Hyundai Motor、蔚山に新EV専用工場を建設し、ブランドの伝統を活かした電動化ビジョンを推進
•電動化時代における同社の成長の基礎を築きながら、ブランドの伝統を高める新しいEV工場
•新工場は、548,000㎡の敷地に年間20万台のEV生産能力を有する
•プロジェクトには約2兆ウォン(約15億3000万ドル)が投資され、2023年第4四半期に本格的な建設を開始し、2026年第1四半期に量産を開始する予定
•革新的な製造プラットフォームを活用し、安全性と効率性のために最適な労働条件を備えた、人中心主義な工場
•起工式では、同社蔚山工場の半世紀以上の歴史を記念した展示を実施
ソウル、2023年11月13日発表–Hyundai Motors(以下、同社)は11月13日に、韓国の自動車産業の中心地である蔚山(ウルサン)の複合施設において、電気自動車(EV)新工場の起工式を執り行いました。このEV専用新工場は、半世紀以上前に同社の創業者が掲げた夢を基に、電動化時代における将来の成長の礎を築くものです。
EV専用新工場は、従業員に最適な労働環境を提供する革新的な製造プラットフォームを備えた人中心の施設となります。また新工場は、電動化時代における同社のモビリティ生産の拠点となります。新工場により、同社の蔚山工場複合施設は将来のモビリティ生産の拠点となります。
同社は新工場において、56年にわたるブランドの伝統、自動車事業のノウハウ、技術力を積極的に進化させ、人中心のヒューマニズムに基づき、自動車の電動化時代において人類のために革新を続けていきます。
式典には、Hyundai Motor Group会長の鄭義宣(以下、チョン・ウィソン)、Hyundai Motor Company社長兼最高経営責任者(CEO)の張在勳(以下、チャン・ジェフン)、同社副社長兼最高安全責任者(CSO)Dong seock Lee(以下、イ・ドンソク)が出席しました。また、 Doo gyeom Kim(以下、キム・ドゥギョム)蔚山広域市長、産業通商資源部のYoung jin Jang(以下、チャン・ヨンジン)第1次官などの要人も参加しました。
「蔚山の新EV専用工場は今後50年、電動化時代に向けた輝かしい未来の始まりとなります。ここで100年企業に対する夢を分かち合うことができて光栄に思います」とチョン・ウィソン会長は述べました。「過去に最高の車を作るという夢が今日の蔚山を自動車都市にしたように、HyundaiはEV専用工場を皮切りに、蔚山が電動化時代をリードする革新的なモビリティ都市になれるように取り組んでいきます」と強調しました。
蔚山広域市のキム・ドゥギョム市長は「Hyundai Motor Companyが蔚山の成長に最も大きな役割を果たしたことは間違いありません。世界の自動車産業の変化に合わせて、新しい未来を共に描いていくために今後も最善を尽くしていきます」と述べました。
チャン・ヨンジン産業通商資源部第1次官も祝辞で「Hyundai Motorは決断力のある投資で電気自動車時代の強者として浮上すると信じています。政府も大胆な税制優遇措置や経済成長を阻害する規制の撤廃など、企業投資環境の改善を優先的に支援していきます」と言及しました。
新EV工場はより良い生活を提供し、持続可能なモビリティを実現するという野心を反映
蔚山の新EV工場は、自動車産業が韓国経済の礎石となり、国の産業発展を下支えすると信じていたHyundai Motorsの創業者、鄭周永(以下、チョン・ジュヨン)会長(1915~2001)のビジョンに基づいています。半世紀以上前、彼はより良い展望を生み出し、韓国のモビリティの夢を実現するための場所として蔚山を選びました。そして今、新EV工場はその遺産を基に、世界的な影響力を与えることになります。
「私たちには世界最大の強みがあります。それは世界最高の職人たちです。彼らの能力と献身のおかげで、韓国車、Hyundaiの車はすぐに世界を席巻することになると確信しています」と創業会長チョン・ジュヨンは語りました。
彼の名言は人工知能(AI)技術によって再現され、起工式で披露されました。これは、Hyundai Motorのヒューマニズム精神を示すとともに、世界的な自動車強国になるという従業員の長年の夢を表現したものです。
1968年に組立工場としてスタートした同社の蔚山工場は、短期間で飛躍的な成長を遂げました。1975年、初の独自モデルであるポニーの量産は、韓国初の自主開発自動車を実現しようとする従業員たちの不屈の決意と驚異的な意欲を示すものでした。彼らは、韓国車を世界市場に投入するという壮大な夢に突き動かされ、国内の厳しい環境や懐疑的な見方にも関わらず、目標を達成しました。
ポニーの大量生産は技術的自立のきっかけにもなり、それまで海外市場に依存していた自動車部品生産の現地化や国産自動車生産技術の開発に繋がりました。
また、名誉会長鄭夢九(チョン・モング)が品質管理を最優先したことが、同社が韓国を越えて世界の自動車産業に足跡を残すグローバルブランドに変貌する契機となりました。
