県アンテナショップの固定客化、観光や移住の拠点化が進む【第8 回アンテナショップ利用実態調査2025】

アンテナショップの利用率ランキング1位は北海道。商品以外を目的とした多様化も顕著に

株式会社ブランド総合研究所

 株式会社ブランド総合研究所は、このたび東京都内にある全国の道県のアンテナショップ 34 店舗について、利用の実態を明らかにするため「第8 回アンテナショップ利用実態調査2025」を実施した。

 本調査はインターネットを利用し、首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)在住の男女20,000人から回答を得た。

 この調査では、来店経験、リピート率、購入商品などの店舗利用状況のほか、観光情報の入手やレストランでの飲食、そしてEC サイトの利用率など、店舗での商品購入以外での活用状況についても調査・分析を行った。

 その結果、首都圏住民で都内にある道県のアンテナショップを1年以内に来店・利用した人の割合はわずかに減少したが、利用者1人あたりの訪問回数やリピート率は増加。すなわち、各店舗の固定客化が進んでいることが明らかになった。また、来店時に観光情報や、市町村のパンフレット入手、体験イベント等の参加など、商品購入以外の行動も多様化しており、地域に関する様々な情報発信拠点として活用されているという実態が明らかになった(調査概要の詳細は後述のとおり)。

利用率は前年より低下。1人当たり回数は増

 現在、東京都内には、全国の道県のうち34のアンテナショップがある(1都2府の店はないため、ここでは「道県」と称す。また、1県で複数を出店している場合もある)。

 そこで、まず首都圏に住む方に、これまでに道県のアンテナショップに行ったことがあるか否かを聞いてみた(右グラフ)。

 東京にあるアンテナショップに、1年間に1店以上に来店・利用したことがある人(以下訪問率と称す)は合計27.8%で、前回(およそ1年前)の31.0%より減少した。ところが、「週1回以上」は3.5%で、同2.7%より増加している。なお、回答者1人当たりの訪問回数は5.31回/年(未利用者を含む)で、これは前回の4.68回より増加している。つまり、アンテナショップでは、同じ店に何度も繰り返し訪問するヘビーユーザーの割合が増えている可能性が高いということになる。

 ちなみに、訪問経験のある人に限って年間訪問回数を算出すると19.1回となり、月に1回以上は訪問していることになるが、これは「ほとんど毎日」というヘビーユーザーが底上げしている結果だ。

また、この結果を言い換えれば、アンテナショップの延べ利用者数は前年より13.4%増加したことになる(5.31/4.68=1.134)。

20代の利用者が増えている!

 年代別で過去1年間にアンテナショップを利用した割合は、各年代とも30%前後と大きな差は見られなかった。ところが、1人当たりの年間訪問回数を年代別に分析すると、20代が9.05回(利用しない人を含む)で最も多く、次いで30代が7.42回と年代が低いほど高くなっている(右下グラフ)。つまり20代は60代以上の4倍近く訪問していることになる。

 特に20代で「週に1回以上」訪問している人は6.8%で、60代以上の1.1%より6倍も多くなっている。ちなみに30代は5.1%で、20代に次いで多い。つまり、頻繁に訪れるヘビーユーザーは若い世代に多いということになる。しかも、前回の調査における20代が7.24回、30代が6.81回なので、1年間でヘビーユーザーがかなり増えているようだ。アンテナショップにとって、若い世代は非常に有望なマーケットであることがわかる。

17%が観光情報を得ている

 アンテナショップを訪問した際に何をしたかを聞いた結果が右のグラフ(数字は34店の平均)。

 「食品を購入した」と回答した人は34店平均で65.6%と最も多い。すなわち来店した3人に2人は食品を購入したことになる。

次に多いのは「新商品や珍しい商品等を探した」で20.5%だが、アンテナショップには各地域の珍しい商品を取り寄せている店が少なくない。

 注目すべきは、「観光パンフレットや情報を得た」で、「飲食をした」とほぼ同じ17.0%が実施している。

 さらに「市町村のパンフレットや情報を得た」も11.2%と1割以上が得ている。都内でも旅行代理店の窓口や、駅の窓口が縮小される中で、県のアンテナショップで各地の旅行情報を入手する拠点として活用する人が増えているようだ。

 アンテナショップの店内で利用者にヒアリングをすると、首都圏住民だけではなく、全国から東京に旅行に訪れた人が、その後の旅行地候を探すための情報として入手している人も少なくない。実際に、英語のパンフレットを置いているアンテナショップでは、そうした外国語のパンフレットを持って帰る人が少なくないようだ。

