ライカMシステムにおける新たなマイルストーン「ライカM EV1」
初の電子ビューファインダー内蔵のM型ライカが登場

ライカは、新製品「ライカM EV1」の発表により、その歴史にまたひとつマイルストーンを打ち立て、ライカMシステムに新たなセグメントを導入しました。光学レンジファインダーを搭載したデジタルおよびフィルムのM型ライカに加え、今回初めて電子ビューファインダー(EVF)を内蔵したM型ライカをラインナップに迎えました。
「ライカM EV1」はEVFの利点とライカMシステムの伝統的価値を融合させたモデルです。ライカMシステムへのエントリーをより容易にするだけでなく、視力に左右されず、より信頼性の高い快適なピント合わせを可能にします。特に、開放f値が明るく、被写界深度が浅いズミルックスやノクティルックスといったレンズを使用する際や、超広角・望遠・マクロレンズで構図を決める際にその真価を発揮します。
ライカは100年以上にわたり写真界のパイオニアとして独自の道を切り拓いてきました。1925年には世界初の量産35mm判カメラ「ライカI」を発表し、写真表現に革命をもたらしました。このカメラはM型ライカの直系とされ、M型ライカほどライカ哲学の本質を体現するカメラはありません。アイコニックなデザイン、「Made in Germany」の精緻なクラフツマンシップ、そして妥協のない品質によって、M型ライカは70年以上にわたりライカの価値と伝統を体現し続けてきました。同時に、革新と未来につながるテクノロジーも融合させています。
M型ライカは、世代を超えて一貫した進化を遂げてきました。2006年の「ライカM8」では、フィルムのM型ライカの精神をデジタル時代へと継承。最近では、純粋なモノクロームセンサーを搭載した「ライカM11モノクローム」、敢えてディスプレイを排した「ライカM11-D」、コンテンツクレデンシャル技術を搭載した「ライカM11-P」、さらにはフィルムカメラの「ライカM6」「ライカMP」「ライカM-A」など、ライカMシステムのパイオニア精神と個性は今も息づいています。

今回の「ライカM EV1」では、長年寄せられてきたユーザーの声に応え、電子ビューファインダーを内蔵。
既存のM型ライカユーザーには新たな可能性を、そして初めてライカMシステムに触れる方には、直感的な操作でスムーズなエントリーポイントを提供します。
「ライカM EV1」のファインダーでは、使用するレンズや焦点距離、選択した絞りに応じて、実際にシャッターを切った時と同じ画像が表示されます。撮影範囲や画像の被写界深度などを直接プレビューできることは、特に超広角レンズや望遠レンズを使用する場合、構図を決める上で大きな利点となります。精密なリアルタイム露出プレビューにより、さらに安心感をもたらすだけでなく、意図的なアンダーやオーバー露出によってクリエイティブな表現の可能性も新たに広がります。さらに、内蔵の視度補正機能により、ファインダー像をユーザーの視度に合わせて調整可能。ダイヤル操作で-4から+2の視度を選択できます。
解像度:576万ドットの高解像EVFは、きわめて鮮明で自然な色再現によりクリアな画質を実現します。シャッタースピード、ISO、露出補正といった関連するすべての撮影データは必要に応じてフレーム外に表示され、常に構図全体を見渡すことができます。また、アイセンサーによってファインダーとタッチディスプレイが自動的に切り替わります。
このモデルには、他のライカカメラでも採用されているフォーカスアシスト機能が搭載されており、非常に使いやすくなっています。フォーカスピーキングにより、現在の焦点面をカラーオーバーレイで表示し、狙った画像領域へ精密にリアルタイムでピントを合わせることができます。フォーカスズーム機能も搭載されており、2段階の拡大表示でマニュアルフォーカスをより容易に行えます。フォーカスリングを回すだけで自動的に拡大表示に切り替えることも、またはファンクションボタンのいずれかを操作して手動で行うことも可能です。これにより、特に被写界深度が浅く明るいレンズを使用し、至近距離で撮影する際にも、ピンポイントで高精度にピントを合わせることが可能になります。
レンジファインダー式M型ライカでブライトフレームのプレビューに使われていた前面のレバーは、「ライカM EV1」では便利なサポート機能として活用できます。このレバーにはフォーカスアシスト機能や1.3倍/1.8倍のデジタルズームを割り当てることが可能で、状況に応じてレバーを左右に動かするだけで、フォーカスアシストを素早くスムーズにオン/オフできます。
「ライカM EV1」は、M型ライカが受け継いできたタイムレスで機能的、そしてアイコニックなデザインを継承したモデルです。高品質な素材を用いて、ドイツで職人の手によって仕上げられたこのカメラは、ライカらしい洗練された美しいデザイン言語を体現しています。ダイヤモンドパターンのレザー仕上げとミニマルなフロントデザインが、従来のレンジファインダー式M型ライカとの差別化を際立たせています。

