【製造業の技術職・技能職 実態調査】74%がキャリア支援に不満。働きがい喪失と離職リスクを構造的に生み出す課題が明らかに
働きがいを損なう「支援の空白」が発生し、さらなる人材不足に拍車をかける恐れ

製造業の人材不足をスキルデータで解決する株式会社Skillnote(本社 東京都千代田区、代表取締役 山川隆史、以下 Skillnote)が運営する「スキルマネジメント研究所」は、製造業の技術職(※1)と技能職(※2)342名を対象とした「働きがいとキャリア形成に関する実態調査2026」を実施しました。その結果、会社・管理職によるキャリア支援への不満・中立は74%にのぼり、「キャリアパスが見えない(45.3%)」「5年後の成長イメージが描けない(39.8%)」という声が約4割を超えました。面談機会の不足、スキル可視化の欠如、キャリアパスの不透明さという3つの「支援の空白」が、働きがい喪失と離職リスクを構造的に生み出していることが明らかになりました。
※1 技術職:研究開発、設計、生産技術など製品の開発や生産プロセスの設計・改善を担う職種とする
※2 技能職:生産管理部、製造部など製造現場で直接ものづくりに携わる職種とする
調査背景
日本の製造業は、少子高齢化と技術継承難が重なり、深刻な人材育成の危機に直面している。2025年版ものづくり白書(経済産業省ほか)によれば、製造業就業者のうち若年層(34歳以下)の割合は2002年の31.0%から2023年には23.6%へ低下。また85%以上の事業所が「能力開発・人材育成に課題がある」と回答し、最多の課題は「指導人材の不足(65.9%)」となっています。一方で、現場では依然としてOJT中心の人材育成が主流だが、AIや自動化技術の急速な普及により、既存スキルだけでは対応できない能力開発の必要性が急速に高まっています。「育てる仕組み」のアップデートが、現場の競争力を左右する時代に入っています。さらに、AIや自動化の急速な普及により、OJT中心の育成では対応しきれない新たなスキル転換が求められています。
こうした環境変化の中で見過ごされがちなのが、在職する従業員の「働きがい」とキャリア形成の問題だ。キャリアパスが不透明なまま日々の業務をこなす従業員は、成長の手応えを感じられず、将来への不安を抱えやすい。その結果、意欲の低下や離職につながるリスクは、製造業の現場においても例外ではありません。しかし、キャリア開発支援の実態は企業によって大きく異なり、現場では断片的な対応にとどまるケースも多い状況です。キャリア制度や教育体系が整っていない、あるいは整っていても従業員に機能していないとすれば、それは福利厚生の問題ではなく、現場の成果と人材定着を直接左右する経営課題である。
本調査は、製造業の技能職・技術職に従事する従業員の視点から、働きがいとキャリア形成の実態を定量的に可視化することを目的としています。スキルマネジメント研究所では、「支援の有無」が従業員の成長実感・定着意向にどう影響するかを明らかにすることで、企業・管理職が今取り組むべきキャリア開発支援の在り方を示しています。
調査概要
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調査対象:10〜40代の製造業の企業に務める技術職と技能職に従事する342人
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調査期間:2026年3月25日〜4月2日
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調査方法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
※回答の構成比は第2位を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはなりません。そのため、グラフ上に表示される構成比での計算結果は、実際の計算結果とずれが生じる場合があります。
調査サマリ
調査の結果、製造業の技能職・技術職において①働きがいの停滞、②キャリアパスの不透明さ、③会社・上司によるキャリア支援の不足という3つの課題が連動して発生していることが明らかになりました。特に「支援への不満」と「成長実感の喪失」は強く結びついており、キャリア面談の機会提供・スキルの可視化・キャリアパスの明示という具体的な施策の不在が、現場の「働きがい喪失」構造の根本にあることが示されています。






調査結果
Q1.自身の仕事や業務について、5段階で評価してください。

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「やりがいや意義を感じる」肯定層は約41%に達する一方、「仕事ぶりや努力が認められている」の否定層は約26%存在し、貢献実感と承認実感の間にギャップがある
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「今の仕事に前向きに取り組んでいる」は肯定41.5%と比較的高いが、「仕事に誇りを感じる」の否定層が約31%と高く、意欲と自己肯定感が連動していない点が特徴的
Q2.自身のキャリア形成について、5段階で評価してください。

