

 Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2026年度第1回 中小企業経営実態調査」を実施しました。

 政府は2026年7月14日、第Ⅱ期の人工知能基本計画※を閣議決定し、「日本AX(AIトランスフォーメーション)」を掲げて、行政・産業・地域を含む社会全体でAIを前提に業務や組織のあり方を見直す方針を示しました。人手不足や生産性向上が中小企業の経営課題となるなか、AI活用は一部の先進企業だけの取り組みではなく、限られた人材で業務を回し、成長につなげるための現実的なテーマになりつつあります。

 一方で、今回の調査では、AI活用を理解する中小企業は66.5%に上る一方、業務で既に活用している企業は36.9%にとどまりました。さらに、AIの必要性を感じながら導入できていない理由としては、「専門知識・ノウハウを持つ人材がいない」「どの業務に使えるかわからない」「具体的な進め方がわからない」が上位に挙がっています。

 本リリースでは、中小企業におけるAI活用の理解度、導入・活用状況、導入できていない理由、今後の推進意向などを調査し、AI活用が"理解"の段階から"業務実装"の段階へ進むために必要な課題を明らかにします。

※出典:内閣府「人工知能基本計画」(2026年7月14日閣議決定)

 https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_plan/ai_plan.html

URL:https://gdx-research.com/wp-content/uploads/2026/08/bluereport_202609.pdf

【調査結果サマリー】

① AI活用の理解は66.5%まで広がる一方、業務で既に活用している企業は36.9%

② AI活用は文書作成・情報収集など身近な知的業務から進み、未導入の壁は人材・ノウハウ不足

③ 既に活用・試験運用している企業の9割超が、今後のAI導入・活用に前向き

【アンケート概要】

・調査主体   :フォーバル GDXリサーチ研究所

・調査期間   :2026年6月1日~2026年6月30日

・調査対象者    :全国の中小企業経営者

・調査方法   :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析

・有効回答数    :1,653人

本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

Q1. 事業におけるAI活用の理解度(n=1,653)

Q2. AIの導入・活用状況(n=1,099)

 事業におけるAI活用の理解度について、「仕組みや活用メリットを深く理解し、業務にどう適用できるか把握している」は22.7%、「概要は知っているが、自社事業への適用方法までは理解できていない」は43.8%となり、AI活用の理解度は66.5%に達しました。一方、自社の業務への具体的な活用について理解する中小企業は、2割程度にとどまることがわかりました。AIについて認知していても、それを自社事業でどのように活用できるか、結び付けて考えられなければ効果的な運用は難しいことがうかがえます。

 「仕組みや活用メリットを深く理解し、業務にどう適用できるか把握している」「概要は知っているが、自社事業への適用方法までは理解できていない」を選択した企業に対し、AIの導入・活用状況について聞いたところ、「既に業務で活用している」が36.9%で最も高く、「導入に向けて検討・試験運用」が20.1%と合わせると半数を超える企業がAIの導入に前向きなことがわかりました。

Q3. AIの導入・活用状況×事業におけるAI活用の理解度(n=1,099)

 AI活用に向けた理解度別で、本調査結果を再整理したところ、「仕組みや活用メリットを深く理解し、業務にどう適用できるか把握している」と回答した企業に限定すると、実に8割以上の企業が「既に業務で活用している」ことがわかりました。AI活用に関する理解の把握にとどまらず、仕組みや活用メリットまで深く理解している企業においては、積極的にAIを活用しようとする姿勢が見受けられました。

Q4. AIの活用・導入を検討している業務(n=303)※複数回答可

Q5. AIの活用・導入を検討した理由(n=303)※複数回答可

 AIを「既に業務で活用している」と回答した企業に対し、どのような業務でAIを活用、または導入を検討しているか、導入を検討した理由について聞いたところ、最も多かったのは「文書作成・要約・校正」の71.9%でした。次いで「情報収集・調査」61.7%、「企画案・アイデア出し」52.8%、「営業資料・提案書の作成」50.5%となり、比較的取り入れやすい知的業務を中心に活用が進んでいることがわかりました。