技術面では、「ライカM EV1」は「ライカM11」をベースとしており、フルサイズBSI CMOSセンサーとトリプルレゾリューション技術を搭載。精緻な色再現性、圧倒的なディテール解像力、広いダイナミックレンジ、そして優れたノイズ耐性を兼ね備えています。撮影データは、6000万、3600万、1800万画素の解像度から選択し、DNGまたはJPEG形式で記録できます。
画像処理エンジン「Leica Maestro III(ライカ・マエストロ・スリー)」は最高解像度でも画像データを高速処理し、64 GBの内蔵メモリーまたはSDカードに保存することが可能です。Bluetooth、Wi-Fi、ケーブルによるシームレスな接続により、「Leica FOTOS」アプリとの連携もスムーズ。Bluetooth Low Energy技術を活用することで、スマートフォンへの画像転送を省電力でバックグラウンド実行することも可能です。
さらに「ライカM EV1」は、「ライカM11-P」や「ライカM11-D」と同様にライカコンテンツクレデンシャル機能に対応しています。この先進的なテクノロジーはコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)の規格に準拠しており、画像にデジタル署名を付与することで、その出所や後から加えられた変更について改ざん不可能な形で証明することができます。
「ライカM EV1」は、ライカストア、ライカオンラインストア、ライカブティックおよびライカ正規特約店にて2025年11月1日(土)発売予定です。

100 years of Leica: Witness to a century
ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀
ライカは2025年、記念すべき節目の年を迎えています。ライカ初の量産35mm判カメラとして知られる「ライカI」がライプツィヒ春季見本市で発表されたのが1925年のこと。2025年は「ライカI」誕生100周年にあたります。小さく扱いやすいサイズが大きな特長だった「ライカI」は写真の新たな用途の可能性を切り拓き、写真の世界へ革命をもたらしました。ライカはこの節目の年、そして写真界に革命をもたらしたカメラを祝して「100 years of Leica: Witness to a century | ライカの100年:世界を目撃し続けた1世紀」と銘打ったセレブレーションを世界の主要5カ国の都市(ドバイ、ミラノ、ニューヨーク、上海、東京)で展開、数々のカルチャーイベントやエキサイティングな新製品をリリースしています。また、6月には、記念すべき年のメインを飾るイベントがドイツ・ウェッツラーにあるライカ本社にて開催されました。さらに、世界各地のライカギャラリーでは傑出した写真家の作品を展示する写真展を開催しています。
ライカカメラ社について
ライカカメラ社はカメラ、レンズ、スポーツオプティクスを製造・販売するグローバルなプレミアムメーカーです。近年は成長戦略の一貫として事業領域を拡大しており、モバイルイメージング(スマートフォン)の分野にも進出しています。また、高品質な眼鏡レンズと腕時計の製造も手がけるほか、自社製プロジェクターによりホームシネマ市場に参入しています。本社はドイツ・ウェッツラーにあり、ポルトガルのヴィラ・ノヴァ・デ・ファマリカンには第2工場を置いています。世界各地に独自の販売会社と約120のライカストアを構え、グローバルな販売ネットワークを構築しています。ライカは、革新技術と組み合わさった「最高水準の品質」「ドイツならではのクラフツマンシップ」「インダストリアルデザイン」の代名詞となっています。そのブランド力を活かした活動の一環として、世界各地に約30箇所のライカギャラリー設置、ライカアカデミーの開催、「ライカ・ホール・オブ・フェイム・アワード(Leica Hall of Fame Award)」や「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」といった国際的アワードの主催をはじめ写真文化の振興に取り組んでいます。
Leica Camera Japan
https://leica-camera.com
すべての画像