「つくるって楽しい」から、学びと創造の場を育てる人へ STEAM Mentor育成プログラム「STEAM MTP」を新たに体系化
「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」に取り組む高等学校・自治体を伴走支援。5つのSkillsを体験的に育む
株式会社steAm(本社:東京都豊島区、代表取締役:中島さち子)は、これまで学校・自治体・大学・企業・文化施設等で展開してきたSTEAM教育、人材育成、共創の場づくりの実践と知見を統合・体系化し、AI時代の学びと創造の場を支える人材育成プログラム「STEAM MTP(STEAM Mentor Training Program)」として新たに展開します。
学びと創造の鍵は、新しい設備やテクノロジーそのものだけではなく、それらを活かして場を支え、一人ひとりの好奇心や創造性をひらく“人”にあると、私たちは考えています。
STEAM MTPでは、教員や大学生などの参加者自身がまず、身の回りの世界を観察し、問いを見つけ、考え、試し、つくり、表現することを体験します。その中で、生成AIやプログラミング、センサー、ロボット、3Dプリンタなど、その場や目的に応じたさまざまなテクノロジーや創造の道具にも実際に触れ、「やってみたら意外とできた」「失敗もするけれど、つくるって楽しい」「こんなこともできるんだ」という実感を大切にします。
目指すのは、高度な機材操作の専門家を育てることではありません。新しいテクノロジーを必要以上に怖がらず、その可能性や基本的な仕組みを知り、自ら試行錯誤する楽しさを体験すること。そして、その経験を土台に、児童・生徒の「やってみたい」「なぜだろう」「もっと知りたい」を引き出し、一人ひとりの創造や探究に伴走できるSTEAM Mentorを育てます。
そのために、Maker Skills、Design Skills、Inquiry Skills、Facilitation Skills、Community Skillsの5つの力を、ものづくりや探究、対話、地域・社会との実践を行き来しながら横断的に育みます。
基本プログラムは6日間。学校・自治体・施設・企業等の目的や対象、環境に応じて、3日間・2日間・1日間等の集中型プログラムへのカスタマイズも可能です。

「つくる」が、すべての人にひらかれる時代へ
21世紀初頭のMaker Movement以降、MakerspaceやFab Labに象徴される「つくる場」は世界各地に広がり、学校や大学だけでなく、公共図書館など市民に身近な場所にも展開されてきました。さらに生成AIの登場によって、文章、画像、音楽、映像、プログラムなど、専門的な技能を持たなくても、自らのアイデアを試し、形にできる領域は急速に広がっています。
一方、設備や機材を整えるだけで、そこが自然に「つくる場」になるわけではありません。新しいテクノロジーが「専門的で難しい」「理系や技術に詳しい人のもの」と受け止められれば、利用する人は限られ、日常的な創造や探究にはつながりにくくなります。
steAmがこれまで多様な教育・共創の現場で実践してきた中で重視してきたのは、設備そのものと同時に、そこに生まれる「文化」と、それを支える「人」です。
steAmでは、ここでの「人」を「STEAM Mentor」と位置づけています。STEAM Mentorは、機材操作を教える専門家ではなく、自らも新しい技術や創造を楽しみながら、一人ひとりの好奇心や問いに伴走し、時に人・知・技術・社会をつなぎ、正解の決まっていない創造や探究が自然に生まれ、広がっていく文化を支える存在です。
AI時代の「つくる」――自分の声を持ち、形にする
「つくる」は、モノだけではありません。サービスや体験、仕組み、場、組織、人と人との関係など、新しい価値を生み出すことを、steAmでは広く「創造」と捉えています。
「つくる」ことの技術的な垣根が低くなるほど、「何をつくるのか」「なぜつくるのか」は、むしろ重要になります。自分は何を面白いと感じ、何を問い、何を大切にし、何を表現したいのか。STEAM MTPでは、こうした「自分の声」を持つことを、STEAMの「A=Art / Arts」に通じる創造の起点として重視します。
そして、その声や問いを、Design / Engineering / Making を通して実際の形へと育てていきます。その過程で、現代の「つくる」を支える重要な力の一つが、Computational Thinking(≒ 数理的思考)です。身の回りの世界を観察し、時にはAIが自力では感じられない何かをセンサーを通じて伝え、AIやコンピューターにも理解できる形へと翻訳する。そして実際につくり、動かし、結果を読み取り、また考え直す。こうした試行錯誤を通して、自分なりの創造へとつなげていきます。
STEAM MTPでは、Artsと科学・数学・テクノロジー、感性と論理、デジタルと身体を分断せず、それらを自由に行き来しながら「つくる」経験を大切にします。そして、好奇心を刺激する知や人との出会い、遊びや余白、失敗してやり直せる環境を含め、一人ひとりの創造が動き出す「STEAM Playground」を育てていきます。
STEAM Mentorを支える5つのSkills
STEAM MTPでは、STEAM Mentorに必要な力を、Maker Skills、Design Skills、Inquiry Skills、Facilitation Skills、Community Skillsの5つに整理しています。これらを個別の知識として学ぶのではなく、実際に問い、つくり、試し、対話し、社会とつながるプロセスの中で横断的に育みます。
Maker Skills
素材やデジタル技術、さまざまな道具に触れ、アイデアをまず形にし、試しながら育てる力。生成AI、プログラミング、センサー、ロボット、3Dプリンタ等も、目的に応じた創造の道具として扱います。
Design Skills
自分や他者、社会の中にある問いや可能性を見つけ、多様な視点から新しい価値を構想し、具体的な形へと設計していく力。
Inquiry Skills
問いを立て、観察、調査、実験、対話、制作などを行き来しながら、問いそのものを深め、変化させ、新しい知や発見につなげる力。
Facilitation Skills
一人ひとりの声や個性を尊重し、対話や協働を通して、多様な人が安心して創造や探究に参加できる場を育てる力。
Community Skills
学校や施設の中だけで完結せず、地域、大学、企業、専門家、アーティストなど、人・知・技術・社会をつなぎ、新たな共創を生み出す力。
5つのSkillsは明確に分かれているものではありません。一つのプロジェクトの中で、つくりながら問いが生まれ、人との対話からアイデアが変わり、さらに新しい技術や社会との接点が見えてくる。STEAM MTPでは、こうした往還そのものを重視します。