 AIの活用・導入を検討した理由では「業務効率化・工数削減のため」75.9%、「生産性向上のため」67.7%が突出しており、「業務品質・サービス品質を向上させるため」43.2%が続きました。現時点では新規事業創出や競争力強化よりも、日々の業務改善を目的とした活用が中心であることがうかがえます。

Q6. AIを導入できていない理由(n=376)

 「AIの導入・活用状況」を問う設問で「必要だと思うが導入できていない」と回答した企業に対し、その理由を聞いたところ、最も多かったのは「専門知識・ノウハウを持つ人材がいないため」の53.7%でした。次いで「どの業務に使えるかわからないため」が47.9%、「具体的な進め方がわからないため」が47.3%となりました。

 前述の通り、AIの活用・導入を検討している企業では「業務効率化・工数削減」や「生産性向上」を目的とする回答が上位となっている一方、未導入企業では、AIを自社のどの業務に適用すべきか、どのような手順で導入を進めるべきかが見えにくい状況にあることがうかがえます。中小企業のAI導入を後押しするためには、費用面の支援だけでなく、具体的な活用業務の提示や導入手順の整理、社内人材の育成、外部専門人材による伴走支援が重要になると考えられます。

Q7. 今後の推進について(n=1,003)

Q8. 今後の推進×AI導入・活用状況(n=1,003 )

 AIの導入・活用について「導入するつもりはない」と回答した企業を除く全体に今後のAI導入・活用の推進意向について聞いたところ、「大幅に注力し、推進する」が29.8%、「やや注力し、推進する」が53.4%となり、合計83.2%の企業が前向きな姿勢を示しました。一方で、「現状を維持する」は14.8%、「推進する予定はない」は2.0%にとどまりました。

 AIの導入・活用状況別に見ると、既に業務で活用している企業では「大幅に注力し、推進する」60.4%、「やや注力し、推進する」31.4%で、9割超が推進意向を示しました。「導入に向けて検討・試験運用している」企業では25.8%、「必要だと思うが導入できていない」企業では8.0%となり、活用状況によって大きな差がみられたました。AIの導入・活用が具体的に進んでいる企業ほど、その効果や有用性を実感する機会があることから、今後さらに活用を進めようとする意向につながっている可能性が見受けられます。

 また、「必要だと思うが導入できていない」企業でも「大幅に注力し、推進する」9.1%、「やや注力し、推進する」63.6%で、7割以上が前向きであり、未導入企業においてもAI活用の必要性は広く認識されていることがうかがえます。

フォーバル GDXリサーチ研究所所長

平良 学(たいら・まなぶ)

■経歴

 1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げを経て、

2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバルGDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。

 中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、独自・共同研究、GDXやESGの講演、中小企業経営者向けイベントなどを通じて、中小企業のGDXを発信している。

■コメント

 AIの導入済み企業では、文書作成や情報収集、アイデア出しなど、比較的取り入れやすい知的業務での活用が中心であり、目的・効果も業務効率化や工数削減が上位を占めました。一方で、導入したくてもできない理由としては、人材の不足や、AI実装への理解不足が挙げられています。国は「AX(AIトランスフォーメーション)」を掲げ、AIによる企業の事業変革を成長戦略の中核に据えています。一方で本調査からは、中小企業のAI活用は業務効率化や生産性向上、工数削減などを目的とした「守りの活用」が中心であり、また自社でのAI活用の理解が追い付いていない企業の存在も明らかなりました。中小企業においても、業務に即した具体的な活用事例の提示や人材育成、実装に向けた知識・ノウハウの共有を通じて、AIを"知っている"段階から"業務で使える"段階へ進めていくことが重要です。

■フォーバル GDXリサーチ研究所とは

 日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。

 フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。

HP:https://gdx-research.com/

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会社概要

株式会社フォーバル

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 五丁目52番地2号 青山オーバルビル14階
電話番号
03-3498-1541
代表者名
中島 將典
上場
東証スタンダード
資本金
41億円
設立
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