金融ビックデータ・AIのノウハウを活用し、金融データ分析コンペティションの運営に参画
~お客さまに喜ばれる金融サービスの開発・提供に貢献~
当行は、一般社団法人 金融データ活用推進協会(以下「金融データ活用推進協会」)が、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のJapan Digital Design株式会社、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社、三井住友信託銀行株式会社、SBIホールディングス株式会社と共同で、2023年1月20日から開催しているデータ分析コンペティション『第1回 金融データ活用チャレンジ※1(以下「金融データ活用チャレンジ」)』の運営に参画しております。
当行は、昨年まで国内大学生・大学院生を対象にした金融データ分析コンテスト『新生ハッカソン※2』を開催していました。その運営実績が金融データ活用推進協会から評価され、コンペティション運営企画に関するナレッジを共有して欲しいと、本データ分析コンペティションの企画準備から技術支援に携わりました。
今回、これまでに培ってきた当行ならではのノウハウが、「金融データ活用チャレンジ」にどう活かされ、貢献したのか担当者からお伝えします。
―― 金融データ活用推進協会から評価された、新生ハッカソンの運営実績の特長は
金丸正道(以下、金丸):新生ハッカソンはこれまでに6回開催していますが、金融業界で珍しい取り組みだと思います。当行の有するほかに金融機関にない特長として、まず、社内にデータサイエンティストがいて、自社でAIを開発できる体制が整っている点が挙げられます。新生ハッカソンでは、コンペティション課題を出題するだけでなく、データの理解やAIの組み方を参加者1名に対して、当行のデータサイエンティスト2~3名が毎日の面談などを通して一緒に考えるかたちで実施してきました。
モデルコンペティションを開催するのではなく、参加者に寄り添う形で金融業界のデータサイエンティストが行うモデリングを参加者に体験してもらってきたことが、新生ハッカソンの大きな成功要因であり、その点を評価してもらったと感じます。
宮田真美子(以下、宮田):新生ハッカソンを最初に開催したのは2017年ですが、当時よりPython環境を整備しており、それらを使って新生ハッカソンを開催してきました。もともと、当行グループでは、統計や機械学習を与信だけでなく業務改善などに用いてきており、ビジネスにサイエンスを使うというマインドがあるところも新しい取り組みを支えていますね。
―― 過去6回開催している新生ハッカソンの経験が、今回の金融業界横断コンペティションにどう活かされたのか
臼井宏毅(以下、臼井):新生ハッカソンは、全国の大学生・大学院生を対象に参加者を募集し、コンペティションテーマの要件定義からデータの準備、参加者の開催期間の取り組み内容を発表するイベントまで、全てのプロセスを当行内で企画し準備を進めます。新型コロナウイルスなどの影響から、これまでにオフライン・オンライン両方の形式で開催しており、開催形態に関わらずコンペ準備のための知見を持っています。こういった経験が、今回のコンペティション開催にあたり、テーマ選定や競技性のあるデータ準備の側面で活かされました。
宮田:新生ハッカソンを企画・運営していった過程で蓄積された経験値を踏まえ、運営事務局に対して、コンペティションの進行をどう管理・整理していくのかを共有するとともに、「金融データ活用チャレンジ」のテーマの検討などを行いました。当行の組織は、若手データサイエンティストだけではなくビジネス課題解決に知見がある熟練工のようなメンバーの他、有識者が集まった組織体系になっています。課題の掘り下げ、企画立案、基盤構築、分析アプローチまでできる組織だから、コンペティションの開催を独自で行えたのだと思います。
―― SBI新生銀行が「金融データ活用チャレンジ」に参画することで、どういうことが期待できるのか
臼井:「金融データ活用チャレンジ」の面白いところは、人工的なデータではあるが、金融機関で用いられるデータと同様の構造、種類のデータに触れることが出来る点だと考えています。そのため、コンペティション参加者にとっては普段、金融業界のデータサイエンティストが分析で使っている項目を実際に触れることができるメリットがあります。
宮田:当行にとっては、多数の参加者や他業界のデータサイエンティストが金融データに触れることで、今までになかった分析の切り口や示唆が見えてくると大いに期待しています。その結果、当行グループにおいて、より顧客中心主義に沿ったサービスを提供できるようになるでしょうし、参加者とのウィン・ウィンな関係が出来ていますね。
―― 「金融データ活用チャレンジ」に限らず、金融機関が先進技術をビジネスに活用していく取り組みを推進することの重要性とは
金丸:金融機関として当たり前のことですが、お客さま一人ひとりのシチュエーションにあった金融サービス、「気の利いた金融」を提供することが一番に求められます。AI・アナリティクス技術をはじめとする先進技術を、金融の場面でも積極的に取り入れることが、この実現につながると思っています。
例えば、先進技術の活用によって、お客さまのニーズをより正確にとらえられるようになれば、これまでよりもベストな商品の提案につながります。今、顕在化していない、潜在ニーズを考慮した商品提案といったことも出来るようになってきます。他にも、個々の取引リスクを正確にとらえることで、より多くのお客さまに金融サービスを提供できるようになります。
宮田:今回のような取り組みを通し、世の中の技術にキャッチアップし、自社で当たり前のように使える水準まで技術を習熟していくことが、お客さまに喜ばれる金融サービスの開発・提供に結びついていくということですね。
金丸:当行グループは、中期ビジョンにて3年後に目指す姿として『先駆的・先進的金融を提供するリーディングバンキンググループ』を掲げていますし、先進技術をビジネスの場面へ活用すべく研究や取り組みの推進を行っていきます。
