肥前精神医療センターとエーテンラボ、成年期ADHDの時間管理に「みんチャレ」を活用する共同臨床研究を開始

デジタルピアサポートで成人期ADHDの認知行動療法の効果維持を目指す

独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センター 臨床研究部(佐賀県吉野ヶ里町、杠岳文院長)とエーテンラボ株式会社(東京都中央区、長坂剛代表取締役CEO)は、7月よりエーテンラボ株式会社が開発するデジタルピアサポート(※1)アプリ「みんチャレ」を用いて成年期ADHD(※2)患者を対象とした認知行動療法(※3)の効果を維持するための臨床研究を開始します。

本研究では、成年期ADHD患者の時間管理スキルを身につけるための集団認知行動療法プログラムに、デジタルピアサポートアプリを併用した際の行動維持効果を検証します。

みんチャレを活用することで、成年期ADHD患者が同じ困りごとを持つ仲間と日常的に気楽で簡単に時間管理を続けられるように支援します。

両者はこの研究を通じて、成年期ADHD患者の時間管理の新たな支援ツールの確立し、ADHD患者さんの生活の質の向上への貢献を目指します。
※1:デジタルピアサポートとは、同じ境遇の仲間がアプリやWebサービスなどをオンラインで交流し、助け合うこと。「ピア」は仲間を、「サポート」は支援を意味しています。
※2:ADHDとは、「注意欠如・多動症」とも呼ばれ、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状が見られる障害です。
※3:認知行動療法とは、問題が起こったときに、ものの捉え方(認知)や問題への対処法(行動)のパターンを増やすことで視野を広くしたり、問題解決をスムーズにして適応を高める心理療法の一つです。



■ 研究背景
成人期ADHDの心理社会的治療に関する研究は、2000年頃から北半球の先進国およびオーストラリアを中心に発展し、特に認知行動療法は有効であることがわかっています。しかし、その長期的な効果についてはまだ明らかになっていません。

肥前精神医療センターでは、2017年より成人期ADHD患者を対象に集団認知行動療法の臨床試験を実施してきました。集団認知行動療法プログラム参加者に実施したインタビューでは、プログラム終了後も時間管理を継続するためにスマートフォンアプリなど日常的なフォローアップを求める声が目立ちました。

そこで今回、集団認知行動療法プログラムの長期的効果を追跡すると共に、デジタルピアサポートアプリ「みんチャレ」を活用して効果の維持を目指します。本研究では、ADHDという生涯にわたる特性をうまく活かしながら患者さんがより自分らしく生きていくことを支援する認知行動療法の長期的な効果維持を目指します。

■ 研究目的
スマートフォンアプリを用いた成人期ADHD患者への介入は,海外でも取り組まれ (Moëll et al., 2015)、カナダのADHD当事者と専門家の団体CADDRAが発行する治療ガイドラインにおいても推奨されています。

GoogleカレンダーやEverNote、N-back、ネットバンキングアプリなどの時間管理のみならずメモ機能やワーキングメモリの改善に金銭管理などADHDの困りごとを包括的にアシストするスマートフォンアプリが代表的です。しかし、その多くがADHD患者ひとりで使用するアプリであり、その長期継続率は追跡されていません。

本研究で実施してきた認知行動療法は、ADHDの患者さんが「締切までに課題を仕上げる」「約束の日時に遅刻せずに到着する」といった時間管理に必要なスキルを伸ばすことで適応を支援するものでした。

この効果維持のためにアプリ「みんチャレ」を用います。「みんチャレ」は、ユーザー100万人を超えるスマートフォン用アプリであり、5人1組のチームで日々の時間管理をオンラインで共有し、ピアグループ内で励まし合い実行することで時間管理の習慣化を図ることができるアプリです。

これまでに実施したADHD患者へのインタビュー調査においても、「主治医やセラピストと患者といった二者関係よりは、同じ困りごとをもつ仲間と」「短い文章のやりとりで」「気楽に」「日常的に」「低コストで」での持続的なフォローを希望する声が多く寄せられており、「みんチャレ」は、こうしたニーズに応える機能が備わっています。

本研究では、「みんチャレ」アプリを用いた時間管理プログラムのフォローアップ効果を予備的に検討することを目的にしています。

■研究手法
肥前精神医療センターでは、2017年度に成人期ADHDの方を対象に時間管理プログラムを実施しました。今回はその参加者を対象にフォローアッププログラムを実施し、成人期ADHD患者さんが「みんチャレ」を用いて時間管理に関する投稿を継続します。

これまで学んだ時間管理スキルを、ひとつずつ思い出しながら行動に移すために、1週ごとに「夜ふかしをやめて十分睡眠をとる課題」、「朝起きてから家を出るまでの課題」、「夕方帰宅してから寝るまでの課題」についてのリマインダーを送って、その週の課題に取り組んでもらいます。主にADHD症状の中でも不注意症状の改善を目指します。

■研究概要
研究課題:成人期ADHDの集団認知行動療法の長期的効果の検討
研究者 :肥前精神医療センター臨床研究部 非常勤研究員/九州大学大学院人間環境学府 学術協力研究員/ 医療法人要会 かなめクリニック 中島美鈴、医療法人 要会 かなめクリニック 前田エミ、牧野加寿美、要 斉
共同研究:エーテンラボ株式会社 渋谷 恵、村上 真、エーテンラボ株式会社/北里大学大学院 医療系研究科 感覚・統御医科学群 吉原翔太
UMIN臨床試験登録情報:
https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000054837

■独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センターについて

昭和20年に「国立肥前療養所」として開設され、精神科病棟の開放化や社会復帰促進などに全国でいち早く取り組んできた病院です。The most important person in this hospital is the patient(この病院で最も大切な人は患者さんである)という基本理念の下、時代のニーズに沿う形で柔軟に発展を続けています。現在では児童思春期の情緒障害と発達障害、精神科スーパー救急、精神科リハビリテーション、アルコール・薬物依存、認知症、神経症、精神科身体合併症、司法精神医学など現代の精神科医療に求められるほとんどの機能と専門領域毎の専門医や専門外来、専門病棟を有するわが国でも数少ない多機能(オールラウンド)型精神科医療機関です。
公式HP:https://hizen.hosp.go.jp/

■みんチャレについて
5人で励まし合いながら楽しく続ける習慣化アプリ。
みんチャレは勉強・ダイエット・運動・糖尿病改善など同じ目標を持った匿名の5人でチームを作り、チャットに報告して励まし合うことで楽しく習慣化に取り組むことができるアプリです。
神奈川県との臨床研究で2型糖尿病患者と予備群の方を対象に生活習慣改善の効果検証を行った結果では、みんチャレを使用したグループは使用しないグループと比べてウォーキングの目標歩数の達成率・平均歩数で2倍の有意差が認められました※。現在、複数の大学や医療機関、自治体と臨床研究を進めています。
※参考プレスリリース「習慣化アプリ「みんチャレ」の効果を日本公衆衛生学会で発表」(2021年11月4日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000024217.htm

<みんチャレMedical>
患者さんの生活習慣改善に貢献するために、みんチャレを活用した臨床研究を推進しています。
公式ページ:https://a10lab.com/service/medical/

【本臨床研究に関するお問い合わせ先】
成人ADHD集団認知行動療法研究事務局
E-mail: timemana@hotmail.com

【みんチャレに関するお問い合わせ先】
エーテンラボ株式会社
TEL:03-5422-8396
臨床研究 担当 渋谷・吉原
E-mail: minchalle.study@a10lab.com


 
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