鳥取県とブリヂストンがコラボレーション 鳥取砂丘の月面実証フィールド「ルナテラス」にて新開発「第2世代」月面探査車用タイヤの走行試験を初公開
鳥取県に宇宙産業を生み出すチャレンジ!~鳥取砂丘月面化プロジェクト~
そんな星取県では、宇宙関連産業を地域の未来を担う新産業の一つに位置づけ、「鳥取砂丘月面化プロジェクト」に取り組んでいます。2023年6月には2030年に向けての産業創出のロードマップを発表し、7月には月面の環境を模した実証フィールド「ルナテラス」が鳥取砂丘に誕生したほか、とっとり宇宙産業ネットワークの設立、宇宙ビジネス向けの補助金による支援など多面的な展開で産業の育成・振興が進んでいます。
ルナテラスを利用して月面探査車用タイヤを開発している(株)ブリヂストン(本社:東京都中央区)は、このたび新たに「第2世代」月面探査車用タイヤを開発、5月30日(木)には鳥取市内で実証実験を初公開しました。
鳥取県とブリヂストンの歩み
鳥取県と(株)ブリヂストンは、令和5年10月2日に、「鳥取砂丘月面実証フィールドの活用にかかる連携協定」を締結しており、鳥取県の地域振興のために行う情報発信等についても相互に連携・協力することとしています。ブリヂストンは、これまで培ってきたタイヤ開発の知見やシミュレーション技術を駆使し設計・試作したタイヤを実際に月面で走らせることができるのかを評価するため、月面に近い環境で実証実験を行っています。月面のように広大な砂地で様々な起伏がある「ルナテラス」での走行試験を通じて、タイヤの耐久性能や駆動力などのデータを積み上げています。
今回初公開された「第2世代」
次世代タイヤ「AirFree®」の技術を活用し、相反する走破性と耐久性を高次元で両立
「第2世代」となる新たなタイヤでは、これまでの研究開発を通じて分かってきた、月面を走るモビリティに求められる、より厳しい走破性と耐久性に対応するため新たな骨格構造を適用しました。
新構造では、空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree®」で培ってきた技術を活かして新たに薄い金属製スポークを採用し、トレッド部を回転方向に分割しています。これにより、岩や砂に覆われ真空状態で激しい温度変化や放射線にさらされる極限の月面環境下においても、走破性と耐久性の高次元での両立を目指します。また、リアルとデジタル技術の進化により金属製スポークの形状や厚みを構造シミュレーションで最適化し、しなやかに変形しながらも金属製スポークの局所的なひずみを最小化して耐久性を高めつつ、分割したトレッド部により接地面積を大きくしてタイヤを沈み込みにくくすることで、走破性もさらに向上させています。
鳥取砂丘月面化プロジェクトについて
2021年度から、鳥取県庁に「産業未来創造課」を新設。国内外で宇宙産業が大きく成長することが見込まれる中、地域の将来を支える産業の一つとして、宇宙産業を創出するチャレンジがスタート。この「ルナテラス」への実証試験誘致もその一環で、鳥取県から宇宙へ、様々なチャレンジが生まれる場所として活用しています。
鳥取砂丘と月面
鳥取砂丘の特徴を最新の技術によりデジタルデータとして取得したことで、様々な特徴を、過去に得られた月面データと定量的な比較が可能になりました。その結果、月面上の限定されたエリアが対象とはなるものの、類似した地形的特徴や砂の強度を持っていることが確認できています。(地形的な特長、車両の走りやすさ 土壌強度と粒度分布 / 化学成分など)
ルナテラスとは
日本初の「屋外常設型の月面実証フィールド」であるルナテラスは、砂丘の起伏や砂の特性が月面の環境と似ていることから、鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内に作られました。約0.5ヘクタールと広大な敷地を誇り、3種類の区画が用意されています。長さ100m、幅10mの平面ゾーン、5度から20度までの傾斜がある長さ23m×幅50mの斜面ゾーン、そして、利用者が自由に掘削したり造成したりできる45m×50mの自由設計ゾーンである。鳥取県は、月面探査に参画する企業・研究機関による実証実験の拠点となることを目指し、さらには、県内外の宇宙関連企業や研究機関が繋がり、鳥取に宇宙ビジネスが生まれる場として活用していきます。
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