受験生にかける言葉を親はどう選ぶ?保護者調査から見えた“本当に届く声かけ”

株式会社DeltaX

株式会社DeltaX(本社:東京都千代田区、代表:黒岩 剛史)が運営する塾選びサービス『塾選』は、「受験生にかける言葉」について調査しましたので概要をお知らせいたします。

大学受験期は、子どもも保護者も、長い緊張の時間をともに歩むことになります。模試の結果に落ち込む日もあれば、勉強の疲れがにじむ日もある—そんな毎日のなかで、保護者を悩ませるのが「どんな言葉をかければよいのか」という問題です。

励ましのつもりで伝えた一言が、実は子どもにとって負担だったり、逆に何気ないひとことで大きく救われた…という声は珍しくありません。

そこで塾選ジャーナル編集部は、子どもが日々受験勉強をしているとき、落ち込んだとき、入試前日・当日の声かけの実例、逆効果になりやすい言葉を調査。調査結果をもとに受験生に本当に届く声かけを解説します。

詳細はこちらをご覧ください。

勉強中の受験生にかける言葉は「よく頑張っているね、無理しないようにね」が最多

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

最も多かった回答は「『よく頑張っているね、無理しないようにね』などのねぎらいや体調を気遣う言葉」で、53.5%と半数以上を占めました。次いで「『少し休憩したら?』などのリラックスや気分転換を促す言葉」(34.3%)、「『ここまでよくやってきたね』などの努力を認める言葉」(31.3%)が続きました。

上位の傾向を見ると、「もっと勉強しなさい」といった“背中を押す強い言葉”ではなく、

「無理をさせない」「頑張りすぎを止める」「安心させる」という声かけが多いことがわかります。

また、「特に声をかけなかった」家庭も12.1%あり、これは“放任”ではなく、必要以上にプレッシャーをかけない配慮によるものが多いことがアンケート回答から読み取れました。

効果的なのは「頑張りへのねぎらい+体調の気遣い」をセットした声かけ

大学受験期に保護者が最も気を配ることの1つに「頑張りすぎて体調を崩さないか」という心配があります。特に追い込み時期は“やればやるほど不安が増す”ため、子どもは「休む=怠ける」と感じやすく、なかなか自分から休もうとしません。

そこで大切なのは、単に「無理しないでね」と伝えるだけでは、子どもは休む理由を見つけにくいということ。 

セットでの声かけとはどのようなものでしょうか?実際の先輩保護者の声を紹介します。

  • 「『あなたの努力はちゃんと見ているから、結果に関係なくうれしく思っているよ。無理せず、体調を大事にしてね』とよく声をかけました。本人のペースを尊重しつつ、安心して取り組めるよう心がけていました。」(元さん 広島県 大学2年生女子 保護者)

  • 「勉強に集中している姿を見るたびに、『よく頑張ってるね、体調には気をつけてね』と声をかけていました。無理をしすぎないように伝えながら、努力をちゃんと見ているよという気持ちを込めていました。」(miyahiroさん 大阪府 大学1年男子 保護者)

落ち込んだ受験生にかけるのは「気持ちの受け止め」と「大丈夫」の言葉

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

もっとも多かったのは 「大丈夫」「次に活かそう」など安心させる言葉(41.4%) でした。 次いで、「努力してきたことを分かっているよ」と過程を承認する声(31.3%) が続きました。

一方で、 「頑張って」「負けるな」などの励まし(7.1%)、 「もっと勉強しないと」などの注意や叱咤(3.0%) といった“背中を押す強い言葉”は、比較的少数にとどまっています。 また、22.2%の家庭が、あえて言葉をかけないという選択をしていました 。

