【「もしも」のときに役立つ】大切な家族、友人の命を救う心肺蘇生法の手順ときまり
千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長/CEO:中田孝明)は、心肺蘇生法の手順ときまりについてのイラストレーションを、本日一般公開しました。事故や持病などで心肺機能が停止した人の命を救うには、救急隊が到着するまでの間に、その場に居合わせた人が応急手当を行う必要があります。その際、胸骨圧迫による蘇生方法のほか、AEDによる迅速な一次救命処置が望まれます。救急集中治療医の見地から、心肺蘇生法とその注意点を親しみやすいマンガで解説します。7月6日に公開した「AEDの使い方」と合わせてご活用ください。本資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用していただくことが可能です。
心肺の停止を伴う重大な事故や病変は、いつ、どこで、どのような原因で起こるか誰にもわかりません。人間は、15秒の心臓停止で昏睡状態となり、その状態が3〜4分続くと脳機能の回復が見込めなくなります。時間の経過とともに救命の可能性はどんどん低下していくため、たとえ医療従事者以外の一般者でも、その場に居合わせた人が速やかに一次救命処置を行う必要があります。
救助者は、まず傷病者の両肩を軽く叩きながら意識の有無を確認します。意識がなかったり、意識の有無が判断できなかったりした時は、近くにいる人に119番通報とAEDの持参を依頼します。意識がなく呼吸もない場合は、直ちに胸骨圧迫を実施します。救命講習などを受講した経験があり、人工呼吸の方法を知っている場合は、救急隊が到着するまでの間、あるいは心肺機能が回復するまでの間、胸骨圧迫と人工呼吸を交互に行います。人工呼吸は感染症の危険が伴うため、処置用のマウスピースを装着したり傷病者の口と鼻をハンカチで覆ったりするなど感染症対策に留意しながら胸骨圧迫と人工呼吸を続けます。
救助者による医薬品の使用などの医療行為は原則禁止されていますが、医師、救急隊に引き継ぐまでの間の一次救命措置と、気道の確保などの応急手当は医療行為とはみなされないため心配する必要はありません。いざというときに大切な家族や友人の命を救うために、覚えておきたい一次救命措置の手順と心肺蘇生法、また救助者が行ってはならない注意点を、救急集中治療医の見地から解説します。
◆テーマ
「心肺蘇生法の手順と決まりごと」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000522.html
◆心肺蘇生法の手順
- 両肩を軽く叩きながら反応があるかを確認
- 反応がない場合、判断に迷った場合は、大声で助けを求め、119番通報による救急車の要請とAEDの手配を依頼する
- 意識・呼吸がない場合は、直ちに胸骨圧迫による蘇生を行う
- 人工呼吸の方法を知っている場合は、気道を確保し実施する
- 胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を交互に繰り返す
◆胸骨圧迫蘇生方法
- 部位:乳頭を結んだ真ん中(胸骨の下半分)を強く押す
- テンポ:1分あたり100〜120回(『アンパンマンのマーチ』のリズムが目安)。中断は最小限に
- 深さ:胸が5cm沈むように圧迫。胸壁は完全に元の位置に戻す
◆気道の確保方法
片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指で、顎の先端を持ち上げる
◆人工呼吸をしてはいけない場合
- 人工呼吸の方法を訓練していない
- 人工呼吸用マウスピース等がない
- 血液や嘔吐物等により感染の危険性がある
◆救助者が守るべき6つの決まり
- 救助者自身の安全を確保する
- 救助者は、周囲の状況を観察し、二次事故(災害)の防止に努める
- 救助者は、原則として医薬品を使用しない
- 救助者は、あくまでも医師または救急隊などに引き継ぐまでの一次救命処置と応急手当てにとどめる
- 救助者は、傷病者へ必ず医師の診療を受けることをすすめる
- 救助者は、死亡診断を行わない
◆参考資料
・日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン2020
https://www.jrc-cpr.org/jrc-guideline-2020/
・東京消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/life01-2.html
・日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/study/safety/kyujyo/
◆関連プレスリリース
2022年7月6日配信
【マンガでわかりやすく】AED(自動体外式除細動器)を使用した救命方法
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000056624.html
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
※画像など当コンテンツを報道にて引用いただく場合は、「(株)Smart119 提供」と記載ください。また、その際はpress@smart119.bizまでご一報いただけますと幸いです。
<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)
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