『改正温対法』の成立により脱炭素への取り組みが加速
三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「『改正温対法』の成立により脱炭素への取り組みが加速 」を2021年6月3日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
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国や自治体、企業が取り組むべき気候変動対策を定めた改正地球温暖化対策推進法(『改正温対法』)が5月26日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。温暖化ガスの排出を実質ゼロにする期限を、「2050年までの実現」と明示し、50年にゼロにする政府目標の法的な裏付けとなります。これを受けて政府目標達成に向けて、官民あげてエネルギー、自動車などを中心に脱炭素への取り組みが加速するとみられます。
【ポイント1】『改正温対法』が成立、脱炭素への取り組みが加速
■国や自治体、企業が取り組むべき気候変動対策を定めた『改正温対法』が5月26日、参院本会議で可決、成立しました。カーボンニュートラル、「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記し、中期目標として30年度の温暖化ガス排出を13年度比46%減、50年にゼロにする政府目標の法的な裏付けとなります。
■『改正温対法』は自治体に再生エネルギーの導入目標の開示を義務付け、実行計画を立てて導入を進めてもらうことや、企業の排出量についても事業所単位で公表、脱炭素の取り組みを見える化するのが特徴です。成立を受けて官民ともエネルギー、自動車などを中心に脱炭素への取り組みが加速、開発競争も激しさを増すとみられます。
【ポイント2】日本は、全固体電池や水素では先行
■蓄電池では、日本は一度の充電で走れる距離が延びる次世代の全固体電池の開発で世界をリードしています。トヨタ自動車やパナソニックなどが特許出願で優位に立っています。水素の分野でも、日本勢は特許出願で優位に立っており、日本製鉄は水素還元製鉄に取り組む方針です。
■一方、太陽光パネルの世界市場では、価格面で勝る中国製が世界出荷の8割近くを占めています。海上風力機器でも風車本体の生産では欧州勢などが先行している状況にあります。日本はフィルム型で軽量の「ペロブスカイト型太陽光パネル」で巻き返しを狙っており、洋上風力では東芝がGEと基幹設備の製造などで提携し、欧州勢などに対抗します。
【今後の展開】脱炭素に向け、官民での取り組みや提携などに注目
■4月に開催された気候変動サミットで各国は意欲的な温暖化ガス排出目標を発表し、日本では政府目標の法的な裏付けとなる『改正温対法』も成立しました。脱炭素への取り組みが加速しますが主導権確保を狙って、研究開発などで競争激化が予想されます。再生エネルギーやEVなどは巨大市場ですが、一方で技術、コスト、資金面などで解決すべき課題が山積しています。日本は全固体電池、水素などでは先行していますが、官民での取り組みや大胆な企業間の提携などにより、競争力を確保していくことが求められます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
重要な注意事項
・当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
・当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
・当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
・当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
・当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
【三井住友DSアセットマネジメント株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
国や自治体、企業が取り組むべき気候変動対策を定めた改正地球温暖化対策推進法(『改正温対法』)が5月26日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。温暖化ガスの排出を実質ゼロにする期限を、「2050年までの実現」と明示し、50年にゼロにする政府目標の法的な裏付けとなります。これを受けて政府目標達成に向けて、官民あげてエネルギー、自動車などを中心に脱炭素への取り組みが加速するとみられます。
【ポイント1】『改正温対法』が成立、脱炭素への取り組みが加速
■国や自治体、企業が取り組むべき気候変動対策を定めた『改正温対法』が5月26日、参院本会議で可決、成立しました。カーボンニュートラル、「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記し、中期目標として30年度の温暖化ガス排出を13年度比46%減、50年にゼロにする政府目標の法的な裏付けとなります。
■『改正温対法』は自治体に再生エネルギーの導入目標の開示を義務付け、実行計画を立てて導入を進めてもらうことや、企業の排出量についても事業所単位で公表、脱炭素の取り組みを見える化するのが特徴です。成立を受けて官民ともエネルギー、自動車などを中心に脱炭素への取り組みが加速、開発競争も激しさを増すとみられます。
【ポイント2】日本は、全固体電池や水素では先行
■蓄電池では、日本は一度の充電で走れる距離が延びる次世代の全固体電池の開発で世界をリードしています。トヨタ自動車やパナソニックなどが特許出願で優位に立っています。水素の分野でも、日本勢は特許出願で優位に立っており、日本製鉄は水素還元製鉄に取り組む方針です。
■一方、太陽光パネルの世界市場では、価格面で勝る中国製が世界出荷の8割近くを占めています。海上風力機器でも風車本体の生産では欧州勢などが先行している状況にあります。日本はフィルム型で軽量の「ペロブスカイト型太陽光パネル」で巻き返しを狙っており、洋上風力では東芝がGEと基幹設備の製造などで提携し、欧州勢などに対抗します。
【今後の展開】脱炭素に向け、官民での取り組みや提携などに注目
■4月に開催された気候変動サミットで各国は意欲的な温暖化ガス排出目標を発表し、日本では政府目標の法的な裏付けとなる『改正温対法』も成立しました。脱炭素への取り組みが加速しますが主導権確保を狙って、研究開発などで競争激化が予想されます。再生エネルギーやEVなどは巨大市場ですが、一方で技術、コスト、資金面などで解決すべき課題が山積しています。日本は全固体電池、水素などでは先行していますが、官民での取り組みや大胆な企業間の提携などにより、競争力を確保していくことが求められます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
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