半世紀以上経った現在、蔚山工場は単一工場としては世界最大級の広さを誇ります。また、完成車生産の中心地であり、韓国自動車産業発祥の地でもあります。
電動化の時代にヒューマニズムを生かす人中心のEV専用工場
同社は、創業者の人を中心とした目標に沿って、モビリティのビジョンを前進させていきます。
同社が韓国国内で工場を新設するのは1996年の牙山(アサン)工場開設以来、29年ぶりとなります。EV専用工場は電動化時代をリードし、お客様の期待を上回る製品を提供しつつ、国内の産業基盤を強化していきます。
人々に自由な移動体験を提供し、調和のとれた共存を目指すという同社の人間中心の価値観は、お客様だけでなく、同社の従業員にも向けられています。
蔚山に新設されるEV専用工場はその価値観を反映し、革新的な生産設備を備え、従業員にとって最適な労働環境と自然との共生空間を創造し、次の50年をリードする人間中心の工場として稼働します。
同社の社長兼最高経営責任者(CEO)のチャン・ジェフンは「過去半世紀にわたり、Hyundaiの蔚山工場は、生産ラインの技術者たちが新しいことを学び、創造し、挑戦する中で進化してきました。人の力によって壮大な夢を現実のものにしてきた蔚山工場の伝統を受け継ぎ、Hyundaiは人々のためのモビリティー・イノベーションを創造するという誇りと責任を持って、電動化時代の先行者となるべく最善を尽くしていきます」と強調しました。
次世代モビリティを加速させるEV工場
蔚山に建設される同社のEV専用工場は、54万8000㎡の敷地に年間20万台のEVを生産する能力を有します。本プロジェクトには約2兆ウォン(約15億3000万ドル)が投資され、本格的な建設は今年第4四半期に開始される予定です。建設は2025年に完了し、車両の量産は2026年の第1四半期に開始される予定です。Hyundai Motor GroupのラグジュアリーブランドGenesisの電気自動車SUVが、新工場で生産される最初のモデルとなります。
蔚山のEV専用工場は、かつて同社が未来に目を向け、イノベーションを形成した試験場跡地に建設する予定です。
この試験場は、同社が海外市場への進出を積極的に模索し、世界各地の多様な地形や厳しい気候に耐えうる車両を開発していた1980年代に初めて活用されました。
この歴史的な場所で、同社はソナタ、アクセント、エラントラ(韓国での名称はアバンテ)といった高品質なグローバルモデルを開発しました。この地で早くからEVや自律走行などの先進技術研究が始まり、世界トップクラスの自動車を生み出す夢を抱いていました。
1991年には同社初のEV試作車「ソナタ(Y2)EV」が開発され、翌年にはベルギーのテストコースで初の無人運転車の初期テスト走行に成功しました。
同社の多くの車両が誕生し、未来の車両研究の種が蒔かれた総合技術試験センターは、IONIQ 5やIONIQ 6などのEVで実を結び、その技術力の高さは世界的に評価されています。
革新的な製造プラットフォームと環境配慮を特徴とした新工場
同社は、シンガポールのHyundai Motor Group Innovation Center(HMGICS)が開発した革新的な製造プラットフォームを蔚山のEV専用工場に採用し、施設の将来性を高め、従業員の安全性、利便性、効率性を優先させる計画です。
HMGICSの革新的な製造プラットフォームには、需要主導型のAIベースのインテリジェント制御システム、カーボンニュートラルとRE100認証(再生可能エネルギー100%使用)を達成するための環境に優しい低炭素工法、安全で効率的な作業を可能にする人に優しい設備などが含まれます。
同社は本プラットフォームを活用し、新EV工場に自動部品物流を含むスマート物流システムを構築します。また、柔軟な生産システムを導入して車種を多様化し、グローバル市場の変化に対応するとともに、組立設備を自動化して生産性と品質の向上を図ります。
同社は、ロボティックス、スマート物流システム、AIなどの革新的な技術により、より安全で正確かつ効率的な職場を作り、労働環境を改善する計画です。従来の工場から思い浮かべる閉鎖的なイメージから脱却した自然に配慮した空間デザインは、環境に優しい未来のモビリティ生産の発祥地として、次世代のものづくりの理念を実現します。
新EV専用工場は、重機が並ぶ殺風景な工場環境とは一戦を画し、作業員の疲労を軽減し、作業員同士の交流を促すような自然に優しい設計が特徴です。
工場内は、作業員が太陽の暖かさを感じられるよう自然光を最大限に取り入れ、休憩・執務スペースとなるグループラウンジは、人々が自然に集まれるようオープンな構成としました。
また、蔚山の自然を施設内に取り込んだ工場内のセントラルパークは、休憩スペースや各棟を繋ぐ拠点となることが期待されています。
蔚山工場の過去・現在・未来を振り返る起工式
同社は、蔚山工場の過去・現在・未来を振り返る起工式を開催しました。