基本6日間。体験から実践へつなぐプログラム
基本プログラムは6日間。参加者自身がまず STEAM Playground の参加者となり、新しい技術や表現に触れ、実際につくることから始めます。その上で、問いの立て方、プロトタイピング、デザイン、ファシリテーション、メンタリング、地域や社会との連携へと段階的に広げていきます。
Day 1 STEAM Playgroundの基礎/安全・創造・探究
Day 2–3 Making & Prototyping/つくる・試す・つくり直す
Day 4 Design & Inquiry/問いを見つけ、深め、形にする
Day 5 Facilitation & Mentoring/人の創造性をひらく
Day 6 Community & Showcase/社会とつながり、次の実践へ
学校・自治体・施設・企業等の目的や対象、設備、実施可能な日数に応じて、1日・2日・3日等の集中型プログラムへのカスタマイズも可能です。
高校生「今後の学校生活や探究学習に活かせそう」100%!
STEAM MTPの研修を受けた大学生メンターが運営を支えたMakerspaceでは、3か月間(のべ19日間、2箇所)で約700名の方々が訪れ、「つくる」を楽しみました。
また、STEAM MTPの基本プログラムのうち、Making & Prototypingを中心とするDay 2・3と、Community & ShowcaseのDay 6の要素を1日に凝縮した高校生向けプログラムを実施。現地参加した高校生58名全員がアンケートに回答し、「今後の学校生活や探究学習に活かせそう/ある程度活かせそう」と回答した割合は100%、セミナー全体への満足度は96.6%となりました。
さらに、「STEAM」ということばや内容への理解・親しみについては、5段階評価の平均が2.72から3.79へ上昇。肯定的回答(4・5)は34.5%から69.0%へと約2倍に増加しました。
この実践は、steAmが展開する「STEAM Player Development Program(STEAM PDP)」の短縮版にあたります。STEAM PDPでは、まずさまざまな素材やデジタルツールに触れ、遊びながら試し、自分なりの作品をつくるMakingを体験します。続いてハッカソンを通して、身近な課題やテーマに対し、チームでアイデアを出し、実際に形にしていきます。テクノロジーを使うこと自体を目的とはせず、必要に応じて使う、あるいは使わないことも含め、自分たちなりの方法を考えます。
こうした経験を通して、「自分もつくることができる」「自分も未来をつくる側に参加できる」という感覚を育むことを目指しています。
こうした「つくる」経験は、その後の探究にもつながります。調べたことをポスターやスライドにまとめるだけでなく、Arts、テクノロジー、エンジニアリング、科学・数学などを必要に応じて横断し、実際にプロトタイプをつくり、試し、人や社会との対話を通して問いそのものを更新していく。STEAM PDPでは、より実践的で創造的な、STEAM 探究へと踏み出す土台を育てます。
研修で終わらず、実践を続けるMentorへ
STEAM Mentorは、一度の研修で完成するものではありません。STEAM MTPでは、研修後もオンラインメンタリング、オンサイトでの施設訪問、学校・施設等での実践、Mentorコミュニティへの参加などを組み合わせ、継続的な実践と振り返りを支援します。
標準的な伴走支援として、年3回程度のオンラインメンタリングや施設訪問等を予定していますが、内容は導入先の目的や環境に応じて設計します。
参加者同士が互いの実践や課題を共有しながら学び合い、それぞれの学校や地域に応じたSTEAM Playgroundを育てるとともに、新たなプロジェクトや地域連携へと発展させていくことを目指します。
所定の研修・実践を修了した参加者には、「STEAM Playground Mentor」としての認定証(Certificate)を発行予定です。認定をゴールとせず、その後も実践・振り返り・コミュニティでの学びを重ねながら、Mentorとして成長を続けていく仕組みを整えます。

