いま話題の新書『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版) 絶賛発売中
不適切な養育で、子どもの脳が変形する??? 科学的見地から子どもの脳を解き明かす小児精神科医が、『世界一受けたい授業』(10月28日土曜日、夜、日本テレビ系列)に講師として登場!
子どもが減少する中、厚生労働省は児童相談所に寄せられた「児童虐待に関する相談件数」*1は過去最多の12万件を超えたと報告します。
また、警察庁の発表*2によると2017年上半期(1~6月)に全国の警察が虐待を受けた疑いがあるとして児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数は、前年同期比5751人(23.5%)増の3万262人。これは上半期の統計を取り始めた2011年以降6年連続で増加し、初めて3万人を超え、中でも児童に対する心理的虐待とされる面前DVは年々急増しています。
脳研究に取り組む小児精神科医として日米科学技術協力事業課「脳研究」分野グループ共同研究日本側代表者を務める著者は、強者である大人から弱者である子どもへの不適切なかかわり方を「虐待」と呼ばずに「マルトリートメント」と言います。言葉による脅し、威嚇、罵倒、無視、放置などの行為に加え、子どもの前で繰り広げられる激しい夫婦喧嘩などもマルトリートメントとなります。
脳研究により、こうしたマルトリートメントが脳に悪影響を与えた結果、生来的な要因で起こると考えられてきた子どもたちの学習意欲の低下や非行、うつ病や摂食障害、統合失調症などの精神障害を引き起こす可能性が明らかになりました。例えば、体罰を受けて「前頭前野」が委縮すると感情のコントロールがきかなくなり、暴言を浴びて「聴覚野」が肥大すると会話力が低下、夫婦喧嘩などの目撃によって「視覚野」が縮小すると他人の表情が読み取れなくなります。これらの脳の変形は、子どもたちが生きる延びるための悲しい防衛反応と考えられます。
本書は、心と脳の関係、心の発達を妨げる不適切なかかわり(養育)、マルトリートメントによる脳へのダメージと影響、子どもの脳の回復ケーススタディ、安定した愛着の重要性とケーススタディ、トラウマを受けた子どもの治療方法、加害者である親のサポート方法などを取り上げながら、子どもとの向き合い方を解説します。
なお、著者の友田明美医師が人気の教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』(10月28日土曜日、夜7:56~8:54、日本テレビ系列にてO.A.)に出演し、チャイルド・マルトリートメントが子どもの脳におよぼす影響について講義します。
*1:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第13次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数(平成29年8月17日発表)
*2:平成29年上半期における少年非行 児童虐待及び子供の性被害の状況(平成29年9月発表)
■内容(サマリ)
序章「健全な発達を阻害する脳の傷つき」
第一章「日常のなかにも存在する不適切な養育」
しつけの一貫として生活の中に溶け込み、習慣化しているマルトリートメントを紹介。
第二章「マルトリートメントによる脳へのダメージとその影響」
脳が損傷したことにより子どもに現われるさまざまな症状を、脳科学の視点で解説。
第三章「子どもの脳がもつ回復力を信じて」
子どもの脳がもつレジリエンス(回復力)に注目し、一度傷ついた脳をどのような方法で癒していくのか、具体的な治療内容、臨床事例、最新の知見を用いて検証。
第四章「穏やかな発育に必要な愛着形成」
健やかな発育に不可欠な「愛着形成」のプロセスを説明すると共に、いま話題の「愛着障害」と「発達障害」の違いや、子どもとの絆の再形成の方途を伝える。
終章「マルトリートメントからの脱却」
マルトリートメントを予防するための新しい試みや、急務とされる養育者支援について。
■著者プロフィール
1987年、熊本大学医学部医学研究科修了。医学博士。 同大学大学院小児発達学分野准教授を経て、 2011年6月より福井大学子どものこころの発達研究センター教授。 同大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長兼任。2009 ~ 2011年、および2017年4月より 日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究 日本側代表者を務める。著書に『新版 いやされない傷─ 児童虐待と傷ついていく脳』など
■書籍情報
書名:NHK出版新書 子どもの脳を傷つける親たち
判型:新書版、224ページ
定価:842円(税込)
発売日:8月10日
著者:友田明美
ISBN: 978-4-14-088523-9
出版社:NHK出版
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000885232017.html
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