保護者が特に意識していたのは、勉強に関するアドバイスよりも、感情に寄り添いながら子どもが前向きになれるような声かけでした。

「頑張れ」よりも大切なのは「努力の過程」を認める声かけ

模試や成績の結果が振るわなかったとき、保護者が背中を押す強い言葉を避ける傾向にあることはグラフからも明らかです 。落ち込んでいるときに「頑張れ」と伝えると、すでに頑張ってきた結果の場合は、かえって自己肯定感を失う原因になりかねません。

落ち込んでいるときには、励ましよりも「安心」を与えることが大切です 。そのために、保護者が実践していたのが、日々の努力を「言葉にして認める」という声かけでした 。

受験生にとっては、日々の積み重ねは自分自身でも見えにくくなるものです。だからこそ、結果ではなく過程を承認し、「あなたは一人じゃない」「努力は見えている」というメッセージを届けることが支えになります。

先輩保護者はどのような言葉で家庭や努力を承認していたのか、具体的な声かけを紹介します。

  • 「『だれでも落ち込むのは当然だよ。でも、今まで積み重ねてきた努力は無駄にならないし、次に活かせるから大丈夫』と、気持ちに寄り添いながら前向きになるように、言葉をかけをしました。」(元さん 広島県 大学2年女子 保護者)

  • 「テストの結果が思うようでなかった時には、『これまで努力してきたことをよく見ているよ』と伝え、『悔しい気持ちは当然だからその気持ちを大切にして、次に活かそう』と声をかけていました。」(KKさん 東京都 大学1年男子 保護者)

入試前日と当日は「落ち着いて本番を迎えさせる言葉」が中心

試験直前の声かけは、子どもの気持ちを大きく左右する場面です。入試の前日と当日、それぞれのタイミングで保護者がどのような言葉を選んでいたのかを聞きました。

前日:自己肯定感を高め、コンディションを整えるための言葉

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

試験前日の声かけで多かったのは、「大丈夫」「自信を持って」などの安心につながる言葉でした。しかし、この“前日の大丈夫”は、落ち込んでいるときにかける「大丈夫」とは少し性質が異なります。

落ち込み時の「大丈夫」は、心の回復や気持ちの受け止めが目的ですが、前日の「大丈夫」は、自己肯定感を高め、本番に向けて気持ちを安定させるための言葉です。

アンケートの回答を見ると、多くの家庭で「もう十分頑張ってきたこと」を丁寧に伝えており、落ち着いた状態で本番を迎えてほしいという気持ちが表れています。

  • 「『ここまで本当によく頑張ってきたね。もう十分準備できているから、自分を信じて行っておいで』と伝えました。緊張を和らげるために、あえて普段通りの口調で話しかけ、プレッシャーをかけないように気をつけました。」(daigakutentenさん 大阪府 大学1年男子保護者)

  • 「ここまで頑張ってきたから、絶対に大丈夫。今日は早く寝て体調を整えよう。」(笑顔でワハハさん 京都府 大学1年女子 保護者)

当日:そっと背中を押すための短くシンプルな言葉

※本アンケートは複数回答形式のため、合計が100%を超える場合があります。

試験当日の声かけでもっとも多かったのは、「いってらっしゃい」など普段通りの言葉(46.5%)でした。 前日とは異なり、当日はあえて特別なメッセージを付けないことで、緊張を過度に刺激しないようにする家庭が多く見られました。

「大丈夫」や「自信を持って」という安心の言葉(39.4%)も一定数ありますが、その多くは長い励ましではなく、短くシンプルにまとめられた“ひと言” にとどまっていると考えられます。

当日は気持ちを高めすぎず、普段通りのリズムで送り出すことを重視している家庭が多いようです。

また「いってらっしゃい」「気をつけてね」「頑張って、またあとで」など、普段と同じ温度感で子どもを送り出す姿も多く見られました。前日の“静かな自信づけ”とは少し異なり、当日は “日常の延長線のまま会場へ向かわせる” ことが重視されている様子がうかがえます。