北海道、沖縄に次ぐ3位は閉店した宮城

 次に、実際に過去1年間に来店・利用したことのある店のランキングを作成した。

 年間での来店率が最も高かったのは北海道どさんこプラザで9.50%。同店は2017年の調査から連続1位となっている。しかし、同店が安泰とは言えない。前回調査の10.44%よりおよそ1ポイントも低下しており、これは34店中で最も下げ幅が大きいからだ。

 次いで沖縄・銀座わしたショップ本店。2023年1月に銀座から有楽町に移転し、来店率は低下してしまったが、相変わらず人気は高い。

 3位の宮城ふるさとプラザは2024年12月で現在の池袋の店舗は閉店。2025年1月に運営体制を変えて日本橋茅場町に期間限定でオープン予定だ。

 なお、3位から6位までは東北の店舗が占めているなど、東北各店の来店率が高くなっている。

過去1年の飲食施設の利用状況が大幅に上昇

 アンテナショップに併設されている飲食施設の利用状況については、28店のうち過去1年以内にいずれか1つ以上利用したことがある人は16.31%で、前年の15.25%より増加した。

 飲食率が最も高かったのは北海道で5.20%。同店はソフトクリームのイートインの人気が根強い。

 2位は宮城の2.45%。同店は2024年12月に閉鎖している。

 3位の山形から5位の福島まで東北の店舗が占めた。

 9位の鹿児島の他、宮崎、沖縄、長崎など九州の各店もランキングの上位に多い。


<調査概要>

 「第8回アンテナショップ利用実態調査2025」は、20歳~79歳の男女を対象に、2024年10月18日から11月2日にかけてインターネットで調査を実施し、首都圏(1都3県に住む計20,000人を対象として実施し、男女および年代(60歳~79歳は「60代以上」とした)別にそれぞれ均等に回収した。その中から、不完全回答など信頼性の低い回答を除く計19,784人の有効回答をもとに分析した。

調査対象は東京都にある、道県のアンテナショップで34店。市町村や一般企業が事業主体となっている店舗は対象外とした。

 回答者には、それぞれの店舗への訪問経験や、食品分野別の購入経験、併設している飲食店の利用経験などについて聞くとともに、各アンテナショップが運営しているECサイト(ネット通販)の利用経験や、アンテナショップに望むことなどの設問を加えている。

 ・調査方法インターネット調査

 ・調査対象登録調査モニター(約450万人)から首都圏在住で20歳~79歳の男女

 ・総回収数計20,000人 (各年代別に男女2000人ずつを回収。60代以上には70代を含む)

 ・有効回答数 計19,784人 (不完全回答など信頼性の低い回答は集計の対象外とした)

 ・調査時期2024年10月18日~11月2日

 ・調査項目全体指標:都内アンテナショップの利用頻度

  各店の利用状況:これまでの訪問経験、過去1年間の来店状況

  店内での行動:食品・工芸品の購入、イベント参加、観光情報入手率など

  食品分野別の購入:肉製品、魚介類、※、スイーツなど分野別の購入率

  来店意欲:各店の再来店意欲、新規来店意欲

  飲食経験:併設飲食店の利用率

  ECサイト利用:ECサイト(ネット通販)の利用率

<調査報告書>

・報告書冊子 (価格は税込)

総合報告書: 98,000円 総合報告書(約160ページ)

データCD:33,000円  ※調査結果のデータ(EXCEL)

個別調査:  450,000円~ (各店来場者への調査)

本調査の結果を、さらにご活用いただき、店舗の活性化戦略に活かしていただけるように、追加調査・レポートをご用意しています。

弊社HP(特設サイト)https://news.tiiki.jp/antenna2025 をご確認下さい。

<ブランド総合研究所の会社概要>

「都道府県・魅力度ランキング」など自治体の評価指標として全国で利用されている「地域ブランド調査」を毎年実施している、地域や企業の調査およびコンサルティングを行う専門企業です。同調査以外にも、地域ブランドに関する調査やシティプロモーションなどの戦略立案を実施しています。また、英国ギネスワールドレコーズの公式パートナーとして各地でのギネス世界記録への挑戦サポートも行っています。

 ・本社東京都港区虎ノ門1-1-20 虎ノ門実業会館3階(〒105-0001)

 ・代表者代表取締役 田中章雄

 ・資本金2500万円

 ・設立2005年11月

<問合せ先(メディアおよび読者とも)>

株式会社ブランド総合研究所

Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013

E-mail: project@tiiki.jp

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代表者名
田中 章雄
上場
未上場
資本金
2500万円
設立
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