※1 金融データ活用チャレンジは、金融機関での実務経験に近いデータが提供され、実務的・社会的に意義のある課題設定を特徴とするデータ分析コンペティション。第1回目は「住宅ローン延滞者の抑止を目的とした延滞予測モデルの構築」を課題として開催。詳しくは、こちら(https://signate.jp/competitions/841)をご参照ください。
※2 新生ハッカソンは、2017年よりデータサイエンスに興味のある全国の大学生・大学院生に対して、ビジネスデータを用いた実践的な分析機会の提供を目的に、これまで計6回開催しています。
今回、これまでに培ってきた当行ならではのノウハウが、「金融データ活用チャレンジ」にどう活かされ、貢献したのか担当者からお伝えします。
(左からSBI新生銀行 グループデジタル戦略部 金丸正道、宮田真美子、臼井宏毅)
―― 金融データ活用推進協会から評価された、新生ハッカソンの運営実績の特長は
金丸正道(以下、金丸):新生ハッカソンはこれまでに6回開催していますが、金融業界で珍しい取り組みだと思います。当行の有するほかに金融機関にない特長として、まず、社内にデータサイエンティストがいて、自社でAIを開発できる体制が整っている点が挙げられます。新生ハッカソンでは、コンペティション課題を出題するだけでなく、データの理解やAIの組み方を参加者1名に対して、当行のデータサイエンティスト2~3名が毎日の面談などを通して一緒に考えるかたちで実施してきました。
モデルコンペティションを開催するのではなく、参加者に寄り添う形で金融業界のデータサイエンティストが行うモデリングを参加者に体験してもらってきたことが、新生ハッカソンの大きな成功要因であり、その点を評価してもらったと感じます。
宮田真美子(以下、宮田):新生ハッカソンを最初に開催したのは2017年ですが、当時よりPython環境を整備しており、それらを使って新生ハッカソンを開催してきました。もともと、当行グループでは、統計や機械学習を与信だけでなく業務改善などに用いてきており、ビジネスにサイエンスを使うというマインドがあるところも新しい取り組みを支えていますね。
―― 過去6回開催している新生ハッカソンの経験が、今回の金融業界横断コンペティションにどう活かされたのか
臼井宏毅(以下、臼井):新生ハッカソンは、全国の大学生・大学院生を対象に参加者を募集し、コンペティションテーマの要件定義からデータの準備、参加者の開催期間の取り組み内容を発表するイベントまで、全てのプロセスを当行内で企画し準備を進めます。新型コロナウイルスなどの影響から、これまでにオフライン・オンライン両方の形式で開催しており、開催形態に関わらずコンペ準備のための知見を持っています。こういった経験が、今回のコンペティション開催にあたり、テーマ選定や競技性のあるデータ準備の側面で活かされました。
宮田:新生ハッカソンを企画・運営していった過程で蓄積された経験値を踏まえ、運営事務局に対して、コンペティションの進行をどう管理・整理していくのかを共有するとともに、「金融データ活用チャレンジ」のテーマの検討などを行いました。当行の組織は、若手データサイエンティストだけではなくビジネス課題解決に知見がある熟練工のようなメンバーの他、有識者が集まった組織体系になっています。課題の掘り下げ、企画立案、基盤構築、分析アプローチまでできる組織だから、コンペティションの開催を独自で行えたのだと思います。
―― SBI新生銀行が「金融データ活用チャレンジ」に参画することで、どういうことが期待できるのか
臼井:「金融データ活用チャレンジ」の面白いところは、人工的なデータではあるが、金融機関で用いられるデータと同様の構造、種類のデータに触れることが出来る点だと考えています。そのため、コンペティション参加者にとっては普段、金融業界のデータサイエンティストが分析で使っている項目を実際に触れることができるメリットがあります。
宮田:当行にとっては、多数の参加者や他業界のデータサイエンティストが金融データに触れることで、今までになかった分析の切り口や示唆が見えてくると大いに期待しています。その結果、当行グループにおいて、より顧客中心主義に沿ったサービスを提供できるようになるでしょうし、参加者とのウィン・ウィンな関係が出来ていますね。
―― 「金融データ活用チャレンジ」に限らず、金融機関が先進技術をビジネスに活用していく取り組みを推進することの重要性とは
金丸:金融機関として当たり前のことですが、お客さま一人ひとりのシチュエーションにあった金融サービス、「気の利いた金融」を提供することが一番に求められます。AI・アナリティクス技術をはじめとする先進技術を、金融の場面でも積極的に取り入れることが、この実現につながると思っています。
例えば、先進技術の活用によって、お客さまのニーズをより正確にとらえられるようになれば、これまでよりもベストな商品の提案につながります。今、顕在化していない、潜在ニーズを考慮した商品提案といったことも出来るようになってきます。他にも、個々の取引リスクを正確にとらえることで、より多くのお客さまに金融サービスを提供できるようになります。
宮田:今回のような取り組みを通し、世の中の技術にキャッチアップし、自社で当たり前のように使える水準まで技術を習熟していくことが、お客さまに喜ばれる金融サービスの開発・提供に結びついていくということですね。
金丸:当行グループは、中期ビジョンにて3年後に目指す姿として『先駆的・先進的金融を提供するリーディングバンキンググループ』を掲げていますし、先進技術をビジネスの場面へ活用すべく研究や取り組みの推進を行っていきます。
※1 金融データ活用チャレンジは、金融機関での実務経験に近いデータが提供され、実務的・社会的に意義のある課題設定を特徴とするデータ分析コンペティション。第1回目は「住宅ローン延滞者の抑止を目的とした延滞予測モデルの構築」を課題として開催。詳しくは、こちら(https://signate.jp/competitions/841)をご参照ください。
※2 新生ハッカソンは、2017年よりデータサイエンスに興味のある全国の大学生・大学院生に対して、ビジネスデータを用いた実践的な分析機会の提供を目的に、これまで計6回開催しています。
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