  • 「あまり本人が重く受け止めないように、軽い雰囲気で笑いながら『おう、頑張って。いってらっしゃい』と声をかけました。」(たくやパパさん 静岡県 大学2年男子 保護者)

  • 「あまりたくさん言葉をかけるとプレッシャーを感じそうだったので、『大丈夫!自分を信じて』とシンプルに伝えて、ギュっと抱きしめました。」(みなみさん 北海道 大学1年女子 保護者)

逆効果だった言葉の傾向:励ましや助言が負担になることも

アンケートでは、大学受験期に「良かれと思ってかけた言葉が、結果的に子どもを追い詰めてしまった」との声もあがっていました。励ますつもりのひと言でも、子どもの状況や気持ちによってはプレッシャーとして受け取られてしまうことがあります。

もっとも多かったのは、「頑張れ」「あと少しだよ」といった努力を促す言葉が重荷になってしまったケースです。すでに本人が限界まで頑張っている時期には、「頑張れ」は「これ以上やらないといけない」と聞こえてしまい、気持ちが逆に萎えてしまうこともあります。

また、助言をしたかっただけの言葉や、保護者の不安な気持ちが言葉として出てしまったことが、結果として子どものやる気を奪ってしまったという後悔の声が寄せられました。

  • 「頑張れ大丈夫だからと。緊張しているところに大丈夫と言われて余計に大丈夫じゃない気がしてきたと言ってました。」(のんさん 北海道 大学2年男子 保護者)

  • 「『あと少しだから頑張れ!』は、本人は頑張っているので、その言葉をかけることによって精神的にイライラしたりプレッシャーを感じてしまう。」(オフトさん 愛知県 大学1年男子 保護者)

  • 「『志望校を変更した方が良いのではないか。』本人には少しレベルが高くて判定も良くなかったから声を掛けたが、どうしても行きたい大学だった為怒ってしまった。」(笑顔でワハハさん 京都府 大学1年女子 保護者)

これらのケースから見えてくるのは、 “保護者が発する言葉は、子どもの心の状態によって全く違う意味に聞こえてしまう” ということです。

励ますつもりの言葉が、受験生にとってはプレッシャーになることもある—声かけには「今の子どもの心の状態」を見極める視点が重要であることがわかります。

まとめ:親から受験生にかける「本当に届く」言葉の3原則と、心の持ち方

今回の保護者への調査を通して明らかになったのは、受験生にとって力になるのは、派手な励ましではなく、「安心して頑張れる環境」をつくる日常の温かい言葉だということです 。

今回のアンケート調査で見えた、保護者が実践したい「本当に届く声かけ」の3つの原則をまとめます。

原則 1: 日々の勉強では、ねぎらいと体調の気遣いをセットにする

原則 2: 落ち込んでいるときには、過程の承認と安心感で前を向かせる

原則 3: 試験直前は「普段通り」と「自信づけ」に徹する

一方で、「頑張れ」「あと少しだよ」といった励ましや 、「大丈夫なの?」といった保護者の不安がにじむ言葉はおすすめしません。子どもにとってはプレッシャーとして伝わり、逆効果になるケースも多く見られました 。

声かけは「どんな言葉を言うか」以上に、「どんな気持ちで寄り添うか」が大切になります 。保護者の落ち着いた言葉や、努力を認める姿勢こそが、受験期における何よりのサポートであり 、家のなかにある安心感が、受験生が最後まで走り切るための支えとなるでしょう。

詳細はこちらをご覧ください。

アンケート調査概要

調査対象:過去5年以内に大学受験を経験した子どもをもつ保護者(有効回答数99名)

調査時期:2025年10月

調査機関:自社調査

調査方法:インターネットを使用した任意回答

調査レポート名:「受験生にかける言葉」についての調査

※掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『受験生にかける言葉』についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/37946/)へのリンク設置をお願いします。

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業種
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本社所在地
東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント 19F
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代表者名
黒岩 剛史
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2022年06月