創業会長チョン・ジュヨンのAIナレーションによるビデオで始まった起工式は、同社のヒューマニズム精神を反映し、人を中心とした革新と「Progress for Humanity(人類のための進歩)」というブランドビジョンに対するコミットメントを示しました。
創業会長チョン・ジュヨンの挨拶に続き、国内生産担当のイ・ドンソク副社長を交えたパネルディスカッションでは、「人のための空間」として誕生する新EV専用工場の主な特徴とビジョンが紹介されました。
最後に行われたセレモニーでは、「Portal to Another Dream(もう一つの夢への扉)」をコンセプトに、蔚山工場の過去・現在・未来を繋ぐことで、同社がEV時代をリードしていくというメッセージが伝えられました。
式典には、蔚山工場の発展に貢献したYeo chul Yoon(ユン・ヨチョル)前副会長、Eok jo Kim(キム・オクジョ)前副会長、Gap han Yoon(ユン・ガプハン)前社長が出席しました。
また、ポニーやポニークーペのコンセプトをはじめ、ポニー・エクセル、プレスト、ステラ、初代ソナタ、2代目ソナタなど、同社が初めて独立したモデルの多くを手がけた伝説のデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロも参加しました。
また、起工式を記念して、同社は蔚山工場の50年を振り返る「The Beginning of a Dream(夢の始まり)」、「The Realization of a Dream(夢の実現)」、そして「Our Dream, Dreams Ever Dreamt(私たちの夢、これまで夢見た夢)」の3つのテーマで構成された展示会を開催します。
最初のテーマ「The Beginning of a Dream」では、蔚山工場で最初に生産されたコルチナを復元し、工場設立や京釜高速道路建設に関する資料を展示します。また、蔚山から始まった創業会長チョン・ジュヨンの夢が、自動車部門に留まらず、国内産業の発展とともに広がっていく第一歩を紹介しています。
第2のテーマ「The Realization of the Dream」は、世界最大の単一自動車工場という栄誉を達成した蔚山工場の発展を描いたものです。蔚山総合自動車工場の建設、国産車「ポニー」の誕生、輸出専用ドックの建設、車両試験施設の完成などを取り上げています。
また、同社のEV試作車「ソナタ(Y2)EV」も展示され、内燃エンジンから環境対応車まで、世界最高の自動車を生み出すための従業員の努力の種が紹介されています。
最後のテーマ「Our Dream, Dreams Ever Dreamt」では、同社の蔚山工場の変遷とその一翼を担ってきた従業員たちの物語が紹介されています。蔚山工場を作り上げた従業員たちの遺品等が展示されており、彼らが長い時間をかけて集めた給料袋、従業員証、品質開発のための手書きのメモなどが展示されています。
展示会は、来年1月から蔚山工場文化センターのヘリテージホールで一般公開されます。
同社グローバルマーケティング責任者のSung won Jee(以下、ジ・ソンウォン)は「蔚山工場は、世界最高の自動車を提供するという壮大な夢を抱いて1968年に設立された世界最大の単一工場です。この起工式を通じて、私たちは蔚山工場とともに歩んできた道のりを辿ることを目指します。蔚山工場は、私たちを今日の業績へと導いてくれた何万人もの人々によって築かれました。彼らはまた、私たちが電気自動車の時代を歩んでいく旅路において中心的な役割も担っています」と強調しました。
またジ・ソンウォンは「蔚山の新EV専用工場を通じ、未来の自動車生産のパラダイムをリードすることで、すべての人のためのモビリティ・ソリューションを進化させるよう努めます」 と述べました。
Hyundai(ヒョンデ)について
1967年に設立されたHyundai Motor Companyは、世界200ヵ国以上で事業を展開し、12万人以上の従業員を雇用しており、世界中のモビリティに関する現実的な課題に取り組んでいます。ブランドビジョンである「Progress for Humanity」に基づき、Hyundai Motorはスマートモビリティ・ソリューション・プロバイダーへの転換を加速しています。Hyundaiは、革新的なモビリティソリューションを実現するために、ロボティクスやAdvanced Air Mobility(AAM)などの先進技術に投資し、未来のモビリティサービスを導入するためのオープンイノベーションを追求しています。世界の持続可能な未来のために、Hyundai Motorは業界をリードする水素燃料電池と電気自動車技術を搭載したゼロエミッション車を導入するための努力を続けていきます。
Hyundai Motor Companyとその製品に関するより詳しい情報は、以下をご覧ください。
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