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「自身の現在のスキルレベルが分かる」は肯定40.4%と相対的に高いが、「会社の中での成長ルート(キャリアパス)が明確に見えている」は否定が45.3%と突出して高い
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「仕事に対するモチベーションは高い」の否定層が36.2%に達し、キャリアの見通しの不透明さがエンゲージメント低下に直結していることが示唆される
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成長実感の肯定・否定がほぼ拮抗(33.3%対33.3%)しており、社員を二極化させている可能性がある
Q3.会社や直属の上司から伝えられる現在の期待や評価に納得していますか?5段階で教えてください。

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「どちらとも言えない」が30.1%と最多層であり、納得も不満もできない「評価の曖昧な宙吊り状態」に多くの社員が置かれている
Q4. 一つ前の質問で1~3を選んだ方にお聞きします。あなたがそのように感じる理由にあてはまるものを、下記選択肢の中で優先度順で最大3つまで選んでください。

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「自分に何を期待しているのかが分かりにくい」が1位選択で39.7%と圧倒的首位
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「求められる水準が分かりにくい」「評価基準・理由が分かりにくい」が続き、評価の透明性・言語化の欠如が共通課題として浮かび上がる
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「評価が上司の主観に左右されている」も1位選択12.8%に上り、評価の属人性への不信感も顕在化
Q5.会社や直属の上司によるキャリア形成や成長支援に関する現在の満足度を教えてください。

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Q3(評価への納得感)と比較すると不満の差は縮まるが、依然として不満足が上回っており、支援の質・量ともに十分でない実態が示される
Q6. 会社や直属の上司による支援に関する満足度を5段階で教えてください。

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全項目で不満足が40%前後に達しており、支援の網羅的な未整備が示唆される
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特に「OJTの計画的実施」は否定最多(41.6%)で、育成の計画性・体系性の欠如が際立つ
Q7. 会社や直属の上司に期待しているものを、下記選択肢の中で優先度順で最大3つまで選んでください。

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1位期待:定期的なキャリア・期待に関する面談(30.4%) → Q6の実施実感との乖離が最も大きい施策
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2位期待:「強みが活きる業務アサイン(上位総計で高水準)」「スキル・知識・資格の整理」「習熟度の可視化」への期待も高く、「自分の現在地と将来像を会社と一緒に確認したい」というニーズが一貫して表れている
スキルマネジメント研究所所長 山川 隆史 コメント
今回の調査で明らかになったのは、「キャリア支援の不在」が製造現場における働きがいの低下と人材流出リスクの根本にある、という構造的な事実です。面談の機会、スキルの可視化、キャリアパスの提示——これらは決して福利厚生の話ではなく、現場の生産性・品質・技能継承を左右する経営課題です。「つくる人が、いきる世界へ」をビジョンに掲げる私たちは、スキルデータを基盤としたキャリア開発支援の仕組みを通じて、製造現場で働く一人ひとりが自らの成長を実感できる環境づくりに貢献してまいります。
スキルマネジメント研究所について
正式名称:スキルマネジメント研究所
所在地:東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE
設立:2022年6月
所長:山川 隆史
活動内容:「スキルマネジメント」のノウハウや知見の集約・体系化および、調査・研究、社外の有識者・学術機関との共同調査・研究 など
株式会社Skillnoteについて
「つくる人が、いきる世界へ」というビジョンのもとに、ものづくりにおける人の成長を科学し、ものづくりに関わる全ての人がいきいきと働く社会の実現を目指しています。
会社名:株式会社Skillnote
所在地:東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE
設 立:2016年1月
資本金:9億2,476万円(資本準備金を含む)
代表者:山川 隆史
事業内容:スキルデータの活用で、ものづくりに関わる人と組織の力を引き出す各種クラウドサービスの開発・販売
HP:https://skillnote.jp/
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