N-E.X.T.ハイスクールを、設備整備で終わらせない
「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」を契機に、今後各地の高等学校で、STEAM型の探究活動や、Makerspace等の新たな創造・制作環境が広がっていくことが期待されます。
しかし、新しい設備やプログラムがあるだけで、そこに日常的な「つくる文化」が自然に根づくわけではありません。生徒が「自分にもできそう」と感じ、自由に試し、問いを深め、異なる人や知と出会いながら創造を続けていくためには、その場を支える人の存在が重要です。
STEAM MTPでは、N-E.X.T.ハイスクールに取り組む高等学校・自治体をはじめ、大学、図書館、公共施設、企業、地域の創造・制作拠点等において、設備の導入からその先の「場の運営」「人材育成」「探究・創造の文化づくり」までを伴走していきます。

主な対象
STEAM MTPの主な対象は、高等学校等の教職員、近隣大学の学生・大学院生、地域企業等の若手人材などです。
特に教職員については、理数・情報・技術系の担当者やMakerspaceの運営担当者に限りません。国語、社会、芸術、外国語などを含む幅広い分野の教職員にとっても、AIやテクノロジーと向き合い、自ら問い、試し、つくりながら学ぶ経験は、これからの探究や学びを支える重要な基盤になるとsteAmは考えています。
Makerspaceの運営に直接携わらない場合でも、研修を通して新しい技術や創造のプロセスに触れることで、それぞれの教科や授業の中で活用できる新たなアイデアや、教科横断的な学びの可能性が生まれることも期待しています。
学校内外の多様な人がともに学び、Mentorとなることで、特定の担当者だけに依存せず、「つくる文化」を学校や地域全体で支えていくことを目指します。

(*)STEAM教育とは
STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art / Arts(芸術・人文知)、Mathematics(数学)を横断する、創造的・実践的な学びの考え方です。
steAmでは、STEAMを単に5つの領域を組み合わせるものではなく、好奇心やワクワク、感性や自分なりの問い(Art / Arts)を起点に、「知る(発見・気づき)」と「つくる(創造・探究)」を循環しながら、自ら問い、考え、試し、表現していく学びとして捉えています。
科学者や数学者のように考え、芸術家やエンジニアのようにつくる——そんな学び方・生き方を象徴するのがSTEAMです。21世紀に入り、こうした分野横断的で、探究・創造を重視するプロジェクト型の学びは、世界各国・地域の学校教育をはじめ、社会教育や人材育成の現場にも広がっています。
【本件に関するお問合せ先】
株式会社steAm 事務局
担当:東丸・池谷
E-Mail:pr@steam21.com
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