一次産業の現場にAIをどう実装するか。農業・漁業・AIの専門家が「解決すべき課題」と「普及の仕組み」を徹底議論
「フィジカルAI」による不確実性への挑戦と、特例子会社を活用した普及ロードマップ

株式会社ジェリービーンズグループ(本社:東京都台東区)代表取締役社長・宮﨑 明は、一次産業におけるAIの在り方と普及の道筋について、IntelligenceDesign株式会社(代表取締役社長:中澤 拓二)、京都大学の小田 滋晃名誉教授、東京海洋大学大学院の北出 裕二郎教授とともに、産学連携の視点から議論を行うディスカッションに参加いたしました。
現在、一次産業では気象災害予測や「経験と勘」に代わる判断の可視化が期待されていますが、現場への普及スキームは明確には確立されていません。本議論では、宮﨑も事業家としての視点から議論に加わり、「AIが解決すべき真の課題は何か」、そして「いかにしてコストやリテラシーの壁を越えて普及させるか」について、現場目線での具体的な議論を行いました。

ディスカッション要約
1. AIが解決すべき課題:一次産業の「諦めの構造」を打破する
議論において、農業・漁業それぞれの分野から、AIが向き合うべき課題が定義されました。
「リスクの丸投げ」からの脱却(農業): 小田名誉教授は、「これまでの農業は、社会全体のリスクを個人農に『丸投げ』してきた構造にある」と指摘します。天候や病害虫といった不確定要素をデータで可視化し、「仕方ない」と諦めていた被害を予測と先回りで防ぐ技術こそが、離農を食い止めるために必要です。
「見えない海」の可視化(漁業): 北出教授は、漁船や養殖施設の被害が増える中、漁業者が抱いてきた「自然相手だから仕方がない」という諦めを、データによる予測と回避技術で支える重要性を述べました。特に、赤潮の事前予測や養殖魚のモニタリングによる病気の早期発見は、技術的なブレイクスルーになると期待されています。
2. フィジカルAIによる「意思決定の民主化」と「地域知能」
IntelligenceDesign社の中澤代表は、AIを単なる分析ツールではなく、現場の物理世界を拡張する「フィジカルAI」として定義しました。
「起きる前」の備え: 従来の「何かが起きた後の通知」ではなく、害獣出没、浸水、赤潮などのリスクを事前に警告する「予測エンジン」としての機能を重視します。これにより、生産者は「いつ動けばよいか」という明確な判断基準を得ることができます。
地域知能への進化: データを地域単位で統合し、横断的に学習させることで、AIを長期的なデータ資産である「地域知能」へと進化させ、地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引していく方針が示されました。
3. 普及の仕組み:特例子会社と制度の組み合わせによる「三方良し」
技術があっても現場に届かない最大の壁である「コスト」と「運用体制」を突破するための具体的な普及スキームが議論されました。
「障害者優先調達推進法」の戦略的活用: 自治体が特例子会社から優先的に物品やサービスを調達できる制度を活用します。これにより、生産者の個人負担ではなく、自治体予算による地域全体へのAI導入を促進し、導入のハードルを劇的に下げることが可能です。
現場を支えるミッシングリンクの解消: AIソリューションの設置や運用は、身体的負担の少ないデスクワークが中心です。これを特例子会社が担うことで、障害者の雇用創出と、一次産業の現場サポートを同時に実現する、社会貢献と技術が両立するモデルを構築します。
4. 結論:技術と現場をつなぐ「架け橋」の必要性
議論の締めくくりとして、宮﨑から「優れた技術があっても、運用する人がいなければ絵に描いた餅である」と強調。ジェリービーンズグループは、技術企業でも福祉法人でもないその中間に立ち、「技術」と「制度」を組み合わせて現場に実装するコーディネーターの役割を担うことを確認しました。
今後、各自治体での実証試験を重ね、成功事例を全国1,700以上の自治体へ横展開することで、一次産業を持続可能な「憧れの職業」へと再生させることを目指してまいります。

登壇者について
宮﨑 明(株式会社ジェリービーンズグループ 代表取締役社長)
中澤 拓二(IntelligenceDesign株式会社 代表取締役)
小田 滋晃(京都大学 名誉教授・農学博士)
北出 裕二郎(東京海洋大学大学院 教授・水産学博士)
補足
本ディスカッションについては、日本農業新聞にて記事としても掲載されるものとなります。
ジェリービーンズグループについて
株式会社ジェリービーンズグループは、複数の事業会社を統括するホールディングカンパニーとして、ファッション、スポーツ、サステナビリティ、物流、エンターテインメントなど幅広い分野で事業を展開しています。オリジナルブランドの企画・開発から卸売・小売・EC運営までを手がけるとともに、グローバルブランドの展開支援や新規事業の創出にも積極的に取り組んでいます。グループ各社が持つ専門性とノウハウを融合し、ブランド戦略の立案、マーケティング、プロモーション、サプライチェーン構築までを一気通貫で提供できる点が強みです。市場や時代の変化を的確に捉え、新たな価値を生み出し続ける総合マーケティングカンパニーとして成長を続けています。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社ジェリービーンズグループ
https://www.jelly-beans-group.co.jp/
IR・広報担当
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